決断を重ねて進む日々に

お店をオープンして7年
お店を閉店して5年です。
続けられたのは2年。
たった2年。
わたしには貴重な2年だったし
一生忘れない2年です。

...始める大変さは希望
...続ける難しさ
...辞めるという勇気
...やらなければ良かった?
...決断を重ねて進む日々に

始める大変さは希望


何かを始めることは大変。
なんせ、やったことないことは
1から知識や行動を身につけて取り組まなければなりません。
しかし、そこには希望もあります。
これから始まる新しい取り組み、仕事、生活に胸を踊らせる時でもあります。

わたしも、2012年
カフェをオープンさせました。
小さな小さなお店です。
いろんな『大変』がありましたが
希望が大きく『大変』さえも楽しんでいました。

始める前の大変さなんて
後に続く問題からしてみれば
正直『大変』には至らない。

わたしがお店を始めるときの『大変』は
『家庭との両立』『お金』でした。
小さな子ども(当時3歳と4ヶ月)をかかえ
頑張って貯めた貯金をはたいて
売れる保証もないお店をオープンする。
マイナススタートです。

でも、不思議なもので
性格のせいかもしれませんが
『楽しみだー!』しかありませんでした。
なんとかなる。楽しもう。
前向きとかいうより、
何も考えてないと言った方がいいような。
まだまだ若造でしたしね笑っ

夢を叶えられる嬉しさ
新しい生活への期待
すべてが希望でいっぱい
入学式の小学一年生のような。

あの、瞬間は多くの人に経験してもらいたいし
ずっと覚えおきたい、覚えておいてほしい感覚。
わたしが今日まで前向きにいられたのも
この、希望的な始まりがあったから
どんな現実でも
『いつでもまたスタートできる』と
思えたからかもしれません。

続ける難しさ

お店はモーニングからランチ、ティータイムまでの営業で定休日は週1。あとは、子どもの行事での臨時休業。
休みの日はイベント出店、子どもの行事、仕入れの買い出しやメニュー作りに仕込み。
何度か『理想のお店、働き方ではない』と思いつつ
お客様の要望に答えなければ。と毎日必死でした。

今なら、あのときより知識も経験も
増えたので、もう少しいろんな対処方法が
浮かんだと思うんだけど
当時のわたしは無我夢中でした。
きっと大丈夫大丈夫。と言い聞かせ
でも、たまらなく不安も抱えながら
手探りで毎日お店を続けることに執着して
そして、その難しさを感じていました。

わたしが『続ける』を絶やすことなく考えて行動した時間は
人にとっては短いと思うかもしれません。
そんだけしか続けられなかったのかと思う人もいると思います。
けど、わたしはわたしなりに
その時間をとても大切に思っているし、
すごく頑張ったんだ!と思っています。
じゃないと、自分の作り上げたお店や
自分が費やし、育んできた時間を否定しているような。
わたしは自分たちの、この短いけど
すごく濃い時間を尊く思っています。

辞めるという『勇気』

わたしがお店を辞めようと思ったのは
2年がすぎたころ。
ついに身体が悲鳴をあげました。
それは、経営が厳しかったのも家庭の両立も
いろんな要因がありましたが
最後は『自分が楽しんでいられてる?』でした。
楽しんでない。誰のためにやってるんだっけ?
と、思ったとき『辞めよう』と思ったけど
辞めるのは本当に恐怖でした。
ローンまだあるよ。せっかくオープンしたのに。
まだ2年だよ。お客様になんて言われる?
親は?親戚は?友達は?
そんなことを考えていたら、身体は正直で
あちこち悪くなってきました。

でも、それでも
『辞める』が怖かった。

あーどうしよう。
でもやっぱり『自分の楽しめる毎日』ではないと
決断に至りました。
それでも怖くて、大家さんに報告に行き
心ない言葉を浴びせられた時には
悔しくて辛くて情けなくて
主人の手をぎゅっと握って唇を歯でぐっと噛み
痛さも感じず血の味がしました。

久しぶりに↑これ思い出しても
泣けるねww よく頑張った。

そして、オープンから7年。
閉店から5年経ちローンも終わりました。
おめでとう!わたしたち!

『やらなければ良かった?』

自分の建物ではないもののために
必死に働いた5年。
夫婦で共働きをし、わたしも社員になり
お店の前を毎日通る出勤。
主人が農業を始め
あーもう、返済無理かも。
とか思ったりした瞬間もあったし
建物が壊されたときは
毎日壊されていく建物を横目に感情を無にして
仕事に通いました。
悔しくて涙が溢れた日もありました。

夫婦の間で
『お店やらなければ良かった』なんて会話は
一度もしたことはありません。
大変だったね、楽しかったね、つらかったね
いろんな感情や
あぁすれば良かったかな?
というような気持ちもあったけど
『やらなければ良かった』は
私たちの2年間すべてを否定しているように
聞こえるから絶対思わない。
たくさん勉強できたし、お客様にも来てもらった。
子どもたちはそれぞれ大きくなって
保育園も頑張って通った。(今では2人とも小学生)
普通ではなかなか出来ない経験がたくさんできた。
だから、自分の選択を
『やらなければ良かった』で
片付けるのはあまりにも簡単すぎてしまいます。

閉店から5年たち
いろんなことに対して
『やらなければ良かった』
と思うことがそういえば
なくなったなぁと思いました。

決断を重ねて進む日々に

そのときそのときの感情や行動があり
必ずしもそれが正しいわけではないし
間違いがあったかもしれないし
もっと先にならないと正解かわからないこともある。
そもそも正解とかないかもしれないし
本当に毎日いろんなことが起こるなかで
日々いろんな決断を私たちは重ねています。

主人が独立を決めた日も
仕事を辞めたいって言った日も
オープンした日も辞めた日も
新しい仕事を決めた時も
社員になった日も、主人が農業を始めた日も
わたしが会社を辞めた日も
全部自分の決断で進んできました。
誰もがそうです。誰もがみんな
毎日小さなことから大きなことまで
決断の連続で日々繰り返されています。

その、決断の日々に
『これを選ぶんじゃなかった』と思う瞬間も
もちろんあると思います。
でも、後戻りできない今に進んでいる以上
手に持ったそれを大切にするか
思う存分楽しむか、すぐ捨てるのか
また次の決断なわけです。

いつまでも『やらなければ良かった』に
とらわれていたら
こんなふうに充実した5年間は
過ごせなかったでしょう。

会社員になったとき、残業が続いたとき
クレームを受けたとき、上司に罵られたとき
『あーこの仕事選ばなければ良かった』
なんて、一ミリも思ったことはありません。
だからか、本当に仕事が楽しんでできたし
メキメキと成長することができたのも
『やらなければ良かった』に
とらわれていなかったからだと思います。

だって、わたしが選んだんだから。
自分の選択を否定しなくてもいい。
自分で悩んで選んだこと
自分が認めてやらないとだよ。
そこから、また選択していけばいんだから。

こんなに予想外なww
人生がありながら
ぶっとんでるなーと自分で笑えるのは
全部自分の人生にプラスになるってわかるから。
今、起こることすべてプラスに変えれるのは
今までの自分の歩みがあるからです。

それはみんなにも同じように歩みがあるぶん
そういって決断して進んでいけるってこと。

微力ながらそんなことを伝えていけたらと思います。