10分100円で静寂を買いに
古びた自動ドア
無機質な光が夜に煌々と
回る衣類の悲鳴を肴に
回すドラムが笑っている
冷たく湿気る雨の匂い
乾いた冬の匂いを追い出して
満ちる香りは柔軟剤
まだ嗅ぎ慣れないフレーバー
明けない夜を探している
30分ほどの瞑想の末に
止まない雨を望んでいる
10分100円の夜の静寂に
明日は来るだろう
夜明けが明るいとは限らないが
雨は止むだろう
太陽が見えるかは知らないが
昨日と今日は地続きで
明日になっても私は私で
変わり映えのしない世界で
変わる当てもなく生きてい