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[800字コラム] モノ言うひとたち

僕はよく飛行機に乗るんで、空港のラウンジに入れるんだけど、これは搭乗歴が多いか、あるいは上級クラスの座席を買った人へのサービス、いわばおまけに過ぎない。

当今、ラウンジでやたらと食事が出てくるようになったのは、競争がエスカレートした結果であって、最初から贅を尽くした高級レストランが鎮座ましましていたのではない。

空港内という限られた環境や予算で、旅に出るまでの待ち時間を少しでも楽しくしてもらおうという先方のオファーを楽しむのが本義であって、食事やお酒に逐一論評を加えて上から目線であーでもないこーでもないとイチャモンをつけようとする手合いを時々見かけるんだけど、そうした人物の大きさの限界が透けて見えるような気がする。

おカネを払ったんだから自分の思う通りに尽くしてもらって当然、なんて論理は場末のキャバクラなら通用するのかも知れないけど、出されたものにケチをつけるようなハシタナイ真似は、何というか僕は生理的に嫌。

最高級料理が食べたいのならば、最高級料理店に行ってから空港に来ればいいのだし、僕の知り合いの外国人投資家などは、機内食がどうしても好きになれないからと言って、離日前に料亭に重箱入りの料理をつくらせてから成田に向かっていた。

たまたまラウンジを例に挙げたけれど、たとえば周囲の若い異性について、身長が高くないとか眼がパッチリしてないとかおっぱいが大きくないとかウエストが締まってないとか、しきりに論評してみせる人を時々目にする。こんな時、ケチをつけてる側にどれだけの魅力なり能力が備わっているのか、という点は当然問われることだと思う。

僕が見る限り、そういうことをのたまうオッサンの多くは、身長が高くて眼がパッチリしてておっぱいが大きくてウエストが締まってる女性に言い寄られるような人種には見えない。

その人にないものを云々するよりも、その人にどういう魅力が備わっているのかを、僕は見極めたい。

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