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古めの作品箱

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#自由詩

一番目の女神

  「懐古」
夕暮れの小さな部屋
細い綺麗な指で銀のキイを押える
彼女は私の一番目の女神で
薄紫のひかりを奏でた笛吹き
古い木の机の上に
並べられた葦のかけらと水
メトロノームの硬さすら
彼女が和らげる
橙の時がみちる緩やかな
疲れの中で
追いつこうと重ねた私の音符


私はオーボエを吹いていたことがある。
独特の音色と複雑な構造とダブルリードの繊細さが本当に好きだった。ずいぶんと触れていないけ

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夕涼み

夕涼み

どの季節でも夕方というのは一等良い。
今は夏。
うだるような暑さを孕んだ風も落ち着いてくる。
クーラーを一度止めて、扇風機の首をぐるぐる回して、網戸にする。
パソコンを開いて、適当にピアノ曲を選んで流す。
アンダンテが良い。
詩集を机に置く。これも適当に選ぶ。
なにせ本棚には好きな詩人のものしかないから、どれを選んでも失敗することはない。
電気はまだつけてはいけない。窓からの明かりで十分。
いつも

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