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デザイン思考と「0⇒1」の関係は?未来に向けて行動するための考え方(後編)

こんにちは!野見山です。

前回の記事で、「デザイン思考と「0⇒1」の関係は?未来に向けて行動するための考え方(前編)」というテーマで書いたので、今日はその続きです。

【前回記事】


【前回記事と今回記事の焦点の違い】

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出典:書籍「ひとりの妄想で未来は変わる VISION DRIVEN INNOVATION」の「イノベータージャーニー」に加筆

何もない0から、質の高い仮説である1を生み出すための、
「個人の見立てる力」について紹介します。


■個人の見立てる力とは

それは、ふつうの人から見れば全く関係のないふたつの異なるものも、それぞれをシナリオまで抽象化して捉えることで、同じ土俵で結びつけることができる能力。
例えば作曲家がジェットコースターに乗ったら、その上下運動やスピードの緩急でメロディに「感じてきてしまう」かもしれない。パティシエがドバイの面白い建築物を見たら、新しいケーキのフォルムに「見えてきてしまう」かもしれない。

出典:書籍「デザイン思考の先を行くもの ハーバード・デザインスクールが教える最先端の事業創造メソッド」

定義のとおり、一見関係ない事柄を、
自分の専門分野に活かせる景色が「見えてしまうこと」

「個人の見立てる力」と呼んでいます。

著者の各務さんはコピーライターであり、建築家でもありますが、
映画を見ている時に、自身の建築のアイディアが浮かぶそう。

建築と映画に共通しているのが「シナリオ」で、その具体的表現を以下のように捉えている。

・建築を「部屋の連なり」
・映画を「シーンの連なり」

最初に話を聞いた時は、
映画を見ながら建築のシナリオが「見えてしまう」って普通じゃないな(笑)、
と思いました。

当初はこれができるのは一部の特別な人だけかと思いましたが、
今はそうでもないと考えています。

世の中を変えるような革新的アイデアは、ロジックやマーケティングからは決して生まれてくることはなく、ある専門性を持った個人が、異分野の知識に触れた時、そこはかとなく自身の専門分野の話に「見えてしまった」という極めて個人的な「見立てる力」こそが重要なのではないか?という仮説を持っているからである。

出典:書籍「デザイン思考の先を行くもの ハーバード・デザインスクールが教える最先端の事業創造メソッド」

つまり「見えてしまった」瞬間というのは、
自分の得意分野、経験してきた専門性がある場合において「見えてしまう」
ということです。

私も記事を書きながら、
キングダム49巻の王賁の回想シーン(蒙恬との会話)が見えてしまいました。

(蒙恬)俺きてるわーって思うこと 最近時々ない?王賁

 (王賁)何がだ

(蒙恬)ほら本当に時々だけどあるじゃん 偶然だろうけどすげーの見える時が

(王賁)だから何がだ

(蒙恬)だからさー "大将軍の見てる景色"ってやつがだよ

出典:キングダム49巻

私が映画を見ても建築のシナリオに変換できないのは、
専門分野でないから当然です。
(※僕が大将軍でないからではありません。)

ですが、自分の強みの分野のあれば「見えてしまう」ことはあり得ます。

ここ最近を振り返った時に、私の専門である基幹システム導入を例に、
「見えてしまった」ことを紹介していきます。

■Case1 システム導入 × 品質

システム導入をする際ですが、以下のプロセスで進んでいきます。

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私は要件定義〜稼働支援までワンストップで支援をしています。

ワンストップで支援しているとシステム稼働まで進めた時に、
「この工程を改善してたら、プロジェクトがよりスムーズに進んだな」など、
全体のどこを改善すべきか?、という目線を強く持つようになります。

そこで最近は上流工程の品質改善に課題意識を持って取り組んでいるのですが、
ここで「見えてしまった」経験がありました。

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開発工程や稼働工程で、自分でより専門性のあるメンバーと話していた時に、
これって自分の専門分野(上流工程)で生かせるのでは?
と「見えてしまった」出来事です。

■Case2 システム導入 × 業界

同じくシステム導入を進める話ですが、
Case2は業界を切り口に「見えてしまった」ことです。

私はシステム・業務・会計含めた目線があることを強みにしていますが、
業務系のシステムエンジニアは業界ごとに持っているノウハウが異なってきます。

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私は製造業向けのシステム導入の支援をすることが比較的多いですが、
別の業界担当のメンバーからノウハウを聞いた時に、
「自分の業界での提案でも使えそう!」と「見えてしまう」ことがあります。

ここまで、「個人の見立てる力」の重要性についてお伝えしてきましたが、
0→1を実践するためには「個人の見立てる力」だけがあればよいか?

実はもう一つ重要な要素があるので、それを紹介します。


■0→1の実践 = 個人の見立てる力 × ??

0→1を実践するためには必要なのは、「個人の見立てる力」に加え

未来からの逆算力

これが必要となります。

未来を現在の延長と捉えるのではなく、まず自分が個人的にどういう未来にしたいか、という願望を研ぎ澄ましていくこと。そして極端に個人的な願望に基づいた未来から逆算した時、現在、この世界に何が必要になるか。それがデザインすべき答えであるということ。

出典:書籍「デザイン思考の先を行くもの ハーバード・デザインスクールが教える最先端の事業創造メソッド」

未来についてはある程度予測することは大事ですが、予測するだけは待ちの姿勢です。
それよりも自分がこうしたい!というビジョンを持ち、能動的に行動していくことが何より大事だということ。


■まとめ

0→1の実践において、スケールの大小はありますが、

・自分がこうしたいというビジョンを持ってメンバーを巻き込むこと
・異分野から自身の専門分野に活かせる気づきを多く得ること

この2つの要素が大事です!

「個人の見立てる力」を日々磨くための方法については、
各務さんの書籍に具体的な方法が記載されていますので、
興味ある方はご一読ください。

デザイン思考の先を行くもの 各務 太郎
https://www.amazon.co.jp/デザイン思考の先を行くもの-各務-太郎/dp/4295402478/ref=tmm_pap_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=&sr=

最後に、皆さんの「見えてしまった」経験があれば、
ぜひコメント欄に記載いただければと思います!

読んでくださった皆さんの経験を集めて分類することで、
また違うnote記事で価値提供ができるかと思いのご相談でした!

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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