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書籍「楽しいの作り方」#08 オープン型イベントにおける体験ブースの目的と役割

ここまでマルシェのような不特定多数の人が出入りするオープン型イベントにおいて「楽そうに遊ぶ人たち」を作るためには、

〇〇体験ブースというコンテンツではなく遊び場という環境を作った方がいい。

と書いてきましたが、〇〇体験ブースが悪いと言ってるわけではありません。要は役割が違うんです。

先日、とても分かり易い事例があったので紹介します。

佐賀市で行われたストリートフェスタの会場で僕はいつもどおり遊び場を出して欲しいと頼まれてあそびラボパークをオープンしていました。

その遊び場の向かい側では、別の業者さんがお祭り屋台ブースを出していました。射的体験にだるま落とし体験にお菓子釣り体験。文字通り体験コンテンツです。その時の写真がこちら。

見事に行列が出来てるのが分かります。みんな気怠そうに立って待ち時間を過ごしているのが分かります。そしてモチロンようやく自分の番が来ても所要時間は30秒~1分で楽しい時間は終わってしまいます。

そんな中、目の前では自由に何十分も遊べるあそびラボパーク。笑顔を作り出す総時間、総量がどちらが多いかは明白です。

しかし、ここで大事なことは「この人たちはなぜここを訪れたか?」ということです。

あそびラボパーク内で長時間家族で遊んでいたお母さんに聞いたところ、今日は射的体験をしに来たそうです。そして射的を終えた後に遊び場を見つけてここでずっと遊んでたと。

そうなんです。つまりこのイベントの時のそれぞれの役割は、

お祭り屋台(体験コンテンツ) →集客
あそびラボパーク(遊び場環境)→当日の”楽しい”づくり(長時間滞在)

例えば、イベントの告知チラシに「遊び場ありまーす!」と書いてあってもなかなか想像がつきませんよね。これでは子育て世帯のママパパはそこまで反応しません。しかし「お祭り屋台で射的が出来る!巨大だるま落としが出来る!」とか書いていたら子どもを連れて行こうかな?となるわけです。

もちろん内容にもよりますが、多くの場合体験コンテンツには集客という役割があるんです。この役割においては圧倒的に遊び場環境より体験コンテンツの方が強いです。

ここがとっても大事な「楽しいを作る」ポイントです。要はイベントにおいてそれが何のためにやっていて(目的)、何を果たすものなのか(役割)ここをしっかり考えておくことが大事です。

普段はあまりできない貴重な体験コンテンツのお陰で、当日までのワクワクという「楽しい」が生まれます。そしてそれが集客の機能を果たします。そして、遊び場のお陰でイベント内の笑顔の総量が増えて、滞在時間が増え出店者も主催者もWINWINになります。

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