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『天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ〈上〉』小川一水(著)

西暦2803年、植民星メニー・メニー・シープは入植300周年を迎えようとしていた。しかし臨時総督のユレイン三世は、地中深くに眠る植民船シェパード号の発電炉不調を理由に、植民地全域に配電制限などの弾圧を加えつつあった。そんな状況下、セナーセー市の医師カドムは、《海の一統》のアクリラから緊急の要請を受ける。街に謎の疫病が蔓延しているというのだが……小川一水が満を持して放つ全10巻の新シリーズ開幕篇。

SFとアナクロなエピソードが絡み合う群像劇。
一冊丸々プロローグ! 大量の濃いキャラと謎を紙吹雪のように撒きちらす! まさにパレードの先頭、という気分。

世界とキャラクターの説明だけでなく、ストーリーも転がりだした所で終わる。なんで上下巻に分けるのか!

全10部と長いが、全部メニー・メニー・シープの話なんだろうか? もっと大きな話になるんだろうか? まったく予想が出来なくてドキドキする!

世界観

せっかく宇宙に植民できたのに、宇宙船のアクシデントで機器が使用できず、電気も墜落した宇宙船からしか供給できず、文明レベルが21世紀並に下がってしまう。さらに、領主により窒素や電力など資源が管理されるジリ貧の封建社会300年目。
領主の各種制限は日増しに酷くなり、ついに住民の限界を超える。

キャラクター

敵も味方もその他も皆キャラが濃い。というか種族が多い。
普通の人間、DNAをいじったエルフっぽい人間(海の一領)、琥珀色で鱗があり血にウイルスを飼う謎の人型生物(咀嚼者)、体高1mの白い虫で原生知性体(石工)、性的に搾取されるアンドロイド(恋人たち)、今やロストテクノロジーのロボット、さらに全く謎のダダー。これらがそれぞれのエピソードで濃密に絡み合い圧倒される。

基本的には、電力や資源を制限し、何かをしようとしている領主 VS それを阻止したい住民の構図だが、その他にも、外洋調査で明らかになる大陸規模の堀など、謎が謎を呼ぶ展開。

さらに、ヒロインポジションに居るのが、咀嚼者のイサリと、石工のリリーという謎の布陣で混乱する(笑)
議員とアンドロイドと軍事警察総監の三角関係も気になる所。

伏線?

微妙に機械化された羊は、なにかの伏線だろうか? 電気羊のオマージュだろうか?


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