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テレワークにおける、フォローアップロスを打破するための考察

まだまだ寒い中、ニットを着込みタイツを履く季節に始めた在宅勤務も半年が過ぎた。そして夏が終わってしまう、またニットの季節がやってくるなんて早すぎる。

私の勤務先も、今後は在宅勤務を基本とした働き方にシフトすることになった。8月は、それに対応するため引っ越し含めた自宅整備(物品手配)や手続き、オフィス片付けなどでばたばたしているうちに終わってしまった。


ところで、私は社会人歴10年ほど、かつ今の会社で5年ほど働いている。ある程度スキルと信頼関係を手に入れている自分にとって、在宅勤務(テレワーク・リモートワーク)は心地よい働き方になった。
最近は、ごくたまに用のためオフィスに行ってやる時の方が集中できないし、疲労感もすごい。

が、皆が皆そう言うわけではないということに、今月になって気づいた。当たり前なのだが。


テレワークに立ちはだかる「見えない壁」

テレワークでのコミュニケーションは、目先うまく回っている。正直、手前味噌だが他社よりは随分慣れている。それも、2017年からテレワークを受け入れていて、2019年時点でほとんどのチームに1人以上のテレワークメンバーがいたことが非常に大きい。

ただ、だからといってこのままで良いとするのは、私がそこそこの社会人経験で、そこそこ会社に馴染んでいるからの感覚でしかない。私自身が考えているよりももっと、設計をしなければと思わされた。

というのも、チームでのコミュニケーションは気にしていて時間をかけているので良いのだが、一歩チームの外で活動するとなると途端にコミュニケーションの勝手が変わってしまうようだ。

この夏、実際にこれにぶち当たった。
こんなに社内コミュニケーションを心がけており、全社に対しあれこれわいわい言いまくっている私にすら、「打ち合わせするのは忙しそうだ」と遠慮の気持ちを持たれてしまったのだ。
もちろん私はそうは思っていない。困ってそうなときはフローとして先に声をかけるようにするし、何か会話した最後に「何かあったら言ってね」と言いまくっているつもりだ。今回は事前の声かけフローで事なきを得たのだが、相手には遠慮をされていたので、フォローアップに失敗するリスクすらあったのだ。
無意識に忙しそうにしていたり、後回しにすると暗に伝えていたりする可能性もゼロではないが、あまり身に覚えがない。

しかもこれは、若いメンバーであればあるほど高確率で起こる気がしている。解決方法を持っていない中で、その違和感を先輩・上司に訴えるまでのハードルが高すぎるからである。

対面で話している時の違和感を察し、先輩・上司から声をかけることもできるが、テレワーク下ではそれが察しづらい側面が大きい。しかもこれらはパソコンの前にいるだけでは見えない。
インターネットがつながった先で、なにも表現せずただ小さな違和感を我慢し、相手はどう思っているかな、こんなこと言ったら変に思われるかな、忙しいのに悪いな…などを思っている若いメンバーがいるのだ。

これを放置することは経験上良くないと知っていて、かつ声かけに抵抗がないベテランメンバーなら自主的に動くかもしれないが、ジュニアメンバーにはとても大変なこと。

その時だけ見るとちょっとしたことなのだが、これを放置すると、悪い結果にもつながってしまうので侮れない。


テレワーク環境下では、敢えて最適を追求しない

テレワークでコミュニケーションが合理に極まると、目先の違和感や困りごとが、どこまでも置いていかれることを思い知ったこの夏。

これを防止のための設計は、まだ綺麗に立てられている状態ではないが、まずはこれらの事象が起こるメカニズムを書き表すことだろうと考えた。

●悩みのもとが発生する原因(一例)
・業務の知識不足
・状況の把握不足
・自分のコンディションが悪い
●悩みのもとを解決する方法(一例)
・知っている人に直接教わる
・知っていそうな人に学び方を教わる
・自分のことを知る、自分と対話する
・解決の仕方を多方面から学ぶ
●悩みのもとが解決しない原因(一例)
・知っていそうな人、知っている人に出会えない、見当がつかない
・コミュニケーションへの抵抗や遠慮がある
・学び方が言葉だけではわからない
・さまざまな理由により自分と対話できておらず、悩みが自覚できていない
・解決法が実行できない(モノが足りない、コツがつかめない、頭が働かない)


いくつかにまとめるとしたら、以下ではないかと思っている。

★知識や情報不足を自覚すること
★知識・情報を手に入れる手段を身につけること
★その手段を知るキーパーソンを見つけること
★知識・情報・手段を得るためコミュニケーションを行い、言葉ですり合わせること
★自分と対話し、手に入れる具体的なやり方を体感すること


これらをさらに本来の話まで戻すなら、コミュニケーションやフィードバックに行き着く。ということは、テレワークでコミュニケーションとフィードバックなくしてこれらの悩みは解決できないはずである。

この類似事例が確実に起こるのが、入社後のオンボーディングである。業界的にも若い人が入社する可能性は大いにあり、これらの理由から今後のオンボーディングにおけるコミュニケーションや研修は、設計を変えないといけないと思っている。
入社直後の活躍は、それを促すコミュニケーションとフィードバックバックは欠かせない。これらをいかに増やすか、そのために社内外関係者との接点をどれだけ増やすか、である。

コミュニケーションとフィードバック以外にも、セーフティネットもキーワードになりそうだ。手段が皆目検討がつかず救いを求めてきたならば、それをまず受け入れて導かないとその人は先に進めないし、もし「私ではない」と指摘したなら、その人はもうコミュニケーションを極力絶ってしまうだろう。

そもそもテレワークでは文字情報が中心になり、さらにテレビ会議システムなどを使うことで対面ほどは「伝わらない」ものがある。そうである以上、とにかく量を増やす必要があると考える。
すなわち、テレワーク下の社内コミュニケーションでは、最適や効率を追求してはいけないのでは、と思っている。

今回の考察もまだまだ雑ではあるが、これらをもとに、社内コミュニケーションやオンボーディングの設計を考えていきたい。

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