風に向かって:Arisa, Controvento
今朝、音楽をシャッフル再生で聴いていたら、この曲が流れてきて、今なら意味がわかるかもしれないと思い立ち、翻訳してみることにした。今回訳してみて、とても素敵な歌詞だと思ったので、歌詞とあわせて聴いてみてほしい(誤訳があったら、ごめんなさい)。
私は、歌詞の意味もわからずに、オーボエの前奏から始まるこの曲が気に入って、イタリア留学中、何度も聴いていた。私の周りのイタリアの友達は、あまりイタリアの歌手の曲を聴かずに、英語の曲ばっかり聴いていたので、私はイタリア人の歌手をほとんど知らない。Arisaは、私の知る数少ないイタリア人歌手だ。私は、彼女の伸びやかな歌声を聴くたび、気持ちが晴れやかになる。
Arisa-Controvento
・出典 https://www.testietraduzioni.it/lyrics/Controvento_arisa/
・作曲 Giuseppe Anastasi
Io non credo nei miracoli
Meglio che ti liberi
Meglio che ti guardi dentro
Questa vita lascia i lividi
Questa mette i brividi
Certe volte è più un combattimento
C`è quel vuoto che non sai
Che poi non dici mai
Che brucia nelle vene come se
Il mondo è contro te e tu non sai il perché
Lo so me lo ricordo bene
風に向かって
奇跡なんて信じない。
自分を解き放ったほうがいい。
自分の心を見つめたほうがいい。
生きていると傷つくこともあるし、
怖くて震えてしまうこともある。
ときどき生きていることは戦いのよう。
そんな虚しさをあなたは知らなくて、
あなたは絶対に口にすることもない。
そんな虚しさが、脈の中で焼けつく―まるで、
世界があなたの前に立ちふさがっているように。あなたはなぜなのかわからなくても、
私は知っている、よく覚えているわ。
Io sono qui
Per ascoltare un sogno
Non parlerò
Se non ne avrai bisogno
Ma ci sarò
Perché così mi sento
Accanto a te
Viaggiando controvento
私はここにいる、
夢を聴くために。
話はしない。
もしあなたが望んでいないとしても、
私はここにいる。
だって、私はこんなふうに感じるの。
あなたのそばで、
風に向かって旅をしながら。
Risolverò
Magari poco o niente
Ma ci sarò
E questo è l`importante
Acqua sarò
Che spegnerà un momento
Accanto a te
Viaggiando controvento
私が解決できることは、
残念だけど、ほんのわずかかもしれないし、何もないかもしれない。
でもね、私はここにいる。
それは、大切なこと。
私は、水になるわ。
少しの間(あなたの心の火傷を)鎮めることはできるでしょう。
あなたのそばで、
風に向かって旅をしながら。
Tanto il tempo solo lui lo sa
Quando e come finirà
La tua sofferenza e il tuo lamento
時だけが知っている、
いつ、どのように終わるのか、
あなたの苦しみが、そしてあなたの悲しみが。
ちょっとつながりが見えにくくなってしまうかな、と思いつつ文の流れをそのままに訳した。拙い訳ではあるけれど、この歌詞のやさしさが伝わったらいいな。
悲しいニュースが多くて、世界が混乱に包まれている今だからこそ、身近な人の優しさに目を向けたい。
悩んでいるとき、苦しんでいるとき、何も言わずに側にいてくれる人って、本当に偉大だ。逆風でも、一緒に立ち向かってくれる人がいるだけで、辛さは軽減する。どうにもならない、いつ終わるのかわからない苦しみもあるけれど、そんな苦しみも水のように鎮めてくれる人がいる。
向かい風でもそばにいて、夢に耳を澄ませるような人に、私もなりたい。