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おでんでんでんででんでん

ペケポン!

子供の頃、おでん・肉じゃが・魚の煮付けは三大がっかり飯だった。
特におでんはご飯に合うわけでもなくなんだかな〜と思っていた。
おでんの牛すじは肉とは呼べないし、はんぺん・竹輪・さつま揚げのすり身三兄弟はほぼ原料同じじゃない?どういうこと??おでんの唯一の良心、ウィンナーも出汁が染みてパリッとしてないフニャチンウィンナーになってしまう、焼いて食べる方が断然おいしい。
そんなふうに思ってる時期が私にもありました。

冬はおでんだ。なんなら夏もおでんだ。熱々のおでんをハフハフしながらハイボールをきゅっとやりたい。コンビニのおでんが大好きだ。しみしみデロデロの廃棄寸前のハンペン。プリップリのこんにゃく。心踊る変わり種の面々。あの高級つぶ串が残ってるとレジ前で体も踊りたくなる。ふわふわつくねとジュンジュワーな餅巾着、もちろん巾着の口は爪楊枝ではなくカンピョウマスト。肉系が少ない中、ロールキャベツは貴重で上品で最高だ。最近はだし巻きなんてのもあるよね。豆腐も食べたいけど厚揚げも食べたい、どちらも捨てがたい!それと、もしタイムマシンがあるなら小さい頃の私に伝えたい「お嬢さん、練り物は何種類入っていても良いのよ」と。各々の良さがある。みんな違ってみんないいのだ。東京には長天、通称マフラーという四角い長いさつま揚げが売っていない。鍋の空いたスペースを見て思う、ああ、やだ私ったら…長天はもうここはいないのに…。大切なものに気づくのは失った時なのよね。でもでもでもでも東京にはちくわぶがいる。私のおでん界に突如現れたスーパースター、見た目はちくわ、正体は小麦粉、その名もちくわぶ。道産子の私には謎多き食材だが今やスタメン、ちくわぶが食べたくておでんを食べていると言っても過言ではない。でも今年はレジ横におでんがない…。圧倒的なおでん不足!!

ないものは作る、作らないとない。今日は日曜日だし下ごしらえも何もめんどくさいから茹で卵以上にめんどくさいものは入れないことにした。
出汁は出汁パック、あと良さそうだから昆布もいれる。醤油と塩をちょび、オイスターソースを多めに、1リットルに大さじ1くらい、オイスターソースまじ必須。
大根の面取りはする。面取りエライねって言われるけど、ピーラーで角をぴーで超簡単。とった面はもったいないからそのまま出汁に入れる。隠し包丁もする。これはなんか意味あるのかわかんないけどまあ料理上手っぽいから。
肉を入れてあげる。もし子供ができたらおでんはがっかり飯にしたくないな。それに肉を入れると旨味が出る気がする。冷蔵庫に腐りかけの鶏胸肉があったから適当に切って入れた。人間でも肉でも腐りかけがおいしいっていう。あとはもうドンドンぶっ込んで超弱火で煮る。とにかくほっとけばOK、おでんってズボラ飯〜。
そして卓上おでん鍋に盛る。そう、ここが一番大事。うちのおでんはこれに盛らないと完成しない。1年に1度しか使わないのに結構場所をとる、おでん以外に使い道がない、自分では絶対買わない、結婚祝いでもらったこの鍋、検索もしなさそうなこの鍋!でもこれにおでんを盛るとテンションがバチくそに上がる。知らなかったこの高揚感。多分みんなも知らないと思う。ハタチそこそこの一言もおでんが好きと言ってない新婚にこれをあげるセンスすごない?毎年めっちゃ楽しんでる。来年のおでんも楽しみ!

ちなみに今でも白飯には合わないと思っている。


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