愛について

雨が、強まったり弱まったりしている。ザアザアと強く音を立てていて、今にも全てが沈んでしまう様な気がする時もあれば、ポツポツと降っていて、確かに降っているのだけど、降りの強い時と比較をすると何も降っていない時と等しい様な気分になって、少し晴れの日を思い出す時もある。面白い事に、この豪雨が永遠に続くのではないかと思うと、次の瞬間には小雨になっていたりする。小雨が続くと、ふとした拍子に豪雨になったりもする。

一人でこうやって長々と文字を並べているが、自分は何をしているのだろうと急に白ける時がある。回りくどいのである。何も何百何千と文字を並べなくても、私がこの文章の読み手に伝えたい事は、ほんのたった四文字で伝えられるはずだ。「たすけて」という文字の並びだけで、伝えられるはずだ。「たすけて」。凄い言葉だと思う。

「たすけて」と言おうとすると、とても愛を感じる自分が居る。この人に、助けて欲しい。あの人に、助けて欲しい。何人もの顔と名前が思い浮かぶのである。表現を変えると、あの人なら、私と一緒に居てくれる。あの人なら、「大丈夫か」と尋ねてくれる。そう思うのである。愛を感じている。今、その人達と一緒に居る訳では無いし、「大丈夫か」と尋ねてくれる訳でも無い。しかし、想像の話なら別だ。きっと、普段から私を愛してくれているあの人達なら、そうやって寄り添ってくれるだろうと、想像力が働くのである。もう既に、多くの愛を受けていた自分がここに有った。

ひきこもろうと思っている。何時までかは知らない。ひょっとしたら、今降っている雨止んだ頃には、また人に会いに行くかも知れない。先の事にはあまり興味が無い。もう既に愛を感じているから、わざわざ人へ会いに行って愛を受け取る必要も無い。愛を感じているし、私も私を愛してくれている人を愛しているから、何れ何かの縁が重なれば、また何処かで会える様な気がする。だから、今会えなくても心配は無い。多くの人の愛を受けて、私は強くなった気がする。誰とも会わない時間が続いても、私は一人では無いと思えるのだ。

大切な事を語っていない気がする。何故ひきこもるのか、その理由である。それに関しては、今はあまり語りたくない。私の中で、難しい問題が起こっている。難しさに直面している内は、語ろうと思ってもあまり上手く語れないだろう。しばらく、この問題からは離れたい。離れて、隠れて、ひきこもって、少し遠い世界へと身を起きたいのだ。その世界で、日々の幸福追求をしていきたい。

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