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【作例写真30枚】XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR 小型軽量の標準ズームの決定版

長らくXシリーズのキットズームレンズとなっていた「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」の後継モデルとして「XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR」が登場しました。

今回は約12年の時を経て、進化したレンズについてレビューしていきます。


XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR

前モデルの「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」は非常に長い期間、キットズームレンズの座に君臨していたことからも多くの人に使われてきたレンズでもあります。

その写りと使い勝手の良さは他メーカーのキットレンズを寄せ付けない抜群のクオリティでした。
しかし、Xシリーズのカメラでは約4000万画素が主流になっていく中でその写りを支えられなくなっていました。

そこで高画素化に対応しながらも、更なる小型化、さらに日常で使用頻度の高い16mmから50mmの焦点距離に変更され、キットズームレンズが生まれ変わりました。

前モデルの「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」のレビュー記事はこちら


XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WRのスペック

まずはレンズのスペックをチェックしていきましょう。

価格:約120,000円
焦点距離:16-50mm(35mm判換算 24-76mm)
F値:F2.8-4.8
最短撮影距離:0.24m
レンズ構成:9群11枚(非球面レンズ3枚、EDレンズ3枚)
絞り羽根:9枚
フィルター径: 58mm
手ブレ補正:なし
長さ:71.4mm
重さ:240g

XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR

価格:約100,000円
焦点距離:18-55mm(35mm判換算 27-84mm)
F値:F2.8-4
最短撮影距離:0.30m
レンズ構成:10群14枚(非球面レンズ3枚、異常分散レンズ1枚)
絞り羽根:7枚
フィルター径:58mm
手ブレ補正:3.5段分
長さ:70mm-100mm
重さ:310.01g

XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS

前モデルの「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」と比較しながら確認したほうが分かりやすいので、両方の表を載せています。

基本的には変わっていないポイントはなく、挙げている主なスペック全てに変更が施されました。

まず焦点距離は18-55mmから16-50mmに。個人的には中望遠域の5mmよりも広角域の2mmの差の方が大きく違いを感じるため、より幅広いシチュエーションで使用できるレンズになったという印象。

さらにレンズ構成が10群14枚(非球面レンズ3枚、異常分散レンズ1枚)から9群11枚(非球面レンズ3枚、EDレンズ3枚)へと変更。倍率色収差や軸上色収差を抑制し、ズーム全域において高い解像性能を期待できます。

3.5段分の手ブレ補正が無くなったのも大きな変更として挙げられます。
第5世代のXシリーズのカメラには7段分の手ブレ補正が備わっているため、省かれたのだと思料。X-T50にも手ブレ補正が搭載されたことから、これまでは手ブレ補正が搭載されていなかったX-E、X-Proシリーズにも今後搭載されていくのかもしれませんね。

手ブレ補正が無くなったことで質量が70gも軽くなり、ズームしてもレンズが繰り出されないインナーズーム方式が実現できたのだと考えています。

不満が挙げられるとすると、F値の変更でしょうか。
F2.8-4からF2.8-4.8に変更と、個人的には致命的な変化は感じず、むしろよくF4で抑えられたという印象なのですが、現状維持ではなく低下したことに不満が挙がっているようにも思います。


XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WRの外観

次にレンズの外観を見ていきましょう。

外観は非常にシンプルで、レンズ先端からフォーカスリング、ズームリング、絞りリングという構成

あとは絞り値の設定をオート、マニュアルを切り替えられる絞りモードスイッチが備わっています。

レンズを持つとそのコンパクトなサイズ感がお分かりいただけるでしょうか。
前モデルの「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」からは1.4cmほど長くなっていますが、さほど変化は感じません。

それよりも質量が70gも減っていることの感動が大きいです。

インナーズーム方式を採用しているため、ズーム操作を行ってもレンズは繰り出されません。重心が変わらないことからジンバル撮影、ドローン撮影では大きい恩恵を受けることができます。

ズームしたときに前玉が前進される様があまりにも不細工のため、この変更には大感謝です。

レンズの太さとフィルター径は変わることなく、細見を保ったままとなっています。そのためレンズの買い替えを狙っている方にとっては、ありがたいことに保護フィルターを使いまわすことができます。


X-T50とXF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR

参考までに同タイミングで発売されるX-T50に装着したときのサイズバランスはこのような感じとなります。


X-T5とXF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR

X-T5との組み合わせです。


X-E4とXF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR

X-E4との組み合わせでは、少しレンズが大きいような気がしないでもないですが、十分に運用可能なボディバランスをしています。
このことからもX-H、X-Pro、X-Sシリーズのどのカメラにおいてもバランスよく使用できると思います。


XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WRの作例と所感

それでは実際にこのレンズで撮った作例と使用感について記していきます。

圧倒的キットズームレンズ

前モデルの「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」の時点で十分な写りをしていましたが、その写りがさらなる進化を遂げました。

キットレンズには解像性能を期待しないのが一般的ですが、FUJIFILMのキットレンズは別。絞り開放時点で画面の中央から周辺まで満足のいく素晴らしい解像感を得ることができます。

実は近接性能も向上しており、最短撮影距離が24cmとなりました。ワイド端だけでもなくテレ端でも同様の距離であるため、全域で被写体に寄ることができるようになりました。

AFの速度も精度も抜群。ピントが外れることなく、スッと被写体にフォーカスが食いつきます。

新たに防滴防塵対応となったこともあり、雨だろうと雪だろうといかなる環境においても安心して使えるようになりました。

このことからもキットズームレンズとしては圧倒的なクオリティを誇っているように思います。

FUJIFILMの色や質感については以下の書籍にて言語化されています。作例も多く掲載されていて、写真集としてでも楽しめる本となっています。


持っておきたい一本

ここまでの完成度を誇る便利レンズですから、一本持っておくだけで大きな安心感を生みます。

中でも広角端16mmは特に旅先などの焦点距離が読めないシーンにおいては非常に頼もしい存在となりえます。

高画素カメラが増える中、望遠側が足りなければトリミングで対応可能です。
しかし、広角側が足りないと被写体をフレームに収めること自体が不可能のため、16mmで撮れるのは大きなアドバンデージです。

さらには小型軽量設計ですから、長時間の撮影でも疲れにくいという大きな利点もあります。一日中カメラを持ち歩く旅行者や、移動しながら撮影するストリートフォトグラファーにとって、この軽さには大きな価値があります

広角でも望遠でも気軽に持ち運べるこのレンズを一本持っておくと、風景、スナップ、ポートレート、テーブルフォトなど、ジャンル問わずに撮影を楽しむことができます。


F値の推移

F値は以下のように推移していきます。

16mm:F2.8
23mm:F3.3
35mm:F3.9
50m:F4.8

どこかのタイミングで大きくF値が上がるわけではなく、なだらかに上がっていきます。


他の作例

上記のレビューでは載せきれなかった他の作例を載せておきますので、参考程度にご覧ください。


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