3分小説『GABULI』(ガブリ) by No.965

noteでは、1話3分で読めるSNS連載小説『白鴉』をつくっています。 漫画⇄小説⇄MVで相互遺伝する物語プロジェクト『GABULI』(ガブリ) / SNS漫画とボカロPコラボMVで連載開始 / 過去のコンテンツはこちら→ http://gabuliiiiiii.com

3分小説『GABULI』(ガブリ) by No.965

noteでは、1話3分で読めるSNS連載小説『白鴉』をつくっています。 漫画⇄小説⇄MVで相互遺伝する物語プロジェクト『GABULI』(ガブリ) / SNS漫画とボカロPコラボMVで連載開始 / 過去のコンテンツはこちら→ http://gabuliiiiiii.com

最近の記事

3分小説「白鴉」#8 砦のボス

小説「白鴉」は、リウとタフが登場する少年漫画「GABULI」とは異なる、もう一つの物語 #8 「砦のボス」 ゼヴの意識はまだ戻らない。 [î狼ëWõÿ族]が潜む岩窟の砦で 昏々と眠る少年を見守っているミリアム。 一昨日、彼女が移民街の安宿で目覚めたときは ゼヴが見守っていてくれた── 「……やあ、気分はどう? ここなら誰にも見つからないから安心しなよ」 「キミのそばを離れるなって 張燕に言われたけど、ひとりになりたいなら ボク外へ出てようか」 あのときのゼヴの優しさ

    • 3分小説「白鴉」#7 怪物

      小説「白鴉」は、リウとタフが登場する少年漫画「GABULI」とは異なる、もう一つの物語 #7 「怪物」 *   *   * 瀕死のゼヴを救うには緊急輸血しかない。 張燕が血液提供を申し出て 医師の資格を持つ張獅に助けてほしいと頼む。 「ダメだ。お前の血じゃ危ない」 「なんでだよ!」 「同じ血液型だと断定できないだろ。 適合性がなきゃ反対に命を落としかねないぞ」 「じゃあどうすれば……」 大げさなため息をつく張獅。 「仕方ない、俺の血を分けてやる。 O型なら抗原抗

      • 3分小説「白鴉」#6 黒と白

        小説「白鴉」は、リウとタフが登場する少年漫画「GABULI」とは異なる、もう一つの物語 #6 「黒と白」 ハァ、ハァ、ハァ…… 黒と白が奏でる無垢な魂の哀歌。 暗い森の中を息を切らして走る、走る、走る。 裸足で逃げる雪の冷たさと繋いだ手の温かさ。 とにかく転ばないように。 追いかけてくる連中に捕まらないように。 塞がれた世界の外へ、この身を解き放って── *   *   * 「しまった! ミリアムが危ない!!」 炎上する納屋の前で叫ぶ張燕。 張玲と張獅もはっとし

        • 3分小説「白鴉」#5 白と黒

          小説「白鴉」は、リウとタフが登場する少年漫画「GABULI」とは異なる、もう一つの物語 #5 「白と黒」 白と黒が織りなす遊戯。 盤上の駒たちが覇権を争いせめぎ合う。 「ところで、[å鴉Çrëõa族]の娘はどうした?」 「ヨゼフが管理してたけど逃げられたらしい」 「まったく役立たずめ」 ポーンを進めて中央を支配し ナイトとビショップを展開させていく。 「[õ獅子L£©Ë族]の与太者が娘を連れ去った」 「[î狼ëWõÿ族]の坊やも仲間みたいよ」 「あの連中は昔からわしら

          3分小説「白鴉」#4 死んだ者は幸せだ

          小説「白鴉」は、リウとタフが登場する少年漫画「GABULI」とは異なる、もう一つの物語 #4 「幸せな死者」 *   *   * ゆうべ眠らなかった。 眠れば白いカラスの夢を見る気がして 夜が明けるまで天井の黒い染みを眺めていた。 ミリアムは今 薄汚れたオンボロ小型車に乗っている。 張燕の運転は乱暴すぎるとゼヴが文句を言い 案の定、郊外のハイウェイでパンクした。 タイヤ交換が必要だ。 「やっぱりミリアムは オレたちが探し求めてる“白鴉”なのか?」 昨夜、張燕の問

          3分小説「白鴉」#3 あんたは殺されるよ

          小説「白鴉」は、リウとタフが登場する少年漫画「GABULI」とは異なる、もう一つの物語 #3 「移民街」 19年前、国家遺伝子研究所── 長い廊下を小走りに急ぐ白衣姿のセルマ。 彼女が向かっているのはヨゼフ博士の研究室で それは突然の呼び出しだった。 ドアの前に立ち 大きく深呼吸してからノックする。 「入りたまえ」 「はい、失礼します……」 おずおずと部屋に入るセルマを迎える博士。 「緊張しなくていい。 実は君に見せたいものがあってね」 博士に案内されて奥へ。 そ

          3分小説「白鴉」#2 ミカタハダレ?

          小説「白鴉」は、リウとタフが登場する少年漫画「GABULI」とは異なる、もう一つの物語 #2 「あなたの味方」 *   *   * 倉庫街から飛び乗った路線バスの中で ミリアムは小刻みに震えていた。 続けざまに起きた信じられない出来事を どう理解すればいいのか。 サングラスの怪しい男 不吉な夢と同じ白いカラスの壁画 黄色いレインコートを着た幼い女の子── 「みんな私が殺したんだよ」 白と黒に染まっていたミリアムの瞳は 灰色に戻ったが異常なほど熱を帯びている。 彼

          3分小説「白鴉」#1 灰瞳の少女と血みどろの夢

          小説「白鴉」は、リウとタフが登場する少年漫画「GABULI」とは異なる、もう一つの物語 #1 「灰色の瞳」 空から舞い降りる1羽の白いカラス。 眼前に広がるのは 夥しい血で赤く染まった大地と 折り重なって絶命している無数の人々。 その死者で埋め尽くされた荒野に 黄色いレインコートを着た幼い女の子が フードで顔を覆われて立っている。 《白いカラスの色の異なる両眼が 女の子をめぐる2つの事象を同時に捉える》 白い右眼に映るのは フードを被ったままの女の子。 何も見えな

          101号室

          薄暗い部屋に2人の男がいる。 彼らに与えられているのは 【尋問者】と【証言者】という役割だけ。 名前も年齢も足のサイズもこの物語において全く重要ではない。 むしろ大事なのは これから行われる尋問の主題── 《リウ》と《タフ》 2人の謎めいた少年について。 *   *   * 「……助けてくれ……」 手錠で拘束された証言者がおずおず口を開く。 「いったい俺をどうするつもりだ?」 「お前がどうなるかは問題じゃない」 身じろぎもせず冷淡に言う尋問者。 「それに質問するのは