ずっとなりたかったんです。詩織様の、下僕に「、を喰らう」第三章 ー 4 【、を舐める】
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それから毎週末、氷山と私は氷山の家で逢瀬を重ねた。
一日中女王様と下僕プレイをしているわけではなく、コーヒーを飲みながら話すこともある。
話すのは主に私で、会話をしている時間よりも沈黙の方がずっと長いけれど、氷の世界ではそれは苦ではなかった。
なぜなら私の目は毎秒氷山を捕え、私の鼓膜は氷山の呼吸一つ一つを拾い、私の舌は氷山のアイスコーヒーで潤わされ、私の鼻は氷山の香りを吸い込み、私の皮膚は氷の世界の空気を感じることが出来るから。
私の五感。そのすべて