眠れない夜は、何をしようか。
眠れない夜はよくある。
ちっとも望んでない。できればすーっと、何にも考えないうちに意識が遠のいてほしいと毎晩思う。
けれど決まって、寝たい寝たいと思えば思うほど、余計に眠れなくなるものだ。
いつもならアニメやら映画やらを見て眠くなるまでダラダラするけれど、今日はむしろ、眠れない夜を最高に過ごしてやりたい気持ちになった。
たぶん、寝る直前にめちゃくちゃに泣いたから、発散した反動でやる気が出たんだろう。
よいしょ、と身を起こして台所に向かう。
夜は極力食べないようにしているけど、たくさん泣いてお腹が空いている気もしたし、今日くらいはいいことにしよう。
用意したのはホットミルクとBiscoff(ビスコフ)。
"Lotus"の文字が刻まれた、シナモンのよく香るこのクッキー。
赤に白字がよく映えるパッケージが可愛らしい。
てっきり「ロータスクッキー」だと思っていたら、正式な名前は"Biscoff"だと知って衝撃だった(正式も何も「ロータスクッキー」なんて呼んでいたのは私だけかもしれない笑)
少しミルクに浸したのち、頬張るとさくさく、とASMRにでもできそうな音がする。
ミルクの甘味と、シナモンの香り、それにクッキーの食感が混ざり合って…うん。
幸せ。
最高の夜にしてやったぜ。
なんてしたり顔だけれど、眠気は全く来ていない、むしろ冴えた。
あー、牛乳ってなんで温めただけでこんなに美味しくなるのかな。
ホットミルクをこの世で1番最初に作った人に、何かすごい賞をあげたい。
Biscoffってbiscuit for coffee の略らしい。
けれど今日はミルクのお供になっていただいて、君は万能で優秀なクッキーだね、どうもありがとう。
なんて、とりとめのない思考が夜に溶けていく。
ずっと、何か書きたいと思っていた。
2021年の4月、私は社会人になって、季節を一周して、二度目の秋から仕事に行かなくなった。
行けなくなったのか行かなくなったのか、そこは絶妙なライン。
休めたからといって毎日が平穏なわけではなかった。
なんにもしないで、眠れない夜をなんとか通り越して、今日もまたとりあえず形だけ布団に潜っている。
いろんな感情がぐちゃぐちゃになって、今もまだ整理がつかないでいる。
先のことを考える気にもまだならない。
それでも今日、幾年ぶりかにnoteを書いた。
きっと、眠れない夜をやり過ごしているのが、私だけではないと思ったからだ。
正確に言えばそう思いたかったからだ。
誰にでも眠れない夜があって、どうにかして眠ろうとして、眠れないまま朝になって。
それでも生きていく人が、この地球のどこかに、それも結構いたるところにいるはずだと思ったから。
だから、眠れない夜の過ごし方を誰かと分かち合いたい、という自分のちっぽけな願いをここに置いてみる。
明日の夜はもしかしたら、拍子抜けするくらいあっさりと眠りに落ちているかもしれないけれど。
もし明日も明後日も眠れなかったら、それはそれでまた、最高の夜の過ごし方を考えてやろうと思う。
夜の先には必ず朝があることを喜びながら。
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