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再録・短編集・玉響『老いた獅子と金の囲い』その悲劇~アンリ2世とノストラダムス

いつもありがとうございます🌸 歴史小説?伝承からです 
●あらすじ 
中世の欧州 ノストラダムスが予言したフランスの王の残酷な死
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1)
それは詩の形をした預言・・今より古きフランスの地 ヴァロア王朝の一人 終焉を迎える王朝の輝ける光を放つもの 
彼方のフランク王国から続く古き血を引く者

アンリ二世 彼の悲劇が語られる。

敬虔なるキリスト教徒で勝利に愛された王の死 その予知
四年前に語られた文集の中の一節 書いたのは王家に仕えるミシェル・ノストラダムス 改宗したユダヤ人 古き家系
「若き獅子が老いた獅子を打倒せしめ、かの戦いの場にて、一騎討ちの勝負で 金色の囲いのなか、男は目を破られる 二つがひとつに、それから間もなく死が訪れる  それは残酷な死」

アンリ二世が突然の死を迎えたのは  1559年6月30日 夕方
モンゴメリ公との余興の馬上の槍試合

彼は不安を幾度も口にする妻のカトリーヌ・ド・メデッス(メデッチ)
彼女の不安を余所に‥試合に臨んだのだ。
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2) 幻視 占いの術
幻視
「王の死だ とても残念だ 避けられるのだろうか?」
ノストラダムスは呟く

幻視‥
それに占いの術 多くの知識も‥医師でもある 
彼、ノストラダムスは持っていた。
一瞬の夢 包まれる感覚に 幻には沢山の情報 読み取るのか?
彼方を見つめ、インクの落ちた水版が其処にある。

槍試合は結婚式のちょっとした余興だったのだが‥


3) 婚姻の余興

人々が婚姻式の祝賀の一つ、余興として行われる馬上の槍試合に熱狂する
長年連れ添った王が誰より愛する愛妾デイアーヌ・ド・ポワチエも微笑して
王を見て 視線が合うと離れた席で軽く手を振ってみせる。

不安そうにしている王妃カトリーヌに王は事もなげに言ったものだった
「式の祝いだ 王が試合に出るのもよくあるものだ
それに槍は穂先を外した棒の先 心配などいらぬ」苦笑するアンリ二世
「昨日、一昨日の試合でも無事でこの通り、身を守る鎧もある」
勢いある円熟、熟年の年齢 アンリ二世がそれは楽し気に藁って見せたのだ。

「馬を借りるぞ」「はい、陛下」

そう、穂先はただの棒 
そのはずだったから…

サヴォア公から借りた馬の名はマルルール(不幸の意味もある)


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