唯野水菜 a.k.a 鹿音のんX

哲学者。MtX活動家。真宗大谷派僧侶→福祉就労→ソーシャルワーカー→ホテルの客室清掃。

唯野水菜 a.k.a 鹿音のんX

哲学者。MtX活動家。真宗大谷派僧侶→福祉就労→ソーシャルワーカー→ホテルの客室清掃。

マガジン

  • Gutto NEET Note

    鹿音のんが合同会社モテアソブ三軒茶屋が運営するグットニート養成講座を受講。その全記録をここに収める。 受講期間:2023/7/16〜2023/9/22 受講した講座:全8回

  • 鹿音のんのサウナ旅【#サ活 #サ道】

    サウナ関連の記事をまとめました。これまで行ったことのあるサウナの情報や、サウナに入りながら考えたこと、銭湯関連で読んだ本の紹介など、種々雑多に入れ込む予定です。

  • Fes Project [Nornir]

    ソーシャルフェス®︎ラボでの学びを通して鹿音のんが開発した フェスプロジェクト[Nornir] についてまとめたマガジンです。

  • 「私たちは『買われた』展」を通して考えたこと

    運営メンバーとして関わった「私は『買われた』展」盛岡(2022/09/17-9/18)での体験を通して私が考えたことをまとめました。

  • Portforio2005-2022

    鹿音のんが製作してきた作品・立ち上げてきたプロジェクトをポートフォリオとしてまとめてみました。 作者名義:吉田昌寛、鹿音のん、shikaimonjo technology、鹿音技研

最近の記事

ポスト・ビレッジの思想 5

これまでの議論をなるべく端的にまとめると、こうなる。 これからも外国籍の人が日本に来訪、あるいは定住する数が増えることが見込まれる中で、マジョリティである「日本人」がいつまでもムラ社会を続けていくことは、互いに異なる国籍・異なる文化圏・異なる言語圏に属していたとしても共生しなければならなくなるこの国の未来にとって建設的ではない。 インターネット網が整備され、膨大な情報の洪水が絶えず押し寄せる中で、ムラ社会特有の構造であるウチ/ソト、そしてヨソという枠組みはもはや機能しなく

    • ポスト・ビレッジの思想 4

      ここでちょっと脇道に逸れるが、私が用いる「ゲーム」という概念の独特の意味合いについて述べておきたい。 というのも、あらゆる社会の仕組みを「ゲーム」と捉え、あるいは「ゲーム」を構成する単なるギミックと捉えることこそ、「ムラ」社会ではない別の社会を考え、構想し、建築していくために必要なことだからである。 伝統的なムラ社会も、今日私たちの多くが生きづらさを感じている後期資本主義社会も、またエコビレッジに代表される新しいムラ作りも、全てある種の「ゲーム」である。 このような相対化によ

      • ポスト・ビレッジの思想 3

        引き続き、「ムラ」がいずれ終わるとはどういうことかを考える。 私が「ムラ」という時何を想定しているのかというと、具体的な〇〇村、あるいは〇〇ビレッジを想定しているわけではなく、それら具体的な村々に共通して存在する特有の「構造」そのものを指す。 注目すべき特徴はいくつかあるが、差し当たり次の4つを取り上げておく。 ムラのウチ側だけで仲良くし合う 馴れ合い(根回しと暗黙のルール)が基本的なガバナンスの手段 素朴な物々交換経済、あるいは贈与交換経済 ムラに住むもの同士は互

        • ポスト・ビレッジの思想 2

          「ムラ」がいずれ終わるとはどういうことなのか。 私が幼少を過ごした1990年代の日本と比べて、明らかに自分たちとは国籍・民族・言語といったルーツが異なる人と街角ですれ違うことが多くなった。 コロナ禍の後になって、また近年の円安の影響もあってか、余計そのことを感じずにはいられない。 日本人はこういう変化にかなり敏感である。 そして、考えるようになる。 一体、ヨソから来た彼ら/彼女らは一体日本に何を求めてやってきているのか? 一体、ヨソから来た彼ら/彼女らは日本に何をしにやっ

        ポスト・ビレッジの思想 5

        マガジン

        • Gutto NEET Note
          9本
        • 鹿音のんのサウナ旅【#サ活 #サ道】
          7本
        • Fes Project [Nornir]
          6本
          ¥500
        • 「私たちは『買われた』展」を通して考えたこと
          6本
        • Portforio2005-2022
          11本
        • 生きづらさから考えるソーシャルデザイン
          2本

        記事

          ポスト・ビレッジの思想 1

          ムラ社会は、もうすぐ終わる。 だから、私たちは未来に向けてムラのあと(ポスト)に何が来るのかを想像しなければならない。 そして、ムラ亡き後の新しい社会体制・経済システム・精神的つながりを考えなければならない。 私は最近こういうことを取り憑かれたように考えるようになった。というのも、ここ最近顕著になってきており関心を惹かざるを得ない3つの社会の変化が、そうさせているのだ。 長期にわたる円安の影響か外国籍の方々の訪日が圧倒的に増え続けていること。もはや日本が大和民族の大和

          ポスト・ビレッジの思想 1

          Beyond the Egoism(初稿)

          0:プロローグ   私には二つの思い出がある。  一つは、小学生の頃の思い出。  もう一つは中学生の時の思い出。  私の〈同化〉と〈漂白〉に関わる思想は、この二つの時点のリンクによって形成されたと言っていいだろう。  そして、その思想を形成する過程で、私は決して人と〈同化〉せず、また他者によって〈漂白〉もされない自分自身というものがどこにあるのかを探求しようとした。  私にとって〈同化〉するとは、自分が自分でなくなることであり、自分が暴力的に破壊されることであり、私自身の

          食記牛人問答咖哩(書き下し文付)

          前置夫従古来会話人与牛是稀也。雖能会話牛解牛語甚難。故古人以牛為畜生差別人与牛而為劣於人。 是有牛人問答咖哩。蓋若食一口忽可能解牛語。不存知真偽。当試食。 美味也。美味哉咖哩汁。亦有具存在感。肉柔軟而蓋鳥類肉也。 鳥類? 夫従古来将会話人与牛賢者以鶏肉為用。構造可推而知。 而賞味期限且切。又有未開封箱(入五十袋)八箱。 全持帰食是不可也。而若持帰七袋可食。済投資。 又玄燈菩薩曰可無際限持帰。故決定持帰二十三袋。 於是我礼拝牛・鶏・持余洲三軒茶屋長跪合掌万物生

          食記牛人問答咖哩(書き下し文付)

          Gutto NEET Note 10

          グットニート全8回の講座を受け終えた。 受け終えて終えばあっという間だったように思う。 正直、飽きずに最後まで受け続けられるかどうかよりも、生計的な意味でいつまで東京に居続けられて、かつ、この講座を最後まで受け切れるのかという問題の方が実際問題やばかったのだが、一応なんとかなったのでこうして感想を書けている。受講料も無事納めた。 グットニートとは何なのかもよく分からないまま、半分はノリ、半分はマジでグットニートになりたいと思って7月から受講し始めてはや3ヶ月。グットニートで

          Gutto NEET Note 09

          いきなりだが、私は第8回である今回の講師に 喧嘩を売る つもりで文章を書くことにした。 どういう喧嘩なのかは、文章の後半で明らかにしていこうと思う。 自分で言うのも何だが、私は人に喧嘩を売るということを全くと言っていいほどしない。 挑発もしない。 人生に一度あるか無いかの、ものすごく珍しいことだと自分でも思っている。 ただ、人生で一枚だけ、「シャレになんないくらいの本気の挑発や喧嘩をしても罪に問われないチケット」を神から与えられたとしたら、私はそれを今回の講師であるぼり

          Gutto NEET Note 08

          今回の講師はなっちゃんことナツキムラタさんである。 本業は美容師をしていて、5、6年前からモテアマスに出入りするようになったという。その関係でデザインの仕事もやるようになったそうな。 阿佐ヶ谷でシェアハウスもやっていて、管理人時代含めて5年続けているコミュニティー・オーガナイザーでもある。 私自身、お会いしてガッツリ話すのは今回が初めてなのでドキドキだったが、講義が始まると終始和やかな雰囲気で、優しくて気配りができる人のオーラを感じることができた。 今回は、なっちゃんさん

          Gutto NEET Note 07

          実践:いざ、三茶の三角地帯へ! 2023/08/25 PM08:10 三軒茶屋の三角地帯は、路地裏マニアからすれば最高に萌えるスポットのうちの一つだろうと思う。新宿のゴールデン街を彷彿とさせる細い路地に様々な飲食店やバーがひしめき合う、三軒茶屋屈指のディープスポットである。 「これだけ店があれば、選択肢には困らんやろ」 マップで見ればそうなのだが、実際に足を踏み入れてみて、真っ先に肌で感じたことがある。 ん、今日結構人多くね? そう、どういう訳か混んでいるのであ

          Gutto NEET Note 06

          まずは第6回目の講座を受講するにあたっての意気込みをご覧ください↓ 講師・上野くんグットニート養成講座第6回のテーマは「一人飲み」。 講師は上野くんだ。 彼のことを認知したのは、モテアマスのファッション住民LINEにマグロのクラウドファンディングが流れてきた時だった。 そう、彼は料理人なのである。 時折、「色慾屋台」と称して屋台を出す。毎回美味しそうなので是非とも参加したいのだがモテアマスの外は蚊が多いしなかなかタイミングが合わないのである。 正直なところ、上野くんとガ

          Gutto NEET Note 03

          「スクワットしながら話ししましょか」 そう告げられて始まった。 グッドニート養成講座第3回目の講義。 講師はモテアマスの頭取、げんとぉ〜さん。 思えばげんとぉ〜さんは、私がモテアマスという存在を知るに至ったきっかけを作ったキューピット的存在である。 彼が「コミュニティシャッフル運動会」と「シェア街」というコミュニティの連絡役・橋渡し役として暗躍していなければ、私はコミュニティシャッフル運動会に参加できなかったわけだし、 コミュニティシャッフル運動会に参加しなければ、モテア

          Gutto NEET Note for バディトレ

          2023/08/03始めてバディトレの門をくぐる。 もちろん、カズキタさんからはGoogleMapと「着替え持ってきてね」以上のことは何も聞かされていない。 押入れにしまってあるコンプレッションスーツを引っ張り出して身にまとい、いざ潜入。 ふんどしマン「カズキタから何か聞いてる?」 のんX「いえ、何も」 ふんどしマン「これからめっちゃ激しい運動してもらうから」 のんX(……おっと…………) ただのスポーツジムくらい、ただのマシントレーニングくらいを想定していたが、そんな

          Gutto NEET Note for バディトレ

          Gutto NEET Note 02

          前編はこちら↓ 複数のコミュニティに属するということかずひろ君の講義の中で、複数のコミュニティに所属することのメリットの話があった。前編でも述べたが、私もかずひろ君も、特定の一つのコミュニティだけに属することをあまり好まない。むしろ多動的に複数のコミュニティに属しながら、時にはコミュニティをオーガナイズする側に回りながら、自身の仕事や活動をしている。 かずひろ君の講義を経て、私なりにだが改めて「複数のコミュニティに属する」ことの大事さについて考え直してみた。そして、考え直し

          Gutto NEET Note 01

          今日の講師は高橋かずひろ君だった。 モテアマス三軒茶屋というシェアハウスに自生するコミュニティを通して知り合って間もないが、彼が参加している「マジ恋」というプロジェクトを知ってからというものの、私は彼に関して興味が尽きなくなった人間の一人である。 今回の講座では、かずひろ君が考えるニートの現状や、グッドニートがコミュニティとどう付き合っていくかについて、また、いい意味でどのようにイジられ、愛されるキャラになるかについて学びながら考えを深めていった。 ポスト・ニート時代を生