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小山田圭吾からAdoの時代へ


the stone you throw Will turn back in its path.
One day you'll shatter like a wall of glass.
石を投げたら 戻ってくるし  ガラスの壁と同じように,お前もいつか粉々に砕け散って壊れるぞ
Wall of Glass  (Liam Gallagher)

品行方正で清廉潔白な人物が何かを生み出すことはほとんどない。芸術家は常に才能と引き換えに大きな欠陥を抱えているもので、裏を返せば大きな欠落がない優等生は所詮凡人に過ぎない。

小山田圭吾に続いて松本人志がキャンセルされ、教師と政治家だけでなく芸能人も聖人であることを求められる時代になった。今まで絶大な権力を持っていた芸能事務所が力を失い、インターネットとSNSが高度に発達して、個人が著名人を破滅させることが出来る時代だ。

今後表舞台に出る人間は常に過去を丸裸にされ、成功が頂点に達したタイミングでキャンセルされるリスクを背負う。となると脛に傷を抱える多くの才能人は素性を隠して作品を発表するか、そもそも創作活動を諦めるしかないだろう。

そういえば一切顔出ししないミュージシャンやVtuberがいつの間にか大増殖している。大きな流れとして匿名アーティストが今後は主流になっていくのかも知れない。

全てを漂白するこのウィルスのお陰でオーバーグラウンドは全員アバターになり、芸能界に完全な匿名性が実現されたディストピアが到来したら面白い。

その瞬間何もかもやりたい放題だった時代にまた戻る。そんな日を待っている。

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