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ごはん

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作り方ありのズボラごはんについての記事
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おでんでんでんででんでん

ペケポン! 子供の頃、おでん・肉じゃが・魚の煮付けは三大がっかり飯だった。 特におでんはご飯に合うわけでもなくなんだかな〜と思っていた。 おでんの牛すじは肉とは呼べないし、はんぺん・竹輪・さつま揚げのすり身三兄弟はほぼ原料同じじゃない?どういうこと??おでんの唯一の良心、ウィンナーも出汁が染みてパリッとしてないフニャチンウィンナーになってしまう、焼いて食べる方が断然おいしい。 そんなふうに思ってる時期が私にもありました。 冬はおでんだ。なんなら夏もおでんだ。熱々のおでんを

果物が嫌いだ2020

女はフルーツが好きだと思われがちじゃないか。たしかにいい女は毎朝フルーツを食べているイメージがある。わたしはいい女だがフルーツはほとんど食べない。 まずとにかく皮と種がめんどくさい。甘かったり酸っぱかったり当たり外れが大きすぎる、ほとんどギャンブルだ。特にミカンとリンゴ。しかも外れても食べれないほどでないというところがまた憎たらしい。このリンゴモサモサする…と思いながら全部食べないといけないの嫌。 おそらく毎朝果物食べてるようないい女には切ってくれるグッドルッキングガイがいて

キッチンで立ったまま

「え、初めてで生は怖いんですけど」昨日バージンを捨てた。 予想では週末と思っていたが、急遽予定が早まったと連絡があり、幸い昨日は祝日で連絡を受けてからそれなりの準備もできた。むしろ急な方が及び腰にならずに挑めるもんだ。もちろん初めてとは言えお店では、まあ、それなりに経験はある。 だが実際やるとなるとわからないことも多かったので、周りの経験済みの子にアドバイスを求めてみた。 「ね、初めてどうだった?」「ベチョベチョになった」「入れるタイミングが大事」「順番も大事よね」「薄いのは

インド人がなんと言おうと

わたしが作ったんだ!わたしがタンドリーチキンつったらこれはタンドリーチキンなんだ! 漬け焼き実はズボラ飯説タンドリーチキンってほんとはよく知らない ヨーグルトが入ってれば良いのだろう インド人的にはゼンゼンチガワイ!かもしれないけどまあ食べてミソ 発酵食品てなんか良さそうだし お肉はジューシーな方が美味しいのとタレがもったいないのでそのまま焼く 漬け焼きは比率さえ合ってればタレの量が適当でも失敗しないから良いね 冷蔵庫の余ってるヨーグルトの量に合わせて作ることが多い 前日

野性を失った代償に得たもの

前世でピーマンに村でも滅ぼされたんですか? ってくらい子供の頃からピーマンが嫌いで、それはもはやわたしのアイデンティティですらあると思っていたのだけど ある時からじわじわ食べれるようになってきて これはまずい、と思っていたらついに生でバリバリいけるようになってしまった 「苦い食べ物が食べれないのは野性の名残」説を指示しているわたしは またひとつ野性を失ってしまった、と落胆した だがしかし一度ピーマンの美味しさを知ってしまったこの体、ピーマンの肉詰めがどうしても食べたい ハイボ

フムス 前篇

出会いは2015年の3月、青山だった ピンクのフムスはコッペパンに挟まっていた 当時新卒2年目の何も知らないおぼこい女だったのでその派手な見た目の東京の食べ物に少なからず不安な気持ちを抱いたのを鮮明に憶えている わたしが知っているピンクの食べ物といえば桜でんぶと苺チョコだけだった 自然界において派手な色は危険を表す つまりこれはもしかして噂に聞くパーティードラッグ…? これって何?甘いですか?そんなことを聞くのも田舎者丸出しのようで恥ずかしく、かと言って譲れない問題として生た

フムス 後篇(レシピあり)

出会いから5年、ついにわたしとフムスは再会を果たした オランダで水を買うため立ち寄ったスーパーにフムスはいた フムス!フムスじゃないか!!!あんた、こんな垢抜けて…私のこと覚えてる!? フムスが覚えていたかどうかは知るよしもないが、もちろん買ってホステルに帰った うまい!これが本場のフムス!本場中東じゃなかったっけ〜!細かいことはどうでも良い!うまい!ワインに合う〜〜 自作のフムス(仮)よりエキゾチックでスパイシィ! こんなに長い間会えなくて次はいつ会えるかわからないので、

コンフィだと、わたしのゴーストが囁くのよ

なんかすっごく働きたくなくて、特に意味もなく有給休暇をとったけど何もやることがなかったので晩ご飯のリクエストを募った。 豚肉1票、ワイン1票 これはもうコンフィだ、コンフィしかない、作ったことないけど。 オイルでじっくり低温調理するのがコンフィである、とネットには書かれている。 うんうんなるほど、完成のイメージを思い描く。 これは料理を作る上で大事なことだと思う、今まで食べたおいしいコンフィをうんとたくさん思い出して味とか見た目とかイメージを決める。 野菜はたくさんあった

吾輩は手抜き料理である

名前はまだないのであれば即刻つけるべき。子供の名前とか取り返しのつかない責任重大な名付けをする前に、適当な料理に名前をつけて練習するべきだ。 私の友人は家の電気のスイッチにすら名前をつけている。 言葉はお手軽な呪いだ。 古来より人間は理不尽なことや不可解なことに名前をつけ自分たちの恐怖心を支配してきた。名前をつけることで恐怖心を支配して身近なものに感じ受け入れる。 料理も同じだ。 例えば五目炒めの材料が足りてなくても「五目炒め?贅沢な名だね、今からお前の名前は三目炒めだよ。い

失敗は成功のもと

はい100万回聞きました〜。 もうやめようぜ失敗を正当化するのは。 俺なら一度で何もかも成功させる。とローランドインマイハートが白い歯キラッキラさせながら言ってる。 成功のもとっつても食の失敗は命取り、やり直しは聞かない。失敗したの捨てるわけにいかないし。 一気にモチベーションがだだ下がる。 豚肉と間違えて鶏肉を解凍しちゃったとき〜 やる気−20 じゃあオムライスにしようと思ったけどケチャップがなかったとき〜 やる気−60 しょうがないから炊き込みご飯にしたけどコメが固かった

カラシを付けろよ、デコスケ野郎ォ!

蒸しだ蒸し! 時は2020年、我が家にはシュウマイブームが到来していた。 生まれてこのかた餃子>>シュウマイだったのが、この時ばかりはシュウマイが餃子を上回るくらいの一大ブームだった。最初はコンビニのシュウマイで満足していた。しかし食べるにつれ、それでは満足できなくなってきたのだ。 大体のシュウマイは6個入り。二人で食べたら3個ずつ、足りない。足りねえンだヨォ!もっと、もっとシュウマイキメさせてくれよォ〜〜! 昼は何気ない顔で働き、夜な夜な家ではシュウマイをキメる。そうわた

羊たちは叫ぶのをやめたかい

我が夫は欲望のために自らの手を汚すことは厭わない、そういうタイプだ。わたしは自分の手を汚すことはためらってしまうので、皮を剥ぎ内臓を引き摺り出したりするような仕事は基本的に夫に任せている。 料理ね、料理の話。 捌く系の料理以外だと肉を焼くのも上手だ。あとは挽肉を手でこねるのも手が汚れるのでわたしじゃなく夫の料理だ。 夫の作る餃子はうまい。箸がとまらない。包むのも丁寧で綺麗。 シュウマイの回で餃子ほどめんどくさくない、と書いたが実は私はすでに餃子のめんどくささからは何年も前

悲しいけどこれ、戦争なのよね

戦争はなんでなくならないの?なんで世界のどこかでは常に戦争しているの? 昔父親に聞いたことがある。「それは納豆が3個セットだからだよ」と父は答えた。「あとプリンも」と。 その時はまだ幼くてわからなかったが今はわかる。 3ってなんだ!割り切れない!ご祝儀か!我が家は2人暮らし、残った一個はどっちが食べるか、逆に夫婦関係に亀裂が入るわ!! もう1個買ってくればいいではないかというのは貴族の考えだ。納豆が3個パックで売っている以上争いは無くならないのだ。ないものはない。与えられたも