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『日本らしさ』を学んでコミュ力を高める②【かしこさラボ:実践編3】

今回は、世界とコミュニケーションをとっていくうえで、特に重要だと考えている2つの「キラーコンテンツ」について扱う。

①サブカルチャー

多くの外国人が日本を知るきっかけとなっている「アニメ・映画・ゲーム」などのサブカルチャーは、日本文化への入り口として充分な役割を果たしている。それどころか、ハリウッド映画など世界の文化に影響を与える存在になっており、かつて北斎らの浮世絵版画がヨーロッパの印象派に影響を与えたように、世界的に見て秀逸なクオリティを持っている証といえる。

日本のサブカルチャーは世界に何を評価されているのか。ただ、私はこの分野に「精通」しているわけではないので、アニメ映画に対する海外の評価に関する次の動画の要点をまとめる形にさせていただく。また、この動画も2020年のものなので、最新ではないことはご留意いただきたい。

大友克洋・押井守・今敏・新海誠・高畑勲・鳥山明・細田守・宮崎駿(あえて五十音順で)など、名だたる映画監督の作品を見た外国人の感想から抽出してみると、およそ共通する項目として、以下のようなものが挙げられる。

①作画における描写の緻密さ
②シナリオの充実
③個性的なキャラクター
④テンポがよい

とくに言及が多かったのは②で、作品の世界観に特徴があるものが多い(奥深い・先進的・メッセージ性・人間性・ユーモアなど)という評価を示している。④については、観客を飽きさせず、限られた時間の中で最大限の満足を生み出そうという配慮の結果だろう。

また、コスプレなどの新たな楽しみ方が生み出され、自己表現(作品への愛の表現も含め)やコミュニケーションの手段としてかなりの広がりを見せていることも、サブカルへの興味を加速させている要素なのだろう。

アニメとゲームの関係性も強まっていて、フランス人にはアニメ好きが多いと言われているが、ゲームとセットで普及した「ポケモン」が有名な一方で、「ドラえもん」の知名度は意外と低いようだ。また、評価の高いテレビアニメとしても「Fate/stay night」などゲーム由来のものが、上位にランクインしてくるという特徴があるのも興味深い。

それらが、まとめて海外に発信されることの経済効果は大きくなるであろうし、クールジャパン推進のかなり重要な部分を担うことになる。

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しかし、サブカルチャーがらみで「表現の自由」をめぐる熱い議論が飛び交っているのも事実だ。クールジャパンを推進する上では避けては通れない議論だし、サブカルの世界に留まらない重要なテーマだと認識している。また別の記事で扱う予定だが、ひとまずは、自民党の小野田紀美議員や赤松健議員などの議論を見てもらうとよいだろう。

また、中国人の制作能力が著しく向上しており、日本のクリエイターの雇用環境の改善も進まないため、日本のサブカルチャーを危ぶむ声も少なからず存在する。しかし、どうだろう。日本人の持つ性質を、簡単に模倣することはできるだろうか。日本人の培った価値観の奥深さに期待したい。

②日本の食文化

日本人が、教育における「競争」と「協働」の両輪で培ってきた性質が存分に発揮されている分野だ。日本の食文化というと、単に食べ物を想像しがちだが、「文化」として優れたものがたくさんある。ただ、これまでのゆたかな日本で作られた文化なので、その維持は課題になるかもしれない。

多様性 

メニューが豊富 トッピング 価格帯の幅広さ 多国籍 インスタントなど

ココイチから、100円レトルトカレーまで

改善力・創造力 

カレーライス・カレーうどん・カレーパン・ナンカレー・ドライカレー
ラーメン・餃子・チャーハン・ピザ・パン・クレープ など

もはや日本食??

勤勉性

準備に手間はかけるが、仕上げは早い 

何時に起きて仕込んでる

清潔 

箸置き 割りばし グラスの透明度 ふきん 手拭き 消費期限 など

机を拭いてからでないと次の客を座らせない国

思いやり 

栄養バランス 温度 お膳の配置 アレルギーへの配慮  
大盛り・おかわり 調味料 お口直し お持ち帰り フーデリ 包装 など

言わなくてもお水をつぎ足す国

アミューズメント

自分でつくる:お好み焼・もんじゃ・しゃぶしゃぶ
バエる:カラフル・器のこだわり・オムライス・体験型スイーツ
作っているところを見せる:うどん・ラーメン・ピザ・にぎり・フランベ 
食リポ:フワフワ・トロトロ・しっとり・ジューシー・サクサク など

もはやテーマパーク


目の前にある「あたりまえ」は、世界では全く「あたりまえ」ではない。かつて、朝5時から病院の治療食を準備する仕事や、フーデリ業界で夜中1時過ぎまで配達をしたことがある身としては、裏方の苦労というものを散々見てきた。全く簡単なことではない。

なお、日本人の舌は「肥えて」おり、「米や小麦との相性」も考慮されているため、日本人の大多数が認めるメニューの破壊力は世界にも通用しやすい。もちろん、納豆など好みの分かれる食材はあるが、好みにフィットする選択肢は見つけやすい。

YouTubeでよく見かける「外国人に日本の〇〇を食べさせてみた」という類の動画を見れば一目瞭然だ。ラーメン・寿司・かつ丼・うな重・すき焼き・キンキンに冷えた一杯目のビール。外国人がまず口にする言葉は「オーマイガー!」「ワーーーオ」といったものだ。神に感謝するがよい、作ったのは日本人だがな笑。いや、本当は日本語の上手なベトナム人とネパール人だけどな笑。

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日本の食文化を海外に広めるといっても、実はそうたやすくはない。

日本のチェーン店などが海外進出を進めているが、料理とは関係のないことで攻撃を受けることもある。外国人が日本食のお店を開いて、全く和食とは思えないキテレツなメニューを売っていることもある(これは日本人が他国の料理にしてきたことでもあるが)。

他にも、先日ひろゆきさんが動画で言っていたが、動物性タンパク質を輸出する際には検疫があるので、フランスで「鰹節」が手に入らないといった事情もある。日本で使える食材がそのまま使えるわけでもないということだ。

正直、味はちゃんとしたものを食べてもらわないと分からないと思う。雰囲気込みでというところもある。「食文化」となれば尚更だ。これは来てもらうのが一番良い

また、落合陽一さんが対談で、日本で暮らす理由として「アユとうなぎ」を挙げていた。「胃袋を握られた」から結婚した例も多くある。有能な日本人の海外流出を防ぐ材料の一つともなり得る。


③まとめ

今後の教育に向けては、以下のようなところがポイントか。

・支えてきたのは日本人の人間性
それを支えてきたのは「競争」と「協働」
・ただし文化の押し付けは禁物
・楽しさや苦労を知るには作ってみる 
・オンラインでもオフラインでもアミューズメントパーク日本


(2022/8/20)


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