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氷や雪の結晶の静謐な小さな世界


わたしが住む雪国には膨大な量の雪が降り積もった。
先日夫となった彼は日々雪掻きに奮闘してくれている。

今日も珈琲を淹れて待っていて、と残してひとり雪と向き合っていてくれている。
無力ながらも珈琲が美味しくなるようにといつも以上に丁寧に淹れるように心掛けた。



𖡼.𖤣𖥧𖡼.𖤣𖥧



◎せいいっぱいの悪口 - 堀静香

数多あるSNSの記事で紹介されていた本書。
タイトルに強く惹かれ、次の瞬間には買っていた。
自宅に届いたとき無性に嬉しくて何度も本に触れた。
そして、日常に寄り添う心地良さにとっぷりと浸かってしまった。自身の感情やたわいもないやりとりや事柄をこのように書き表すことが出来ることはなんと特別で素敵なことだろうか。

何気無い日々をエッセイとして覗かせて頂くとき、ひとの思考の違いや朗らかさやしなやかさに驚かされる。わたしはきっと心の中を整理したかったのだろうな、そんな自身の発見に驚かされつつ本を閉じた。

いつか憧れの文学フリマで掌編小説やエッセイを連ねた本を作ってみたいと考えてみたりする。



◎わるい食べもの - 千早茜 

特有の偏屈さがじわじわとくるユニークな食にまつわるエッセイ。不思議と食の「わるい」部分を垣間見ると奥深さをより感じられる。
食にまつわるエッセイなのだけれど、生々しい表現のものも多く書かれている本書。千早茜さんの生きて感じたことをたくさん知ることが出来て、まるで自叙伝のようだった。

女の子と欲望は良く似合う。

酔いの夜道 より

付箋を本に貼ることをわたしはしないが、このように好きだと感じた文章を忘れないためにはいいのかもしれない、と使いかけの付箋を貼ろうか悩む甘いラテにくらくらとする午后。



◎わたしたちは銀のフォークと薬を手にして - 島本理生

近頃小説ではなくエッセイを読むことが多い。短編掌編で読むことが出来るからか。青春真っ只中、文学を読み漁っていた十代の頃に比べると読書にかける時間がぐっと減った。

そんな中出会った本書。本屋で美しい装幀に目を惹かれ、食べ物が並んだ目次に惹き込まれた。恋愛小説のようだが、美味しそうに描かれるデートの様に、食が好きなわたしはこれは読まねばと直ぐレジに向かったのだった。

働き盛り女盛りのある女性は、年上のエンジニアと美味しいものを食べるデートを重ねる清廉潔白な関係。だがある日、彼の知られざる過去を知ってしまう。変わらずに美味しいものを一緒に食べ、様々な選択に迷い一生懸命に恋愛を送る二人。その行く末を見守ってはみませんか。

久々に読み始めた小説は今の自分の好みがばっちりと合わさったのもあり、きゅんと胸を躍らされたり、時には潰されそうな不安に駆られてみたり。バレンタイン前に読むには爽やかな恋愛模様に心地いい気持ちにさせて貰えました🐣



𖡼.𖤣𖥧𖡼.𖤣𖥧



本を選ぶ時、ひとは何を基準にして選ぶのだろう。

わたしはこの本に気になるなと何となしに目にとまった本らの最初の一頁目を読んでみることにしている。文章を書く人が本を書く上で一番力を入れているところだと思うからだ。わたしはそこからこの本の雰囲気や文章の滑りやすさを感じ取っている。

他の人はどのようにして本を取捨選択するのか。
タイトルや表紙を見たのみで購入する人もいるのか。
木製の箱に座って本を読む人を見て、その椅子のようなものは椅子なのか高いところの本を取る台なのかを考えさせながら、わたしは今日も書店という空間を楽しむ。







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