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”#1 男性育休を取ったきっかけ” 「男性サラリーマンの育休体験記〜きっかけ編〜」

はじめに

私は2018年に双子を授かったとき、約半年間の育児休業を取得しました。創業100年を超える、老舗の日系企業に勤めていることもあり、周囲では男性社員が育休を取った実績はなく、少し勇気のいる決断でした。育休から復帰して2年半ほど経った今思うのは、男性の育休は、百利あって一害なしです。
最近は育休取得を検討している男性社員から相談を受けることが増えてきたので、誰かのお役に立てるように、育休体験記という形で私の体験や考えをまとめていきたいと思います。

まず、育休体験記〜きっかけ編〜では、私が育休を取得しようと思った以下の大きなきっかけについて、連載していこうと思います。

  • 男性の育児参加の低さへの課題意識

  • ロールモデルの存在

男性の育児参加の低さへの課題意識

課題意識の背景

まず一点目のきっかけは、男性の育児参加の低さへの課題意識、です。私がこのような課題意識を持つようになったのは、両親が多少なりとも影響していると思っています。両親は共働きで、父は地方公務員、母は教師として、フルタイムで働いて忙しそうでしたが、育児・家事は基本母親が担っていました。幼心でも、なぜ二人とも同じだけ働き、(おそらく)同じだけ稼いでいるのに、家のことはお母さんだけがしているのか、不思議で仕方ありませんでした。
私が小学生高学年の頃、家が少し大変になり、家庭を回すために母親が教師を辞めました。当時は、「お母さん、大変だな」くらいしか思っていませんでしたが、社会人になってから、当時のことを振り返ると、「父親も育児・家事に普段から参画し、家庭のことも回せる状態であれば、母親もやりがいを持っていた教師の仕事を続けられ、さらに世帯収入も大幅に増えていたのでは」と思うようになりました。

課題は国レベルのもの

このような課題意識を持った状態で、さまざまな情報に触れるにつれて、私の両親のような「育児・家事における、男女のいびつな参画割合」は固有の家庭に限定された特殊な状況ではなく、国レベルで同じようなことが起こっていると考えるようになりました。
まず、内閣府のこちらのホームページに記載の下記データよると、日本において、夫婦共働き世帯はすでに多数派(約65%)になっているということがわかります。

共働き世帯の推移

また。同じく内閣府のホームページで取り上げられている下記データによると、日本では、子育て中の夫婦の、1日あたりの育児・家事関連の時間の比率は「妻:夫=約5:1」で、圧倒的に妻の方が育児・家事に時間を費やしていることがわかります。

夫婦の育児・家事関連時間の国際比較

つまり、

  • 夫婦共働きが多数派の日本社会において

  • 依然として、育児・家事に男性が十分に参画していない

ということがわかると思います。

損なわれる豊かさ

そして、私の両親の状況と同じようなことが、日本の他の家庭でも起こっているとしたら、日本全体レベルで下記の豊かさが損なわれているのではないか、と課題意識をより強く持つようになりました。

  • 物質的豊かさ:世帯として十分な収入を得て、物質的に満たされた暮らしを送る

  • 精神的豊かさ:仕事を続けたい人が、仕事を通じて個人として成長し、社会に対する貢献感を持って、精神的に豊かな暮らしを送る

もう少し砕けた言い方をすると、男性が育児・家事に消極的であることによって、国レベルで、金銭的に貧しくなり、またやりがいも感じにくい社会になっているのではないだろうか、という課題意識です。

次回以降は、「男性が育児・家事に参加することで、豊かになれる」ことについてさらにデータなども使いながら考察を進めていこうと思います。

読み進めていただきありがとうございました。
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