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吾輩は手抜き料理である

名前はまだない

のであれば即刻つけるべき。子供の名前とか取り返しのつかない責任重大な名付けをする前に、適当な料理に名前をつけて練習するべきだ。
私の友人は家の電気のスイッチにすら名前をつけている。
言葉はお手軽な呪いだ。
古来より人間は理不尽なことや不可解なことに名前をつけ自分たちの恐怖心を支配してきた。名前をつけることで恐怖心を支配して身近なものに感じ受け入れる。
料理も同じだ。
例えば五目炒めの材料が足りてなくても「五目炒め?贅沢な名だね、今からお前の名前は三目炒めだよ。いいかい、わかったら返事をするんだ三目炒め!」
そうすると三目炒めは「肉と野菜のやつ」より胸を張って言える感じになる。
椎茸の肉詰めなんて詰めるとこもないくせに自分のことを肉詰めだと言い張っている。たいしたタマだ。私は椎茸が嫌いなので椎茸に対しては当たりが強くなりがちだが、それにしても「美人ママのいるお店」くらいの図々しさだ。いいえ私はしいたけのファルシ〜お気の済むまで食べるがいいわ〜と下手くそな歌が聞こえそうだ。

さてミソマヨまとったイカしたキャベツ。
我が夫の御母堂はとてもチャーミングな女性だ。味噌を使った料理って何かあるかしら、と聞いたところこんな名前のレシピを教えてくれた。カワイイ!
食べる前からこの料理が大好きになってしまった。
くれぐれもイカキャベなど略してはいけない。
「あー今日はミソマヨまとったイカしたキャベツ食べたいな〜」
「こら!野菜残さないの!味噌マヨまとったイカしたキャベツもちゃんと食べやさい!」
ついつい言いたいがために作ってしまう。これが名前の力だ。
もちろん味もとっても美味しいのでもしかしたらお酒をじゃぶじゃぶ呑んでしまうという呪いもかかっているかもしれない。


材料(2人分)

キャベツ 4~5枚
さきイカ 20gくらい
味噌 小さじ2
マヨネーズ 大さじ1
白ごま 適量
七味唐辛子 適量

作り方

1・スルメorさきイカを細く裂き、食べやすい長さに切ってお湯に浸す

2・キャベツは軽く茹で、太めの千切りにする

3・調味料を全部混ぜ合わせ、しっかりしぼった①と②を混ぜ合わせる。

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