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はじめて、会社のパンフレット制作担当者になった人が読む本 Vol.1 〜板挟み地獄に陥らないために〜

迫り来る板挟み地獄

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この記事は、企業の広報担当者が読んでためになる記事です。

特に、会社ではじめて自社の会社案内パンフレットやカタログ制作の担当者をまかされ、これからどうしてら良いか分からなくなっている方々には、確かな一助になることをお約束いたします。

本記事では、皆様が置かれている立場を想像し、よくあるお悩みや不安が解決でき、無駄なトラブルを回避するための、さまざまな対応術をご説明していきます。

弊社は創業より26年のデザイン会社です。

これまで当社は、大企業から中小企業、自治体などの公共施設で使うパンフレットやカタログをたくさん制作し納めてきました。

そんな中、多くの広報担当者様と触れ合い、企業の広報担当者が、どのような所でつまづき、悩み苦労するのかを目のあたりにし、その都度、アドバイスしてきました。

大企業ならまだしも、中小企業(特に小規模事業者)においては、専任の広報担当者が常駐することなどは稀で、このような場合は、企業の総務課や事務部門のスタッフが試行錯誤でパンフレットやカタログ制作を担当しています。

そんな中、必ずぶつかるのが『板挟み地獄』です。

ある日突然任命され、あれよあれよというまに、パンフレットやカタログ制作会社を自力で探し、見積もりを集め、制作業者選択しなければなりません。

上司からは、おおまかな予算を告げられるのみで、できるだけ安い業者を探し、なんとか注文まで漕ぎ着けても、制作が始まるとトラブルばかり。概ね、先輩社員や上司から制作会社探しの具体的なアドバイスをもらえないことが多いのが現実です。

さらには、社内の意見や上司の意見、はたまた社長の意見はバラバラで、何度も何度も修正を繰り返し、繰り返すたびに見積り金額が上積みされ、想定していた予算を大きく超えてしまうこともシバシバではないでしょうか?
しまいには、上司に『最初の見積もり以内で、こっちが望むものを作ってもらえ』と指示され、泣く泣く制作業者に伝えるもうまく行かず、結局、頓挫してしまうというトラブルも少なくありません。

これがまさに、『板挟み地獄』です。

みんな、好き勝手な事をいう…

はじめてのパンフレット、カタログ制作で右も左もわからないのに、四方八方からは好き放題要望を出され、ストレスは沸点寸前!

こんな苦境に立たされた担当者さんを沢山みてきました。

そこで、パンフレットやカタログ制作の現場で、四半世紀の実績を積み重ねた弊社だからこそ、有意義なアドバイスや情報発信ができるのではないかと筆をとってみました。

こんな板挟み地獄にはまらぬよう、事前に注意しておいたほうが良いポイントを、細かく説明していきますので、ぜひ保存版としてお読み下さい。

なんでも事前準備が重要です!

まずは任された権限を確認しよう

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初回の本記事では、初めて会社のパンフレット制作担当者に任命された時に、まず最初に確認したほうがよい大事なポイント1点について説明します。
まず、最も大事なのは任された権限の(範囲の)確認です。

上司に『会社のパンフレット作りは君に任せたから!』と言われた、その日から担当者というポジションにつくことになります。

しかし、ここで大事なのが、どこまで任されるのかの確認です。

概ね、制作費にまつわる予算は全権限を委任されることは無いでしょう。見積り金額の稟議が通ったあとで決裁するのは上司であり経営者です。よって、見積もり金額の権限については、本章では触れないこととします。
それ以外、制作にまつわる一切において、自分はどこまで任されるのかを上司に確認することが大事です。

例えば、デザインのこと、パンフレットの仕様のこと(紙質やページ数、製本、部数など)、納期のことなど、制作を進めていく中で制作業者さんに伝えなければならないことは沢山あります。その決定は、どこまで自分に任されたのかを、必ず上司に確認しまししょう。もちろん、ほとんど任されずに、逐一、上司に確認と了承を得なければならないというケースも想定されます。その場合は、その確認作業が煩雑にならないように、正確に上司に説明できるよう心して置くほうが良いでしょう。

以下に、制作の過程で、必ず業者さんとやり取りして決めていかなければならない項目のポイントを掲載しておきます。チェックシートとして活用してください。

  • デザインの方向性

  • 原稿の内容

  • 紙のサイズ、紙の厚み、ページ数、部数、加工

  • 希望する印刷品質

  • 納期

  • 修正回数

  • データ納品の有無

上記のポイントについての具体的なポイントは、今後、細かく説明していきますのでお待ち下さい。

上司に事前に確認しておこう!

最終決定は誰がするのか決めておこう

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それでは最後に、最終決定者についても触れなければなりません。

上記のポイントで、すべての項目で全権限を任されているのであれば問題はありませんが、すべての項目において、誰かの決裁をうけなければならない場合は、だれが最終決定者なのかを事前に確認しておきましょう。

「そんなの当たり前」と思われるかもしれませんが、これが意外に曖昧なケースも多々あります。最終的には部長さんの決裁で良いと思い進めていったのに、最後の最後で専務や社長の意見で、全体がひっくり返ったという事例も沢山あります。

ですから、最終的には誰が決定するのかを、ちゃんと定めて制作にはいるほうが安全と言えます。

また、最終決定者を決めたら、それは動かしてはいけません。土壇場で最終決定者が変わってしまったら、決めた意味がないからです。
会社のパンフレットやカタログを作る際、最初に検討されるのは、どんなデザインにするかとか、どんなカラーにするかとか、ビジュアル面のみに注目されがちです。

しかし、本当に大切なのは、役割を担う人と最終決定責任者の明確化なのです。

あまり説明されない大切なポイントですので、本テーマの最初にご説明いたしました。

ぜひ、皆様のパンフレットやカタログが、素晴らしい成果物として納品されるよう、これらのポイントにご注意いただき進行していただければと思います。

今後も、このように小さなポイントを一つひとつ深堀りし、はじめてパンフレット制作担当者に任命された人のお仕事がスムーズに進行するよう、有意義な情報を発信してまいります。

執筆者:株式会社ノーブランド 取締役 後藤ようこ
看護師として大学病院に勤務後、看護学校の教員として教壇に立つ。2000年よりWebサイト・印刷物プロデューサーとして数千件以上の制作に関わる。医療職を通して学んだ、心理学・教育学・人間関係論などをベースにした”見る人に伝える”提案型のコンサルテーションを行う。医療系の出版社からの依頼で、定期的に医療記事の執筆も行い、医療ディレクターとしても活躍中。

https://www.no-b.co.jp/

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