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5. 採用の目的と人材要件を明確にする

■Keynote
・目的には、理想が伴わねばならない。その理想を実現するのが、人の務めである。
・一人ひとりに天の使命があり、その天命を楽しんで生きることが、処世上の第一要件である。
 By 渋沢栄一(実業家)

■なぜ採用を行うのか?
企業とは上位概念であるビジョンやミッションの実現を目指すための集団で、その実現のために事業を構想し、計画を立てて戦略を実行する。採用とはその実現のために行うものであり、自社の求める人材像を定めた上で、照らし合わせて人物の採用を行う。自社の経営理念や行動指針に共感しているか、社風や職場環境にフィットするかどうか、はスキル以前の必須の見極めポイントとなる。

採用の目的は2つある。①成長のための「増員」と、②「欠員補充」である。特に②については欠員や業務の状況を見ながら即座に実行されるものが多く中途採用を行うことが多い。

■先に人材要件を定める
人材要件を定めることで入社後のミスマッチを防ぎたい。増員採用では、経営計画や新事業にマッチしたスキルを明確にし、欠員補充では、部門内の繁閑対応や業務役割・分担の見直しも視野に入れ、必要なスキルを定めてから募集活動を行うべきである。

採用にあたっては経営の意思だけでなく、現場の状況を掴むことも重要となる。補充の場合はもちろんだが、成長のための増員でもその量と質の決定については、現場の意見も取り入れた方が良い。組織の意思決定にトップダウンとボトムアップがあるように、採用についても双方の情報を取り入れた上で決めていくことが望ましい。現状の組織内の人的リソース・タレントを「人材ポートフォリオ(第1章-2)」を活用し可視化することで、経営と現場、双方にとって建設的な議論ができる。

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■参考図書

■Let's Think! 
 □ 全ての欠員は補充する必要があるだろうか?
  補充するか否かの判断基準として、どのようなものがあるだろうか?

 □ 増員を意思決定するために必要な判断基準として、
   どのようなものがあるだろうか?

 □ スキルは要件に合致するが、自社の経営理念や行動指針と
   合致しない候補者は、採用してもよいだろうか?

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