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ママのびょうきのこと。

先日、小学校の授業に参加してきました。
息子の通う小学校では、生徒1人ずつが1時間の授業時間を使って、自分についての作文を書いて発表をする授業があります。

産まれた時のこと。
好きな食べ物のこと。
お手伝いのこと。
飼っているペットのこと。
自転車に乗れるようになったこと。
などなど・・・

子供達それぞれがテーマを決めて作文を書き、事前に何度も先生と打ち合わせをして本番の授業構成を考えていくそうです。
この授業は1年ほど前からスタートしていて、先日やっと息子の番がまわってきました。
なんと息子が選んだテーマは、「ママのびょうき」。

そうきましたか。
息子のことだから、選ぶテーマは頑張っているスイミングのこととか大好きなドッジボールのことかなぁと思っていました。
テーマが「ママのびょうき」と先生から聞いたときには正直驚きました。
もれなく私も参加することになりました。

やはり母親が病気で入院したことは、息子にとっても忘れられない衝撃的なできごとだったようです。

今回のnoteでは、授業のために息子が書いた作文を紹介したいと思います。
私も知らなかったことがたくさんありました。
先生に作文を見せてもらった時には、初めて知る息子の行動や想いに涙が止まりませんでした。
小学生の息子が書いたまま転写するので、平仮名が多くて読みづらいかもしれませんが、あえてそのまま掲載することにします。
素直な子どもの想いを、少しでも多くの方に是非読んでほしいです。

ぼくが1年生のふゆに、お母さんは1か月にゅういんしていました。
お母さんから聞いたことがあったので、にゅういんする前からびょうきだとは知っていました。
がくどうにおむかえにきたおばあちゃんに、
「ママだいじょうぶ?」
と聞くと、
「ママ、にゅういんしちゃった。」
と言いました。
ぼくは、ポロポロとなみだがでてきました。
いえにつくまで、なにも話しませんでした。
いえにつくと、お父さんがいました。
お父さんとおばあちゃんとおとうとといもうとといっしょにびょういんに行きました。
車の中で、
「ママだいじょうぶかな?」
とぼくがきくと、お父さんは、
「だいじょうぶだよ。」
と言いました。
びょういんについて、お母さんがいるへやに行くと、お母さんはベッドの上でよこになっていました。
「にゅういんがんばってね。はやくなおってね。」
とぼくが言うと、お母さんはニコッとして
「がんばるよ。」
と言いました。
お母さんがにゅういんしているあいだ、ぼくはお母さんのまくらでねていました。
うつぶせになってねていました。
ほかのまくらだとなかなかねつけないけど、お母さんのまくらだとすぐにねてしまいました。
12月のおわりに、お父さんががくどうにむかえにきました。
そのとき、お母さんもいっしょにいました。
「あっ!ママだ!」
とぼくはうれしくてさけびました。
いえにかえってから、ぎゅーってしてくれました。
いえにかえってきたお母さんは、ねたきりでした。
ごはんもあまりたべませんでした。
トイレに行くときも、おそくあるいていました。
ぼくは学校からいえにかえってくると、てあらいとうがい、かたづけ、つぎの日のじゅんびをしてからお母さんのいるへやにいきました。
ほんとうはかえったらすぐにお母さんのいるへやに行きたかったけど、がまんしていました。

7才の子どもが考えた文書なので決して上手な作文とは言えないと思いますが、私にとっては宝物です。
今、長男の作文を見ながらこれを書いていても涙が止まりません。
我慢や辛い思いを、たくさんさせてしまっていたんだなと改めて感じました。

でも、この母親が病気になって入院したという経験は、私にとっても長男にとってもマイナス面だけではなくプラスになったことがたくさんあります。
少しずつ元気になり日常生活を取り戻しつつある今、長男のおかげで忘れかけていたことを改めて振り返ることができました。

私は今、自宅で家族と過ごすことができて幸せです。
育児ができて、幸せです。
家事ができて、幸せです。
自分のことが自分でできて、幸せです。
仕事ができて、幸せです。
普通の日常こそ、幸せです。

そのことを思い出させてくれた長男に感謝して、
家族みんなが元気であることに感謝して、
これからも前を向いて1日1日を大切に過ごしていきたいと思います。

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