川島信義

三鷹市出身 俳優

川島信義

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神はポケットのなか

家の周りはとても住宅が密集していて、いわゆる下町という風情がある地域。 風情は俺が感じてるだけだけど。 それが故に、火災が起こると消防車が入れないので、火災現場一帯が火の海になるのだと危惧されている地域。 と友人から聞いたことがある。 つい先日は家の隣にある古い家屋に消防隊がわんさか流れ込んでいた。 それも深夜1時。 赤いランプがピカピカ光り、消防隊のオレンジの制服や救急隊の水色の制服がすりガラスの窓越しに右往左往していて、只事ではない騒ぎになっていた。 隣の家が燃

    • 終わる始まる

      『くるぶしを濡らして』の公演が終わった。 本番や稽古の日々も含めて、とっても楽しい時間を過ごせて幸せだったなぁと改めて感じる。 前までは本番だけが楽しくて、稽古大嫌いだったけどここ何年かは稽古っていいなと思う。 というか撮影などは稽古しないでやるって怖すぎるよなとさえ感じる。 何度も何度も同じ事を繰り返すことによって、新鮮さが失われる!何度もやるべきじゃない! などと思っていたけど、何度も稽古をすることで自信に繋がり自由になれるような感覚。 もちろん繰り返す分、新鮮にや

      • 北風小僧を憎んだろう

        1月16日の正午過ぎ。 東中野の山手通りにいた。 物凄く強い風が吹いていた。 吹くなんてもんではない、十両力士のつっぱりくらいの衝撃はあると思う。 こんなカリンコリンな身体なので、横っ面に突風がぶち当たると簡単によろめいた。 歩こうとして片足を前に出した瞬間、俺はもうひとつの片足のみで体重を支えなくてはならない。 十両力士のつっぱりを片足だけで踏ん張れるわけはなく、いとも簡単によろける。 というか転びそうになるほどの突風だった。 それでも風強いなぁ。すごいなぁ。と単純

        • 踊る阿呆であり知る阿呆

          2024年となり元旦も走った。 なんか走ってる実況ノートになってる。 初詣帰りなのか、深夜2時でも人がちらほらいる。 けれど深夜2時。とても静かで良い。 √オーランドーが終演して一週間。 この一週間は健康的堕落、華麗なる不摂生な生活を送っていたので久しぶりに走って身体が重い。 ヨロッコビールのカルチベータが体内を循環している。 ビール界で一番好きなカルチベータを思いながら、川沿いを走り折り返すと、突如激しい向かい風が。 足を前に出しても出しても進まない。 否応なくス

        神はポケットのなか

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        • 映画
          11本
        • 日記
          4本
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          4本

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          浅草の黄金のうんこと見紛う半月

          冬は嫌い。 寒いのは苦手。 でも一年の中で12月が一番好き。 世の中がわちゃわちゃしてるから。 イルミネーションとか、お正月の準備とか、年越しのために今年中に終わらせるあれこれとか、年末の道路の渋滞とか、秒針が少し速くなったような街の雰囲気とか。 単純に終わりと始まりが好き。 それでもとにかく寒いのが苦手で。 なんだけど、寒い中のランニングは好き。 寒い外気と体の熱さが心地良いから。 朝晩がかなり冷え込んできた、5日頃のいつかの12月の話。 夜に走ってきた。寒さが気持ち

          浅草の黄金のうんこと見紛う半月

          慈しむひろいせかいひろいせかい

          犬のうんこがいつもよりも多かったランニングコース。 犬のうんこが俺を軽快にさせる。 通勤するサラリーマンを追い越し、ホップステップでうんこを飛び越える。 ついでに定職に就くことができるマスも飛び越えてしまっていたことに気付く。 サラリーマンが出社する傍らをランニングする、そんな朝。 ランニング終わりにそのままスーパーへ向かう。 まだ開店前なので入り口付近には老年の男女が溜まっている。 特に特売とかでもないのにスーパーの開店待ちを目撃。 おじいさん、おばあさんの生態系を知

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          国と球団の意地をかけた勝負

          とある日、綺麗な夕陽が差し込む川沿いを走っていた。 その川沿いは団地やマンション、高速道路に囲まれている。 朝も夕方も夜も日の光や車のヘッドライト、住宅の灯が綺麗に反射し合っていてお気に入りのランニングコース。 その日は休日の夕方ということもあり、犬の散歩をしている人や子供と自転車に乗って家に帰るのであろう家族などTHE休日の夕暮れ。 幼少期、実家で見るサザエさんを思わせる日曜日の和やかさ。 そんな和やかな川沿いを走っていると、阪神タイガースのユニフォームを着た白人男性が

          国と球団の意地をかけた勝負

          東京舞座RECITAL OURS

          コンテンポラリーダンスの公演に初めて出演した。 まさか自分が舞台の上でダンスをする事があるなんて、7%くらいしか想像していなかった。 つい先日の公演『筆先のあなたへ』でもダンスをすることはあった。 でも演劇の中でのワンシーンであり、今回はダンスをメインとした公演だったから、なおさら不思議な気持ちだった。 ダンスをしている友人はたくさんいたけど、自分がやるなんて本当に想像してなかったなぁ。 公演は楽しかった。とても。 そして何よりも嬉しかったのは、自分の出演した演目だけで

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          でべその隠し方

          自分は思っていることや伝えたいことなどを表に出すことが苦手だ。 俳優やっているんだけどな。 でも苦手なもんは苦手だから仕方ない。 そうなると初対面の人や集団に対してはとてつもなく人見知りする。 でもこの歳(34歳)で 「人見知りです」 なんて言うのは恥ずかしい。 そんなもんどうにかしろよ。とか 大体みんな人見知りだよ。とか 大人だろ。とか だから人見知りなのに、人見知りでない風を装う。 いや、装えてないかもしれないけど 一人で大丈夫です。 一人の世界が好きなんです。 だ

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          想像よ円周を超えろ

          9月1日は『筆先のあなたへ』の本番だった。 稽古をしてもしても、出来ているのか不安ではあった8月。 慣れないダンスの練習をしても一向に上手になる気配がなかった。 それでも毎日目標や完成に向けて稽古する日々は怖くもあり楽しかった。 本番を終えても、反省やこうすべきだったかもとか、まだ至らないところを発見したりとかはある。 けど神奈川県立音楽堂という大きな会場で、多くのお客さんに見ていただけたことはとても嬉しい。 このような規模の会場での舞台に出演するのは初めてのことだったし

          想像よ円周を超えろ

          くよくよする欲望

          自分の欲深さや荒んだ生活習慣を改善するために5日間ほどお寺に泊まり込み座禅修行をしたことがある。 朝5時に起き、太極拳で体を動かし、朝昼夜に各2回ずつ座禅を組み、奉仕活動を行い、お経を唱え、精進料理を食し、22時には寝る生活。 1日目は座禅による足の痺れ、食事の作法に苦しみ 2日目は朝5時起きからくる睡魔と戦いながらの座禅。 そして慣れない作法と時間制限のある食事。短い時間で急いで食べなくてはいけないので、食べる量も腹6分目くらい。 身体が全くついてこず、修行なんて来なけ

          くよくよする欲望

          AM12:00呂律が回らない俺は袋を拒んだ

          小学生の頃、通学路にはセブンがあった。 昼過ぎごろにそのセブンを通るとほぼ毎日お酒を飲んでいる赤ら顔の大柄な男がいた。 お酒がどんなもので、どんな効能があるのかは小学2年生の自分にはまだよくわからなかった。 けど"よくないであろうおじさん"だということだけは理解していたと思う。 だから目を合わせないように、存在していない人として毎日通り過ぎていた。 あれはよくない大人だ。 絶対によくない大人だ。 子供の自分でもわかった。 接してはいけない大人だ。 途方もないほどの時が

          AM12:00呂律が回らない俺は袋を拒んだ

          思いやりという怖い槍

          とある日の某沿線で優先席に座っていた部長クラス年代の男性が立ち上がり、目の前に座っているおばあさんに席を譲っていた。 おばあさんはお孫さんと思わしき二人の大学生くらいの女の子と一緒にいて、席を譲られたことに 「譲られちゃったわよ〜」 と、少々恥ずかしそうにしながらお孫さんと話していた。 そして席を譲った部長年代男性との会話は和やかな空気で微笑ましかった。 部長男性の声が異常に大きいなとは思ったが素敵な場面を見れて、自然と微笑んでいた。 おばあさんが座ろうとすると、部長年

          思いやりという怖い槍

          蝉の鳴き声をミンミンと擬音化したの誰?

          アブラ蝉が足元にいた。 のろのろと動くアブラ蝉。たぶん6日くらい生きたのかな。電車が停車位置に止まるかのようにそろりそろりと動くアブラ蝉。 ただそんな6日目の蝉さんも、鳴き声は圧巻だった。 けたたましく響き渡る声は喫煙所にいる、全喫煙者の視線を釘付けにした。 どうやってあんなに高音域かつ大音量の鳴き声を出せるのか疑問に思うほどの小さな胴体で。 蝉は何のために鳴いているのか。 オスしか鳴かないらしく、メスへの求愛行動かつ仲間への存在アピールらしい。 6日目に至っても

          蝉の鳴き声をミンミンと擬音化したの誰?

          日ハム観戦廃人夏の陣を懺悔

          新庄監督になってからというもの、日本ハムファイターズの試合を追い続けている。 とは言っても、ライブ中継で観戦しているだけだが。 それでも昨年も今年も見れるときは大体観ている。 約3時間も夢中にパソコン画面に齧り付いている。 1日のうちに3時間も齧り付くことになるもんだから、俺の1日は人よりも短い。 こりゃまずいと思い観戦しながら、ストレッチしてみたり、食事したり、風呂にスマホを持ち込み髪を洗いながら、滴るシャンプー越しに画面を眺めたり。 どうにかこうにか、日ハム時間 通

          日ハム観戦廃人夏の陣を懺悔

          7月の物語・勇者の休日

          ギヨームブラックの特集上映をユーロスペースにて。 やっぱりギヨームブラックの作品大好きでした。スクリーンに広がる映像が鮮やかで、それも好き。フランスに行きたくなる。 物語はやっぱり特別なことでもないんだけれど、そこが良い。休日に遊びに行ったり、ノルウェーに帰る前日に友人とディナーしたり。それだけ。 だけどそれだけで物語になるし、つい見ていてしまう。 もちろんその物語の中には喧嘩したり、ナンパされたり、色々な事が起きるけど、割と自分達の日常にもありそうな事であるのに面白いんだよ

          7月の物語・勇者の休日