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『続・賢者とミカド』第三回「ネズミ大臣の策謀」
その大臣は、再び、大広間の中をぐるぐる足早に歩き回るのでした。ネズミを連想させる動きでした。それで、ここでは、その大臣を「ネズミ大臣」と仮称して話していきます。
それまで薄暗かった広間に外からの光が差し込み始めると、ネズミ大臣の姿がより明らかに浮かび上がっていくのです。
その頭には赤い四角い烏帽子のような冠が載っかっており、よく顔を見ると、目は小さく丸く、目の玉の奥は朱色で、肌は白っぽく見えるの
『続・賢者とミカド』第一回「ミカドの幻影 」
【序】
前回の物語を今一度振り返っていきますので、前回を読んでいなくても、流れをつかんで頂きながら、読むこともできます。
どうぞこのままお読みください。
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大陸の西の国の大王ミカドは、世界を統一する目的で、各地に進軍し、戦(いくさ)を繰り返していました。
ちなみに、「ミカド」とは、大陸の西の地に古(いにしえ)より伝わる神様の名前です。愛しき者のために闘い、平和をもたらす闘神の名前なの