見出し画像

Gutto NEET Note 07

このnote記事は私のんXがグットニート養成講座を受講して得た学びをざっくばらんにアウトプットするだけの覚書である。

グットニート養成講座
https://goodneet.camp/

今回は、2023/08/25の上野くん&げんとぉ〜の講座を受講した感想、その後編である。


実践:いざ、三茶の三角地帯へ!


三軒茶屋の三角地帯。
紫で囲んだエリアはとりわけ様々な飲食店・飲み屋がひしめく

2023/08/25 PM08:10

三軒茶屋の三角地帯は、路地裏マニアからすれば最高に萌えるスポットのうちの一つだろうと思う。新宿のゴールデン街を彷彿とさせる細い路地に様々な飲食店やバーがひしめき合う、三軒茶屋屈指のディープスポットである。

「これだけ店があれば、選択肢には困らんやろ」

マップで見ればそうなのだが、実際に足を踏み入れてみて、真っ先に肌で感じたことがある。

ん、今日結構人多くね?

そう、どういう訳か混んでいるのである。
8/25は金曜日。冷静に振り返ってみれば、人によっては、そろそろお給料が振り込まれて、財布が潤っている可能性もあり、月末花金でパーっとやりたい気分になっている可能性もある。
だが、そんなことはその時の私には想像のしようもなかった。とにかく、混んでいる。良さげな飲み屋、良さげなバーは大体埋まっている。
早くもどれを選択肢にするか困り果て、店選びは難航を極めた。

この店……カウンターじゃないかな?

かろうじて見つけたのは、店の外に灰皿がある、カウンターが見える居酒屋だ。手前がカウンターで、奥はテーブル席のようだった。

……ここにしてみようか。

とりあえず、入ってみることにした。

1軒目:某居酒屋の支店 2023/08/25 PM08:25

名前は伏せる。結論を言うと、合わなかったからである。

入ってみると、早速おじ様たちが会話で盛り上がっており、店主と意気投合しているように見えた。
話を聞いていると、どうも今年の高校野球の話題のようだった。

(まずいな、ここ違ったかもしれないぞ・・・)

そう、何を隠そう私は高校野球に全く興味が持てないタイプの人間なのである。確かに、高校野球ネタはプロ野球ネタやサッカーネタと並んで、飲み屋の話題の鉄板ネタと言っていい。しかし、残念ながら私はいずれにも興味がない。そもそもスポーツ観戦は趣味じゃないからだ。
こないだ地元に帰省した時も、父親は割と熱心に地元の高校を応援していたが、私は興味が薄いので「ふーん、花巻東、ベスト8になったんだ〜」くらいにしか思っていなかった。
今年地元の県がどこまで善戦したかと、どの県の高校が優勝したか程度なら意識するかもしれないが、更に突っ込んでどの選手がどう頑張っているかとか、注目の選手はいるかとか、どのシーンが印象深かったか、と言う話になると、全くついていけなくなる。そこに更に細かい分析が入ってくるような話題に突入すると、もうダメになる。スポーツ観戦の世界にもおたくは一定数いて、高校野球やプロ野球に関してかなり解像度の高いトークができる人たちがいることは知っているが、おそらく私の人生の中ではお近づきになりにくい人種のうちの一人だろうと思う。

仕方なく、店内を取り留めもなく眺めていると、スパイスの瓶が見えた。
おそらく上段から、カスリメティ・コリアンダーパウダー・ターメリック・チリパウダーもしくはパプリカ……下段はカルダモン・クローブ・シナモンなどのホールスパイスが並んでいる。
これだ
一筋の光明が見えた。

光明が見えたと同時にレモンサワーが届く。
レモンサワーを飲みながら、じっとその場にしばらく留まって店内の雰囲気を感じてみる。
やっぱり、違う。
でも、飯は不味くない感じがする。
よし、頼んでみよう。
具体的な名前は覚えていないが、こだわりの鶏肉を炙ったのにパクチーを散らしたものを注文した。
出来上がるまで、外でタバコを吸いながら時間を潰す。
戻ってみたら、今度はおじ様たちが「高校野球を題材にした漫画」の話をしている。どんだけ高校野球推すねん! 興味なさすぎてつらすぎるからやめてくれ!
でも、一応検索だけはして「こういうのも教養なんかな」とか思っていると、ようやく鶏肉とパクチーのつまみが届いた。
これは、美味しかった。炙りが入った柔らかい鶏肉にタレとパクチーが絶妙に合う。この調子なら、他の飯もハズレはないだろうな。
うん、一軒目としては、アリかもしれない。
そこそこ素早く平らげたら、出る支度をするためにトイレに駆け込んだ。

駆け込んだトイレで、「なんか違うけどなんだろう?」の正体がはっきりした。
トイレの壁に貼られていたのは、高校野球のトーナメント表に、相撲の番付……スポーツ関連の張り紙がブワッと貼ってあったのだ。
(こりゃあ、合わない訳だわ・・・)
店のトイレは、外からは窺い知れない、店のカラーを表すことがある。
(よし、これで完全に合わないとわかった訳だし、さっさと出ようか!)

「お会計お願いします!」
1060円。多少安く抑えられたし、飯の満足度が高いので結果的に損はなかったように思う。
だが、ここはグットニート養成講座、せっかく初来店した店で爪痕を残さずただで帰るのは勿体無い。

「あそこにスパイスの瓶がありますよね。コリアンダーとか、カルダモンとか……私もスパイス好きなので見入っちゃいました」
「ああ、うちではスパイス使ったカレーとか出す日があるんですよ。一品料理でも使ってますよ」
「そうなんですね! じゃあ、また来ます!」
「どうも〜」

↑この会話が唯一、1軒目で店員さんと仲良く会話できた話の内容の全てである。
だが、我ながら奮闘したと思う。

店から出るとすぐ、上野くんとばったり会った。
打ち合わせでは、「私が店に入った後しばらくして、上野くんが知らない人の体で入ってきて、一人飲みのお手本を見せる」ことになっていたのだ。
「いやぁ、間違って本店の方に入っちゃってました。のんさんいなかったので、あれ、店間違えちゃったかなと思いましたよ」
まぁ、でも、それで良かった。
合わない店で気まずい顔をしている私の姿は、あまり見られたくないものだ。

2軒目:薬酒BAR 三軒茶屋 2023/08/25 PM09:00

2軒目はせっかくなので上野くんと店選びをした。

「(モテアマスの住民だけど)三茶で飲むのは実は初めてなんですよね〜」と上野くん。でも、全く動じたり尻込みする気配はなく、歩きながら穏やかに会話する中でも店の目利きをする目つきは鋭い。一通り三角地帯を歩き回った後で、
だいたい2軒くらい、ここかなって店はありましたね
早速、私が気づかなかった良い店を掘り当てたようだ。
そのうちの一軒が、今回2軒目で入った「薬酒BAR 三軒茶屋」である。

薬酒BARは本当にカウンターしかない、激狭空間(※後で分かったが本当は2階がある)。しかも、入ってみるとタバコが吸えるではないか! こんな穴場を瞬時に掘り当てるとは流石上野くんである。
しかも、薬酒BARであるお陰で、私にも「絡みしろ」がある。何しろ、来る10/8のRingNe Festivalでは出店で薬酒バーが出るのだ

これは、RingNeのアートディレクターをやっている私としては絡んでおかない手はない。

早速、お店に潜入した。
薄暗いお店の中に、キャンドルが揺らめいている。
店員さんのバックには緑のテープLEDで妖しくライティングされた薬酒の瓶がずらりと並ぶ。
もう、すでに雰囲気がいい
思い出しただけでも、また行きたくなってくる。
そして何よりポイントが高いのが、マスターがイケメン

どうやら俳優志望のモデルっぽい。

イケメンながら話術も巧みで、来店したカップルに笑いを交えながらいやらしくないトーンで「マムシ、いっときますか?」と接客している感じがすごく素敵な青年である。
そんな店主と語らいながら注文する品を決める。

「普段どんなお酒飲まれます? 好きなお酒あれば、それに近いのをお勧めできますよ」
「そうですね……ジン、ですかね」
「ジン! ジンかぁ」

そう言いつつ、マスターがお勧めしてくれたのは「月桃酒」。
飲んでみると、確かにジンっぽい滋味に加えて、フルーティーな甘みが口の中に広がる。部類としては、甘めのお酒に入るのかもしれないが、飲みやすい割にしつこくない。
おまけに、美容効果やダイエットの効果もあるという。
「飲み過ぎていいものではないが、悪酔いはしない」というマスターの言葉も、確かにうなづける味だ。

「実は、RingNe Festivalっていう音楽フェスの中の人をやっていて、出店で薬酒バーが出るっていうことなので、どんなお酒なのかめっちゃ興味があったんですよね」
そこからマスターや、隣にいる常連さんと思しき可愛い女子とどんどん絡んでいく。こういう時、自分は強い。「入店したきっかけ」=「自分がメインでやっている・興味のある・関わっているコンテンツの絡み」だと、私は積極的になれて最強になれる。逆に、「雰囲気良さそうだから」というざっくりした感じや、「おすすめされたから」というやや消極的な理由だとそこまで力が出ない。
ただ、振り返ってみると、今回の薬酒BAR訪問は「RingNeのセールス」みたいなところもあったので、厳密には純粋に楽しんでいるわけではなかった。「営業は自分には向いていないかもな」とか思って仕事にするのは敬遠し続けていたが、こういう営業は楽しくできるのだから、本質的に営業は好きなんだと思う。
早速、常連の女子にRingNeのHPを検索してもらえて、コンテンツの紹介やチケットの価格を知ってもらい、南足柄に来るのを検討してもらえた。心の中でガッツポーズをしていると、入口の方からおもむろに店に入ってくるイケメン男子がいた。

お手本(上野くん)、登場。 2023/08/25 PM09:25

店内に颯爽と現れた上野くん。早速マスターにおすすめは何ですかと聞く。
「そうですね。一応お酒ごとに効能が書いてあったりするので」
そしてマスターから色々な効能を説明されながら、
最近お腹が出てくるようになってきたんですよねー
「じゃあダイエットに効果があるやつだと月桃ですかね」
「あー、いいですね。じゃあ月桃にします!」

なるほど、薬酒を扱っていることを逆手に取って自分の弱いところをオープンにして親しみを持ってもらう作戦である。これで上野くんは「ダイエットしたい人」というキャラを手にいれる。

そして、私と同じく月桃酒のグラスが渡された後、ちびりと飲んで「美味しい!」とリアクションを返し、
「月桃酒飲んだらダイエットできるんですかね」
「まぁ、気持ちですかね〜」
などとマスターと何がしかの会話をしばらくやり取りしていた。
そしてひと段落した後は、ちびちび飲んだり、スマホをいじったりして静かに空間を楽しんでいた。
ここまでは、特に何のことはない、一人飲みだったらそうなるよねという話で終わる。

そこに、若い男・女・女3人組の客が来た。
「すいません、3人なんですけど……」
しかし、カウンターに座れる席はもうない。手前の男女組、上野くん、私、常連の女子の5人でもう一杯になってしまうカウンターなのだ。飲むとしたら、立ちながら飲むしかない。
上野くんが動いた!
「この椅子使ってください」
「え、いいんですか」
私、ダイエットしたいんで、椅子なくても平気です!

何というGiveの精神&「ダイエットしたい人」押し
月桃酒飲んでいるから余計説得力がある。
上野くんのイケメンぶりをまざまざと見せつけられたからには、私も月桃酒飲んでいる身として、ダイエットしなければなるまい!
「私のもあるんで、ダイエットしたいんで、使ってください」
だが、譲った時には時すでに遅し。私の使っていた椅子は男・女・女の男の椅子として使われるという残念な結末を迎えてしまった。初動が素早かった上野くんはしっかり女子に対してGiveができたのである。ここまでくるともはや、にくい。にくいねぇ〜上野くん。

だが、憎い演出はこれだけに終わらなかった。
マスターとお客さんの会話になり、何となく場が和んできた瞬間が訪れる。
定番の「どこから来られたんですか?(出身地)」トークが話され、和気藹々とし始める。そう、会話に入れるチャンスの到来である
そこでの上野くんの会話にグイッと入る力たるや、あたかも「風林火山」を彷彿とさせるようだった。

女子「出身どちらなんですか?」
上野くん「え〜、秘密なんですよ〜」
女子「え〜、でもせっかくだから教えてくださいよ〜」
上野くん「……一応、三重なんですけれど」
女子「え〜、三重いいところじゃないですか〜」
上野くん「三重いいところかなぁ〜」
女子「いいところですよ。旅行で行ったこともあるし」
上野くん「うわー、来なくていいのに三重なんて〜。どこも行くところないですよ〜」
女子「ありますよ行くところ〜。伊勢神宮行きました」
上野くん「うわ〜伊勢神宮行ったんだ」
女子「式年遷宮の時に行ってきました」
……

伝わるだろうか。
自分の地元を卑下しながらも、相手に良さをしっかり語らせる感じ。
テンポよく相手の情報を引き出して、隙あらば畳み掛ける準備もできている。
そして、これ以上は長くなるので「……」で畳んだが、その後それぞれの地元について語った時に「旅で行ったことありますよ」的食い込み力をどの県にも見せつけた。旅人のトーク力の強さをまざまざと見せつけてくれたのだ。
この時の上野くんを、私はどうしても「風林火山」に喩えたくなる。

其の疾きこと風の如く(3人組が入ってきた状況の変化に素早く対応しつつも)
其の徐かなること林の如く(それでいて静かに飲む余裕も見せる)
侵掠すること火の如く(会話に入れると分かったら一気に存在感を放ち畳み掛け)
動かざること山の如し(それでいて相手にどこまでもGiveする姿勢を崩さない)

振り返り 2023/08/25 PM10:05

今回のグットニート養成講座は本当にいい内容だった。
一人飲みがこんなに奥深いものだったとは思わなかった。
まさに、フット・イン・ザ・ドア。
相手の心にいやらしくなく入り込んで、打ち解け合う様を見せていただいた気がする。
これは決して飲みの席だけでなく、日常のあらゆるところに応用が効くやり方だろうと思う。
私も一人飲みチャレンジを繰り返しながら、「風林火山」力を磨いていきたい。いずれ、Gutto NEET Noteスピンオフとして私が一人飲みに出かけた記録も残していこうと思う。

おまけ 2023/08/25 PM11:30

こうして無事、グットニート養成講座講師の役割を終えた上野くんだったが、

その後モテアマスで汚く飲んだくれている女二人に絡まれて、ひたすら「帰れお前ら!」と夜通し懇切丁寧に対応していたという・・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?