Mori Tatsuki

限界底辺会社員

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最近の記事

客のマナーが悪いのは店のせい

「席は譲り合いましょう」 「暴力は犯罪です」 「マナーを守りましょう」 電車をよく使う。どの鉄道会社でも注意喚起の張り紙が当然に張られているがよく考えたら変だと思う。 「あなたは席を譲らないですよね」 「あなたは暴力が犯罪だと分かっていないですよね」 「あなたはマナーを守らないですよね」 って言うメッセージを彼らは発してる。コロナ禍による経営悪化のせいか盛んに広告を打って鉄道利用を呼び掛ける一方で当然のように上から目線で呼び掛ける。客を信頼していないと意思表示する。

    • トナラー全員読め

      トナラー全員読め ■お前が隣に座って感謝する人間はいない このガラガラの店内でわざわざ隣に座るな。第一何の得があるんだ?俺はお前の一挙一動が視界に入り煩わしい。それはお前も同じだろう。…俺の事が好きなの?嫌いだよな?じゃあ離れろよ。 四人席に一人で座ると席を占領していると周囲から見られることを気にしてわざわざ二人席を選択した?この時間客席は絶対に満員にならないんだよ。お前が四人席に座ったことで困る客は一人も発生しないの。どんだけ小心者なんだよ。専門家じゃなくても分かるよね

      • 創作大賞2024 ホワイトトラッシュ #7

        ▪️同窓会 「今年もやります同窓会!場所は●●!●●!で予約してます!」 会場は大衆酒屋だった。最近こういった場所から足が遠のいていたせいか逆に新鮮に感じた。 階段を下りると見慣れた顔が勢ぞろいしていた。一部髪を染めていた者もいるが大半は高校時代から全く変わっておらず懐かしくおかしい気持ちになった。 「え!?白石!?超レアキャラ登場やん!」 場がどっと盛り上がった。 「お前死んだ説流れたけど生存確認出来て嬉しいわ!」 不安な気持ちがあったが、暖かく迎えられて和んだ

        • 創作大賞2024 ホワイトトラッシュ #6

          ▪️土橋 パリーン 気づくと手元のグラスが壁を伝って粉々になっていた。昔から感情がどうしても抑えられない時がある。 学生時代も度々怒りを爆発させてしまい、その度に友人を失った。社会に出てからも叱られたり命令されたりすることに我慢が出来ず何度も解雇され職を転々とした。 些細な事で何度も何度も繰り返し叱責されるのが常で、最後の職場では先輩に殴りかかってしまい警察沙汰になりそのまま退職した。 会社で働くことは自分には困難だとはっきり分かったので配達員をはじめたが収入は激減

        客のマナーが悪いのは店のせい

          創作大賞2024 ホワイトトラッシュ #5

          ▪️退勤後 「おー奇遇だね。」 「あんたが呼んだんだろ笑」 「あ、そっか笑」 ゴールドのショートヘアに黒のワンピースが映えていた。満面の笑みで現れたミチに白石は満足した。 「なんか良いことあったの?」 「ん?何で?」 「突然連絡来たからさ」 「あ、別に。突然連絡したらダメなの?じゃあこ」から毎日連絡したほうがいい?笑」 「それはウザい笑」 「あ、ここだわ」 とりあえず予約した水槽付きの個室ダイニングは意外に高級感があった。内心心配していた白石は幸運に感謝

          創作大賞2024 ホワイトトラッシュ #5

          創作大賞2024 ホワイトトラッシュ #4

          ▪️初仕事 今日も公園でひたすら待った。二日前にディスカウントストアで購入したスーツも皺が目立ち出している。 手元の煙草も気づけば空になり、日も沈みだした頃。 「ティロリ…ティロリ…ティロリ…」 突然に着信音が公園に鳴り響いた。音量が最大になっていて慌ててストップした。 「今から住所言うんですぐに向かってもらえますか。●●区●●です。」 鼓動が高まる。 「はい。分かりました。」 検索したら公園から歩いていける距離だった。 「あと電話絶対切らないで、通話状態にした

          創作大賞2024 ホワイトトラッシュ #4

          創作大賞2024 ホワイトトラッシュ #3

          ▪️初仕事 白石はこの期に及んでとんでもないことをしてしまったと思い目の前が暗くなったが、事実を直視するのが憂鬱で考えるのを後回しにした。 車は西新宿のマンションの車庫に入った。ドアを空け扉を開けると部屋の中央に公民館に置かれていそうな安っぽい長机と椅子が配置され、想像よりも事務所然としていた。 一人の男が席で電話中だった。チェアに踏ん反り返っているが深刻そうな顔で何やら窮状を訴えている。 「…いやどうしても今日中に支払しないといけなくてさ…」 「…そうなんだよ、もう

          創作大賞2024 ホワイトトラッシュ #3

          創作大賞2024 ホワイトトラッシュ #2

          ▪️初バイト 「白石くん?あ、こっちへどうぞ」 店長は20代後半と思しき長身痩躯の男で白石を数秒見つめるとがに股で歩き出し、誰もいない客席に案内した。 店内は年季の入った雑居ビルの外観とは似つかず豪勢で大理石とシャンデリアの内装に白石は驚いた。 「店長の長澤です。履歴書持ってきた?」 煙草に火を付けながら男は疲れた様子で質問した。 白石は黙って履歴書を出した。 「頭良いんだねー。俺なんか高卒だけどね。飲食店の経験はある?」 「あ、いや初めてです」 「じゃあ何で

          創作大賞2024 ホワイトトラッシュ #2

          創作大賞2024 ホワイトトラッシュ #1

          ▪️あらすじ 後悔はしていない。 真っ当に生きたら出会うことのない眩しい景色を見ることが出来た。 同時に多くの何の罪もない人間から奪った。中には絶望から自ら死を選んでしまった者もいる。許されない事であることは理解している。 俺だって感謝されたかった。人の役に立つ仕事をして社会に貢献し、両親の喜ぶ顔が見たかった。 だがどうしても出来なかった。生来か、生い立ちか表世界に俺の席は無かった。 俺は徒党を組んで脇の甘い資産家に片っ端から電話をかけ、指定した銀行口座に現金を振り

          創作大賞2024 ホワイトトラッシュ #1

          ■指名手配

          通報から一週間たっても犯人は依然逃走中。 ただ道を歩いていただけなのに、突然ぶつかってきた男はあたしをぶん殴った。 左頬は真っ赤に晴れて歯を二本失った。絶対に許さない。警察に電話をしても手掛かりがありません、とだけ。怒りで気を失いそうだ。 さっき殴られた後で必死に撮影した写真で作ったビラを街中に張り付けてきた。何もしない警察が悪い。あたしが必ずあいつを捕まえる。 一週間たってDMでメッセージをくれた人がいた。一度詳しく話したいので会えないか、ということでアルタ前で今日

          ■指名手配

          9浪少女の記録

          2017/12/20 師走の地面は冷たい。 怒り狂うママに許してもらうため私は庭で土下座する。 叩きつけられたスマホはバキバキで、私の心みたいだなと思った。 2017/12/24 受信メール:送信者ママ 国試が終われば、あんたは間違いなく裏切る。母はニべもなく放り出される。だから母はあんたに復讐の覚悟を決めなければならない!ウザい!死んでく れ!死ね! 2018/1/5 受信メール:送信者ママ 母を見えすいた茶番劇に付き合わせた恨みつらみ憎しみで,嘘のメッキが剥がれた後は

          9浪少女の記録

          アウトレットな人生

          50%オフの値札が貼られてから2週間が経った。 百貨店の綺麗な箱の中で当然のようにディスプレイされていた私はいつのまにか郊外の子供とわんこが走り回るショッピングモールの中にいて、毎日沢山の人にお試しされては結局最終的に今こんな感じだ。 試着される時鏡に映る自分は想像したよりずっと疲れて元気がなくて、その事に落ち込んだ。 私に出来ることはない。ただハンガーにぶら下がって店を眺める。 入口手前に置かれた服たちは可愛くなくてもやっぱり売れていくからやっぱり配置は大事だ。と言

          アウトレットな人生

          小山田圭吾からAdoの時代へ

          the stone you throw Will turn back in its path. One day you'll shatter like a wall of glass. 石を投げたら 戻ってくるし ガラスの壁と同じように,お前もいつか粉々に砕け散って壊れるぞ Wall of Glass (Liam Gallagher) 品行方正で清廉潔白な人物が何かを生み出すことはほとんどない。芸術家は常に才能と引き換えに大きな欠陥を抱えているもので、裏を返せば大きな欠

          小山田圭吾からAdoの時代へ

          完全抗鬱マニュアル

          万年憂鬱な私が辿り着いた結論をシェアします。 ■結論(自論) ・鬱病は治りません。 ・悩む暇を作らないことが唯一の対策です。 鬱病は治療可能という幻想を捨てましょう。投薬とカウンセリングを継続して何年になりますか?相変わらず病んだままですよね。繊細で傷つきやすいのは遺伝的に受け継いだ個性(あなたはただの健常者です)でこの先も変えられません。宿命だと諦めましょう。 気持ちが落ち込んで何もする気が起こらないので一日中横になってスマホを触って過ごして段々と気分が上向いてきたこ

          完全抗鬱マニュアル

          努力はゴミ箱に

          精一杯生きた でもこれは罪か? なら僕をぐっと楽にして欲しかったよ グッドラッカー/美波 努力は必ず報われる、とずっと信じてきた私だが世界に打ちのめされて最近考えを変えた。 大谷翔平のようなスーパースターが出現すると世間は彼がいかに超人的な努力を積み重ねてきたかを語る。成功したのは彼らの努力の結果だという素朴な考えが根底にあるが、そうだとしたら失敗は全て自己責任、努力不足が原因なのだろうか。 例えば大谷が100年前の日本に生まれていたら野球選手として成功していただろうか

          努力はゴミ箱に

          遠くの他人じゃなく近くの大切な人を推せ

          本当のしあわせを探したときに 愛し愛されたいと考えるようになりました 幸福論/椎名林檎 推し活ってよく聞くけど俺にはよく分からない。 主にアイドルやアニメのキャラクターに大金を注ぎ込むことらしく、CD千枚買ったり、高級車にアニメキャラを描いたりする人がいるらしい。 別に他人が金をどう使おうが関係ないしどうでも良いのだけれど、俺はそういう金の使い方はしないなと思った。 この世界に存在しない美少女に金を払うのは論外として、自分よりよっぽど良い暮らしをしている他人に大枚をお布

          遠くの他人じゃなく近くの大切な人を推せ