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19歳 / 女 / INTP / 醜形恐怖 / 鬱 / リスセクシュアル / リスロ…

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19歳 / 女 / INTP / 醜形恐怖 / 鬱 / リスセクシュアル / リスロマンティック / 蛙化現象 / 毒親 / 愛着障害/

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私は人生で三度、初対面の人と寝た。

私は人生で三度、初対面の人と寝た。 1.  一度目は17歳の12月。鬱になり、引きこもり、高校を退学してすぐだった。何もかもがどうでも良くて、どうせ死ぬならこの余所行きの純潔を守り抜く必要も無いと思った。帰りの駅で、死のうと思っていた。  当日、私は街中に溢れかえる"淡色女子"に紛れ込むべく、お湯を注ぐだけのインスタントコーヒーのような、ベージュとブラウンの服を選んだ。  本当はオールブラックコーデの左手にシルバーリングを2つあしらうような服装が好きだけれど、今から死ぬ

    • 麦酒

      1月。15時、1℃。風邪を引いた。 21℃のリビングで、何を考えるでもなく、唇に爪を突き立てた。 17時。インターホンが鳴った。 汚い赤がこびり付いた指で受話器を取った。 怯えたような笑みを無理やりくっつけた、痩せっぽちの男が映っていた。 「アサヒ新聞です。お母様はいますか。」 インターホンの高さは男の胸よりも低いのに、モニターに映る男は私を見上げていた。 「すみません。20時頃帰ると思います。寒い中ご足労頂いたのにすみません。」 男は最後まで笑みを浮かべたまま、また来ます

      • 私へ バカになれ

        「お前は頭が良い」 昔から飽きるほど言われてきた。 頭が良いと言われて悪く捉える人間は普通いない。けれど、ここ数年の私に対して向けられた「頭が良い」からは皮肉というか諦めというか、聞き分けのない人間に向けられた「はいはいそうだね、すごいねぇ」と同じ匂いがする。 私は確かに頭は回る。けれどそれは頭が良いんじゃなくて、負け戦に挑むのが怖くて不戦勝できる道を探すために必死に頭を使って、そうやって見つけた横道に逃げて勝った気になっているけど実際は負けている、頭の無駄遣い。ただのバ

        • 日々 生きる

          腕を切り、脚を切り、首に縄を巻き、睡眠薬を飲み漁り、物を貪り食っては吐き、酒を浴び、煙草を吸い、カフェインに溺れ、初対面の男に何度も肌を許し、乱暴され、緊急避妊薬を飲み、昼は眠り、夜に目覚め、日光を浴びることなく、ただ息をして、生きている。 やりたいことがない。やれることがない。やる気がない。部屋から出られない。風呂に入れない。食べ過ぎて吐きすぎて食べ物がない。眠れない。起きられない。学校に行けない。人と上手く関われない。生きる意味が見つからない。なんで、生きている? "

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        私は人生で三度、初対面の人と寝た。

          「名前」は 免罪符 なのか。それとも、呪縛 なのか。

           私は、高校にも大学にも、ほとんど通っていない。高校は2年の初めから不登校になって休学・留年を経た末に退学し、せっかく入学した大学にも全く足を運んでいない。 理由は、私が「鬱病」で「睡眠相後退症候群」だからだ。  私は高校2年の初めに、酷い無力感と著しい無意欲、そして昼夜逆転を訴えた。登校する日数はどんどん減っていき、夏には全く家から出なくなった。  病気でもないのに何故こんなにも物事に対して意欲が湧かないのか、体内時計が狂ってしまうのか、自分でもよく分からなかった。分か

          「名前」は 免罪符 なのか。それとも、呪縛 なのか。

          父親の愛を求めて

          「大人はしません。お金は要りません。私とただ食事を共にして、ただお喋りをしてくださる方を探しています。」 出会い系アプリのプロフィールに、私はこう書いた。 最初の一言で、大体の男性は私に価値を見出すことなく画面をスクロールして別の女性を探す。出会い系アプリとは、いくら健全さをアピールしていても結局はそういう場なのだ。あらゆる欲と人間の卑しさが蔓延る、そういう世界だ。 この世界の中で、少ないながらも、私に対して何らかのリアクションをくれる人がいる。プロフィールを読んで尚

          父親の愛を求めて

          寂しいから

          私は、いつも寂しい。 いつだって寂しいから、人から一緒に何かしようと誘われると断れない。断りたくない。 つい数日前、一度会っただけの同級生から食事に誘われた。男と2人きりは危ないからやめな と友人から止められたけれど、結局行くことにした。 予定を立てている間、チャットの無機質な文字なんかじゃ濾しきれない下心をうっすら感じ取りながらも、「ご飯食べにいこう」って言ってるんだからきっと本当にご飯食べるだけだ なんて都合よく解釈してノコノコと会いに行った。都合の良い存在なのは私

          寂しいから

          不安のプラナリア

          昨日は気持ちの悪い夢を見た。 丸1日経った今でも思い出すと悪寒がする。 蛭のような蚓のような、黒くて長い虫が1匹、身を激しくくねらせて蠢いていた。 私はそれを、夢の中の「私」の目を通して見ていて、「私」はその虫を狂ったように踏み潰していた。 不快な音を立てて踏み潰されたその虫は身体を切断され、破片は四方に散らばった。 けれどその虫は死なない。 死なないどころか、散った破片それぞれがプラナリアの如く身体を再生させ、瞬く間に完全体がどんどん殖えていくのだ。 てらてらと光るその

          不安のプラナリア

          ひきこもりのいちにち

          私は2年ほど、ひきこもりをやっている。 家から出るのは週に2度か3度で、それすらもグズグズと悩んでやっと決心してのことだ。 特に深い意味は無いが、引きこもりの一日を紹介しようと思う。 多くの人間の一日は朝から始まるものだが、私の一日は昼になってやっと始まる。 朝10時に点くようにタイマーをセットしたエアコンが火を噴き始める13時。 私はエアコンを切るために汗だくで目を覚ます。 エアコンに火を噴かすのは、単に寒いからではなくて、汗でもかかないと風呂に入る気が起きないからだ

          ひきこもりのいちにち

          買い物依存症

          私が小学1年生になる時、母は私に財布を買ってくれた。マジックテープでペリペリと開閉する、首提げの折り財布。 自分のお金を自分の財布に入れて持ち歩く。なんて素敵なんだろう。 心を躍らせながらピカピカの財布を受け取った。 けれど、財布はいつになっても真新しいままだった。 財布に入るはずのお小遣いを、母はくれなかった。 2年生になって、母におつかいを頼まれるようになった。 おつかいは面倒だったけれど、財布の中のたった1つの100円玉を見ると、なんだか大人になった気がして嬉しかっ

          買い物依存症

          誕生日

          母の小言を聞いていたら日付が変わった。 今日は私の誕生日なのに、母は最後までブツブツ文句を吐きながら寝室へ消えていった。 私が欲しいものはケーキでもなくプレゼントでもなく、おめでとうの言葉でもない。 私の話に少しでも耳を傾けて、理解しようとしてくれる母親が欲しい。 3年前の今日、私が母親からもらったのはお祝いの言葉ではなかった。 「穀潰し」 そう言って母は、誕生日を迎えた私にサンダルと台拭きを投げつけた。 私はその時高校受験の大詰めを迎えていて、下校してから夜遅く

          誕生日

          18歳

          中学時代、私の渾名はヤリマンだった。 中学を卒業した次の夏、大して仲良くもなかった友人がぽろっと漏らした。要らない情報をまた得てしまったな、と思った。 勿論、中学時代の私にそのような経験はなかった。友人達の健全な猥談に耳を傾け、程々に囃し、知識を競い合うただの思春期の子供だった。 なぜこのような渾名が付いたのか、心当たりがない訳では無い。 私は大抵、男友達とつるんでいた。 話相手に合わせて巧みに声音を使い分け、気に食わない相手は集団で屠る「稚い女」が生理的に受け付けなか