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QA「温故知新」の活用は、実際にはどうやるのか?

【今日のポイント】
「温故知新」の重要性はつとに言われており、このブログでも度々取り上げていますが、
ビジネスなどで、実際にはどうやって活用するのか
という疑問を持つ方も多いかと思います。
この「温故知新の活用」について、私なりのいくつかポイントを記載しますのでご参考になれば幸いに存じます。

Q>[温故知新」は重要とよく聞くが、実際にはどうやってやるのか?

A>「ニーズ」と「シーズ」双方について、「旧いものが形を変えて復活していないか」「今までは水面下にあったものが顕在化していないか」、また、「新しい変化が生まれていないか」という視点から社内外の状況を、過去から現在まで見渡しそこで得たヒントやアイデアを組み合わせることで、温故知新による複数の選択肢を得ることができます。

1.「ニーズの変化(復活と新規)」に目を向ける

「温故知新(故きを訪ねて新しきを知る)」という言葉は、プライベートでもビジネスでもよく聞く言葉の一つかと思います。

私のブログでも2017年の『「IoT・AIで人の集中力を向上」の取り組みに見る「温故知新」とは?』https://wp.me/p9D2bS-jn などから現在まで数十件のトピックスで、「温故知新」をキーワードとして取り上げて来ましたが、

実際に「温故知新」をビジネスなどで活用しようとした際に、「実際にはどうやるのか?」との疑問をお持ちになる場合も多いのではないでしょうか?

現在の事業の改善・改革や新規事業のアイデアを考える上で、温故知新を利用する際には、
まず、「ニーズ(顧客のニーズ、自社が取り組むべき社会課題など)」「シーズ(課題に対する自社の提供価値とその価値の提供法)」の双方について、「旧いものの(形を変えた)復活」と「今まで水面下に隠れていたもの、または新しく生まれたもの」はないかと情報収集を行うことが、温故知新の利用の取っ掛かりとして有効かと、自分の経験からも思っています。

例えばニーズの変化(あるいは顕在化)については、新型コロナによる非接触による感染防止とそれによるオンライン化やリモートワークの必要性の急速な増大などが典型的な例となりますが、これも以前からあった「育児や介護のための在宅勤務のニーズ」が、新型コロナという外部環境によりニーズを持つ関係者の幅を拡大したものとも言えるかと思います。

また、懐古趣味的な面からの「以前のニーズの復活」という点では、
『時間の感覚に影響を与える手段を「見えない強みの開発」につなげる』
で取り上げたノスタルジア・マーケティングや、ナウスタルジア・マーケティングなども、特にB2Cの分野では、食品、ファッション、エンターテイメントなど各分野で利用されている「温故知新」の例かと思います。

なお、食品(特にお菓子やファーストフードなど)の分野で、「以前人気のあった商品をネットオーダー利用者や登録会員向けに限定販売する」という手法は、よく目にするところですが、
これも旧いニーズを、ネットオーダーやSNSによるプロモーションなどの新しい手法を用いてユーザーに周知・提供する典型例ですね。


Brigitte WernerによるPixabayからの画像

2.「シーズ(提供価値と「提供方法)の変化」にも目を向ける

上記は「ニーズ」面に注目して「温故知新のための材料を集める」ものでしたが、

以前のブログトピックス 『QRコードやデータ記録用テープにみる、温故知新による新規ニーズへの対応商品のアイデア発想』https://wp.me/p9D2bS-1BH でお話したように、
従来あるシーズを新規ニーズから見直す温故知新により、新商品開発のヒントを得ることも有望な手段の一つですね。

例えば、以下の、株式会社角川アスキー総合研究所https://www.lab-kadokawa.com/)の、DELLMaret on ASCII.jp( https://ascii.jp/dell/ )に掲載されていた、2024/2/5の、『JR東日本メカトロニクスで導入 技術者の生産性向上をサポートする「Dell Latitude 7430 2-in-1」』https://ascii.jp/elem/000/004/182/4182966/ で紹介されていた、PCにもタブレットにもなるノートPCの導入事例のように、

「ノートPCとしてもタブレットとしても使えるデバイス」自体のアイデアや製品は以前からもあったかと思いますが、
ユーザー側のニーズ(現場でのタブレットとしての利用とオフィスでのノートPCとしての利用双方を1台で)の顕在化が、商品の普及を後押しするなど、
「タブレット兼用型ノートPC」というシーズが、ニーズの変化で新しい市場に入っていく様子が窺えるとも感じます。

また、「自社などの過去のシーズ」と最新技術などの「新しいシーズ」を組み合わせる例としては、以下のブログトピックス
『今までの努力を無駄にしたくない方へ>ピンクのパイナップルに考える「温故知新」の活用』
 も参考になるかと、ご一読をお勧めする次第です。


3.「旧いもの」×「新しいもの」をニーズとシーズの組み合わせに入れていく

上記のように、ニーズとシーズの組み合わせの際に、双方について、「旧いもので復活できるものはないか」という視点を入れながら、「旧いもの」×「新しいもの」の組み合わせニーズとシーズのいずれか、あるいは双方に入れていくことで、新規商品などの開発も含めて、事業アイデアの選択肢の幅を広げることができます。

ここで、この「温故知新」を有効活用する上では、1.のニーズ、2.のシーズの双方ともに、『時間の感覚に影響を与える手段を「見えない強みの開発」につなげる』https://note.com/nobu_g_smb/n/ncd02a5158e50 でもお伝えしたように、自分や自社の経験以外からも学ぶためのデータベースや、昨年度も注目を集めたChatGPTなどのAIによる検索技術の発展など、
温故知新を実施するためのツールも今後整備されて行きますので、
これらのデータベースやツールを、自分自身や他者の経験、海外も含めた過去の歴史を振り返り、自身の知見を深める意識を持って活用することが重要性を増していると考える次第です。

温故知新のビジネスでの活用

なお、「過去を振り返るポイント」については、以前のブログトピックス 『『歴史思考』を読んでー温故知新とパターン認識によるメタ認知の効用』https://wp.me/p9D2bS-2ak や、
「進化思考」~「温故知新」と「不易流行」による螺旋的発展と生き残り戦略』https://wp.me/p9D2bS-24yが参考になるかと思います。

また、情報収集の一般的な方法については、以前のブログトピックス 『私の情報収集方法(情報源)のご紹介』  もご参考になれば幸いに存じます。

あなたは、「温故知新」をどのような方法で利用されているでしょうか?

【今日のまとめ】

・Q>[温故知新」は実際にはどうやってやるか?
A>自社事業を「顧客や社会のニーズ」と「社内外の過去も含めたシーズ」双方に分解して、それぞれについてその変化(旧いものの形を変えた復活と、新しいものの出現)を情報収集し、組み合わせを考えることで選択肢が広がる

・ニーズ面の変化は、「新型コロナによる非接触化」がオンライン化やリモートワークの普及を促進させたが、これも以前からあった

・シーズ面の変化は、新しく出てきたニーズに対して、自社などの過去のシーズを、提供方法などについて新しいシーズと組み合わせることで活用できる可能性がある

・ニーズ、シーズ双方において、「旧いもの」×「新しいもの」の掛け算による組み合わせを考えることで事業の選択肢が広がる

・「温故知新」を活用するためには、過去から現在までの自社の取り組みと社内外の状況変化に関する情報収集も必要であり、AIやデータベースなども利用した情報収集ツールの整備も重要性を増している


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