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詩の朗読(nori)

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noriが作った詩を自ら朗読したものです。
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記事一覧

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『そんなあなたが好きなんだ』

嘘が嫌いなあなたは
嘘を付かない自分の事が嫌いで
きっと何か隠してるんだって
最初から気付いていました

自分の正直な気持ちを伝えようと
言葉を選んで沈黙しては
かばってくれる人が現れて
迷惑をかけたって思ったんでしょう

知らない人が怖くって
それでも怖いとは言えなくて
注目されるのが嫌なのに
ステージに立つ事がやめられない
ここで生きて行こうって誓った
次の日に

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『勇気奏上』

あなたがたった一人でその舞台に上がる時
思い出して欲しいのは涙を流した初舞台
あの時あなたは誓ったはずだ
もう二度とみんなの大事な時間を奪ったりしないと

それでも誓いは約束とは違う
果たせない事だってあるだろう
あなたに意識して欲しいのはただ一つ
あなたの想いとは関係なく応援したい人がいる
あなたの事を本気で支えたいと誓った人がいる
あなたから見えないとしても私達はそこにいる

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※この作品は半分フィクションです。(追記)


『ドクハク』

家族がいるのに
どうしてだろう
誰にも本音を
話せないんだ

友達がいるのに
どうしてだろう
一緒にいても
楽しくないんだ

僕が病気だから悪いのか
病気になってしまったからダメなのか
「そんな事ない」
「そんな事考えるな」
僕の事を想って言った一言に
拒絶反応を示してしまう

誰も本音を聞き出せない
誰も楽しませてくれない

僕が健

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『怒らない理由』

大事な物を隠されて
ようやく見つけて
怒りかけたその瞬間
すっと目を閉じる

「見つかって良かった」
小さな声で呟く
そしたら相手も
「ごめん」って謝りやすいよね

私には怒らない理由がある
誰にも怒られたくないからだ

でも
毎日のようにケンカして
毎日決まって仲直りする
そんな一人を探している


©nori

2022/05/08

『茶碗かごパラダイス』

家族全員が食べ終えて
ようやく始める皿洗い
水に浸しておいたから
君達 もう準備はできたよね?

お茶碗はお茶碗に
お椀はお椀に
次々と重ねて整える

お皿は大きい順
コップの中に箸入れて
さぁて どこから流そうか

誰から教わったのか
もう思い出せないけれど
私の中にはルールがあって
人と違ってもそれでいい

水浴びさせてキレイになったら
小さい物と大きい物に
並び替え

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『舵(かじ)』

いつもより速いスピードで
動いてしまう私がいる
バタバタ ドンガラガッシャン
なんて事はないけれど

昨日はもっとゆっくりだった
それが分かる事が救いだね
ちょうどいいペースでできる
そんな日を増やしたい

誰かを急かすのも
勢いを止めるのも
私にはできない事だから
私は私の舵を取る


©nori

2024/06/07

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『脱皮』

手も足もない
私にとってはそれが普通で
決して醜くなんてない
私は私だ

自分が生きて行く為に
他の生き物を犠牲にしている
みんなだってそうだろう
みんな同じだ

食べ方や歩き方は違っても
同じように満たされる
愛し方や愛され方は違っても
胸の痛みは共通だ

違うからこそあなたはあなた
違うからこそ私は私
自分に似た存在に初めて出逢う
生きていたらそんな日も来るだろう

地を這って

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『人間』

落ちたら流されるくらいの急流を
間近に見て音を聴く
確かに流れているはずなのに
時が止まった感覚が好き

対岸の木々を行き来する鳥達は
絵になるようで写真に収めた

人間は勝手だ
腐らない製品を生み出して埋め立てて
次々と陸を増やして行く

自然の調和は
バランスを取るように水面を上げるのか
いつか僕達すら鳥にするのか


©nori

2020/04/29

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『覚悟』

今日の一歩は
昨日までとは別のもの
生まれ変わる覚悟を決めた

今までも繰り返して来た
当たり前の日常を捨て去る覚悟

大事な物は何なのか探すより
「変わりたい」という自分の気持ち
それを叶える為だけの一歩

心の中で叫び続けて来た
何かへの「嫌だ」
誰かへの「助けて」
聞こえているのは自分一人だけ

今日のこの一歩は
明日からの歴史を変えるもの
自分を変える覚悟を決めた


©nor

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『獄楽』

天国にも牢獄があるという
そこでは楽しむ事しか許されない
まるで時の止まった場所だという
自分の好きな事を好きなだけ
誰にも邪魔される事がないという

何と居心地の良い所だと
最初はみんなそう思う
しかしそれを繰り返しているうちに
なぜか不満が出てくるそうだ
楽しいだけじゃつまらない
上手く行くばかりじゃ張り合いがない

だから今度は望むんだ
例え苦しみ続ける道だとしても
一瞬でも煌め

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『濃霧注意報』

10歩先も分からないのに 100歩先なんて
見通せるはずのない 怪しげな霧の中
ふいに太陽のような光が目の前を照らして
視界が開けた錯覚に誘われ飛び出した

ここが世界の中心なんてバカげた思い込み
生きている以上 幽世(かくりよ)からの末端だ

風当たり 光は弱まり目の前の日常
10歩先は分からないけど 3歩先なら
すぐに原点まで帰れるはずだよ


©nori

2020/03/

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『和解』

嫌な事があると笑ってしまうのは
それ以上傷付かない為の予防線
「何笑ってるの?」
言われて初めて真顔に戻る

誤解だって私には分かっていても
相手が信じてくれなきゃ終わらない
「信じてほしい」
誠心誠意 真顔で話す

泣いたり怒ったりなんてしない
淡々と 淡々と
あなたの感情が収まるまで


©nori

2022/05/01

少しずつ東へと進む雲
行く先は太平洋?
ちょっとだけ目を離したすきに
別の姿に変わっている

雲の上には誰も住めない
そんな世界で良かったのに

いつの間にか差がついて
天と地が離される
僕はいつだって低い地上で
遠い空を見上げている


©nori

2021/03/07

『落としもの』

昨日ハンカチを落とした
今日はその道を辿る

どこで落としたか予想を立てる
上りや階段のあるあの辺か
左右をこまめに確認して
時々立ち止まって辺りを見回す

何を探しているのかな
不審者扱いされてないかな
昨日通ったのはこの辺のはず
果たして本当に落としたのかな


©nori

2020/04/10