コーノヒロ(河野博文)

介護の仕事をしながら、文筆活動をしております。文章が中心で、ときに絵も描きます。 コラ…

コーノヒロ(河野博文)

介護の仕事をしながら、文筆活動をしております。文章が中心で、ときに絵も描きます。 コラム・随筆、詩歌、小説など。 歴史、美術、文学、仏教などのコラムも書きます。 心の病、戦争、暴力の問題が主な分野です。

マガジン

  • 連載小説『遊行者たちの行方』

  • 物語『賢者とミカド』の続編です。

    異世界か歴史か現世が混じり合うお話の続編。 大陸に新たな「ミカド」と「賢者」が現る?

  • 物語『賢者とミカド』シリーズ・エピソード0

    遠くて近いような、古い時代のようで現代に起きているような、耳で聴いても楽しめる物語。 大陸を平和するために闘いを繰り返す大王「ミカド」と、大陸の北の地に住む賢者「大雪」との対話を描かいています。

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小説 『雪の春』

雪が積り、しんしんと冷え込む夜から朝にかけての時間がとても不思議な気持ちになり、好きでした。 あらゆる時間が止まったかのような、 自動車や人のざわめきの音が消え、全ての人の行いという、あらゆる活動が静止してしまったかのような、あの時間がとても好きでした。 あの日の夜も大雪が降って、周囲の世界を一変させました。 その夜、私は自宅の部屋で寝転がっていたのですが、降雪が強くなり始めたとラジオの天気ニュースで聴いて、二階の自室の窓を開けました。 外の情景を眺め

    • 花散らし・俳句【2024年】

      ・花散らし 地に這う桜 活き活きと ・花散らし 風が巻き上げ 道に舞う ・花散らし 道を彩る 桜かな 【了】

      • 花冷えの桜・俳句と和歌【2024年】

        ・花冷えに 雨に打たれて 凛とする ・花冷えに 天から落つる 桜雨  打たれて延びる 花の生涯 【了】

        • 桜🌸開花【2024年春】

          ・待たせたね 囁くように 花開く ・花開き 停滞中の 春進む 東京都内でも、続々とソメイヨシノ🌸が開花しています😊 たった1日でも、五分咲きくらいまで開花が進んでいるようにも見えました😳 【了】

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        • 連載小説『遊行者たちの行方』
          3本
        • 物語『賢者とミカド』の続編です。
          4本
        • 物語『賢者とミカド』シリーズ・エピソード0
          1本

        記事

          東京の河津桜を眺める【俳句】【2024年3月上旬】

          二年前、梅の花が咲く頃に始まった大戦(オオイクサ)は未だ終わらず。 さらに、新たな大戦が始まってしまい、戦火は拡大するばかり。 河津桜の見頃さえも終わろうとしている。 先月末より、東京の河津桜は葉桜に。 ・雨に濡れ 河津桜は 盛り過ぎ ・梅を追い 河津桜も 散りて落つ

          東京の河津桜を眺める【俳句】【2024年3月上旬】

          戦火は続く【和歌&俳句】2024

          【本文は、全文を無料公開にしています。】 さらに、もう一年過ぎてしまいました。 今年の梅の花は、雨に濡れることが多く、散るのも早かった印象です。 ・ もう一つ 年を巡りて 咲く梅が  雨に濡れるは 涙の粒か ・ 雨に濡れ  梅花(バイカ)とともに  命散る ・ 和を望む 人の願いを 軽んじて  戦火は続く 梅が散りても  ・ 梅の花 雨に打たれて 散り積もる 大地染めるは 血にも見えたり ・ 梅の花 雨に打たれて 散りゆきて 朱色の梅は 血にも見えたり

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          戦火は続く【和歌&俳句】2024

          雨水の日の句(2024年)

          一昨日は雨水(うすい)の日でした。 雨とともに風も強く吹き、散りゆく梅の花を眺めていました。 梅の花にとっては、盛りの時は終わりだと告げられているような雨水の日でした。 まだまだ見ておきたかったという、名残惜しい気持ちが湧いてきました。 ・雨水の日   露に濡れたる   梅の花 ・雨水の夜(ヨ)   風に吹かれて  梅花(バイカ)散る

          雨水の日の句(2024年)

          新年を祝う句【月の暦版】(2024年)

          月の暦でも新年を迎えました。 今年は特に、これを仕切り直しとしていきたいところです。 今年もよろしくお願いいたします。 (陰暦での)新年を迎えて、三日目の夜の月がとても綺麗に浮かび上がっていました。 日暮れとともに、月も西の地へと潜っていく直前でした。 ・陽(ひ)の陰に 月が寄り添う 旧正月 

          新年を祝う句【月の暦版】(2024年)

          立春に梅の花 2024 

          先日、立春を迎えましたが、その翌日には、東京では大雪が降りました。都心部でも10センチほど積もったところもあったでしょうか。 ただ、春の兆しは感じられる週となりました。 立春の日には、介護の付き添いの仕事で、都内の芝公園を散策しましたが、寒い中でも、園内の梅林では梅花が咲いておりました。 三分咲きほどでしたが見応えがありました。 近くでは梅の匂いも嗅ぐこともでき、それに誘われてか、2羽のメジロらしき鳥が寄って来て、木に止まっておりました。つがいでしょうか。 ・立春の

          立春に梅の花 2024 

          『物語では非暴力の世界を作れない?』【映画『君たちはどう生きるか』の感想として】

          陰鬱になってしまうニュースや言葉たちが飛び交う中、希望が持てる知らせも飛んできました。 宮崎駿監督のアニメ映画『君たちはどう生きるか』がゴールデン・グローブ賞を獲得しました。 感想を少し書きたいと思います。 一言で言い表すと、全体的に安心して見られる奇麗な詩のようだと感じました。 起承転結のあって、盛り上がるような展開は極力避けた作品とも感じました。 戦争の時代を絵描きつつ、戦闘の場面はほとんど描かない特徴がありました。 学友とのケンカや、アオサギや鳥たちとの決闘も、

          『物語では非暴力の世界を作れない?』【映画『君たちはどう生きるか』の感想として】

          謹賀新年 2024年

          お世話になっている方、これからお世話になる方も、本年も、どうぞよろしくお願いします。 先日の大晦日より本日の朝まで、介護の在宅夜勤の連勤でした。 本日は夜勤明けで一休みできそうです。 何とか無事に乗り切れました。 新年早々、能登での大地震とそれに付随する災害が続いて、不安が続いています。 今回のような直下型地震は、自分にとっては、阪神大震災の記憶が蘇ってきます。避難する必要はなかったものの、急な強い揺れに恐怖を覚えた記憶がありました。 被災された方々の命が、一人でも多

          師走・年の瀬の俳句&和歌【2023年】

          よいお年をお迎えください。 来年は今年よりも幸多き年にできますように🙏 ・年の瀬に 心あたたか お布施かな ・法師様 幸を振りまく 師走かな ・師走の夜(よ) 空に満ちたり 月眺む 歌う姫巫女(ヒメミコ) 想い寄せつつ

          師走・年の瀬の俳句&和歌【2023年】

          師走入りの俳句【2023年】

          イチョウの落ち葉を見ると、冬の訪れを強く感じますね。 ・師走入り 大地彩る イチョウの葉 今年の日本列島は、師走入りしても、東京や大阪でも20℃前後を記録する日もありました。 冬への備えを忘れてかける日々もありました。 とはいえ、とうとう冬本番の気配です。 急な本格的な師走到来で、身体がついていくのかが、心配事でもありますが、先月より、暖房器具、防寒具、カイロなどを用意はしておりましたので、最低限の冬備えはできたものと思いたいです。 ・ 師走入り 急がば回れの 冬

          師走入りの俳句【2023年】

          天空の島〈今治・大三島〉訪問(和歌&随筆)【2023年小春日和】

          ・大三島 小春日和に 橋渡る 鳥も休みし 天の島かな  立冬の翌日、四国・松山への帰省のため、「しまなみ海道」を渡りました。途中、今治市の大三島に立ち寄りました。 小春日和に恵まれ、旅日和でした。 海道沿いに点在する島々は、まるで天空の上に浮いているかと思わせてくれる魅力があります。 さらに、その大三島には、神代・古代から続くと伝わる「大山祇神社」があるのです。

          天空の島〈今治・大三島〉訪問(和歌&随筆)【2023年小春日和】

          立冬の日の旅立ち(俳句&随筆)【2023年】

          立冬の日に  東京から東海道を西へと向かう帰省の旅に出ました。瀬戸内海に向かう旅でした。 途中、富士の山を仰ぐことができました。 ただ、山の頂きの雪は消えていました。 溶けてしまうほど暖かったようです。 ・立冬に 雪はどごぞへ 富士の山 しかしながら、富士の山の存在感は強く、目に焼きつけられるのでした。 ・立冬に 雪はなくとも 富士の山

          立冬の日の旅立ち(俳句&随筆)【2023年】

          深みゆく秋・井伊谷にて(俳句&随筆)【2023年】

          先日、10月中旬、浜松の井伊谷(イイノヤ)を再訪問しました。 ・秋深み 金より重い 稲穂かな 今回は、「井伊谷城跡」のある山を登ってみました。 山頂までの道は、昆虫や小動物の楽園のようでした。至る所に蜘蛛神さまに見張られていました。 人間は、お邪魔させてもらっている気持ちで静かに歩いていかねばなりませんでした。 周囲の草むらからは、昼間でも秋虫たちの声が大きく聴こえてきました。 標高百十数メートルの、小高い山の頂上に到達すると、そこからは、周辺の山々や川、そして稲田や

          深みゆく秋・井伊谷にて(俳句&随筆)【2023年】