市紗

海外院生しながら自創作の水底に生息。幻想怪奇・ファンタジーな物語や、日本語と英語で詩を…

市紗

海外院生しながら自創作の水底に生息。幻想怪奇・ファンタジーな物語や、日本語と英語で詩を書きます。詩と小説とイラストで遊んでいます。noteでは創作記録、海外院のことを投稿します。

マガジン

  • 正規留学の記録

    ドイツ大学院留学の手続き・出願などの記録まとめ。繊細さん()目線から、したためます。

  • 古めの作品箱

    タイトルそのまんま。そのほかの長編や詩はHP[https://n-ichisa.wixsite.com/library]からどうぞ。

最近の記事

【ドイツ正規留学】滞在許可までの流れ+あると便利なもの

合格通知もらってから滞在許可をもらうまでのざっくりとした流れを書いていきます。(*全文無料です) 長期滞在において、日本から持ってきたら便利かも、というものも独断と偏見で載せておきます。 思ったより長くなりましたので、目次を使って気になる項目に飛んでください。 何か質問があれば、お気軽にコメントください。 \れちご/ 参考までに、軽く私の情報を書いておきます。 2022年1月にドイツの某大学修士課程の合格通知をもらい、2022年4月から正規留学生として滞在しています。(色々

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    • プロフィール

      簡易プロフ的な、サイトマップ的なやつ(更新版)です。よしなに。 プロフィールなまえ:七々瀬 市紗(ななせ いちさ) やってること:絵と文で遊んで、合間で言語をしている。 所属:海外大学院 好きなもの:文具、音楽、本、いい匂いのもの 属性:バンギャ、オタク 個人サークル名:夜光山房(やこうさんぼう) SNS(居たり、居なかったり)IDは同じです。手帳垢は違います。 ツイッターX(2024年10月頃まで低空飛行) 創作メイン:nns_ichisa (週一くらいで覗いている

      • 果物屋の先生

         時計は二時半を指している。きれいに晴れた空と白い石で舗装された道との間を歩いていく。  通りには僕以外には人も猫もいない。さらさら、と緩やかな風に吹かれた葉っぱが、まだらの影を揺らしている。  ずっと歩いていくと、赤いポストのある曲がり角があって、その手前に果物屋がある。お日様の光を浴びているような人が、ベンチに座って機嫌よさげに雑草をくるくると弄んでいた。確かではないが見覚えのありそうな姿に、この人が店主だと思った。 「せんせー、こんにちは」  僕が呼びかけると、顔を向け

        • 一番目の女神

            「懐古」 夕暮れの小さな部屋 細い綺麗な指で銀のキイを押える 彼女は私の一番目の女神で 薄紫のひかりを奏でた笛吹き 古い木の机の上に 並べられた葦のかけらと水 メトロノームの硬さすら 彼女が和らげる 橙の時がみちる緩やかな 疲れの中で 追いつこうと重ねた私の音符 余 私はオーボエを吹いていたことがある。 独特の音色と複雑な構造とダブルリードの繊細さが本当に好きだった。ずいぶんと触れていないけれど、また演奏したいと思うくらい今も好きだ。 YouTubeで木管三重奏の『落ち

        【ドイツ正規留学】滞在許可までの流れ+あると便利なもの

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        • 正規留学の記録
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        • 古めの作品箱
          7本

        記事

          ままならないので

          これは単に流れる意識を打ち込んでいるだけです。 毎月1週間だけでは飽き足らず、気圧がぐんと下がるたび、それに何か平常とは違うことがあるたびに、私はとんでもなくグジャグジャになる。風邪で鼻をかんだティッシュと同じくらい、丸まって、真っ青のベッドの上で、しかめっ面で、ふわふわくまちゃんの大きなぬいぐるみを抱える。名前もついてる。好きなキャラクターの名前と同じ。こどもっぽい? そりゃあどうも。 何もかもが急かしてくる。 今もピピピと真っ黒いスマホが私を呼ぶ。うるさい。だがこれも私

          ままならないので

          夕涼み

          どの季節でも夕方というのは一等良い。 今は夏。 うだるような暑さを孕んだ風も落ち着いてくる。 クーラーを一度止めて、扇風機の首をぐるぐる回して、網戸にする。 パソコンを開いて、適当にピアノ曲を選んで流す。 アンダンテが良い。 詩集を机に置く。これも適当に選ぶ。 なにせ本棚には好きな詩人のものしかないから、どれを選んでも失敗することはない。 電気はまだつけてはいけない。窓からの明かりで十分。 いつも使う椅子が大して座り心地が良くなくとも、これで気分はましになる。 本を開く。 眠

          夕涼み

          カーネーション、リリー、リリー、ローズ

          (after John Sargent) しろの花びら 葉っぱの香り 時が経つと深まって 子供たちは火を灯す 灯りは紙の中 おぼろげに カーネーションは黙っていて リリー、リリー、見下ろしている ローズはおめかし 待っている 近くへおいで お花をごらん みどりを抜けて風がささやく じっと匂って 色が変わるよ たそがれに たそがれに

          カーネーション、リリー、リリー、ローズ

          たちゆかむ

          そよかぜの頬にうけて するりそろり むらさきの天にあおぎて よろりゆらり 夏のゆめの遠きこと みどりの葉をこぼしける 君のかげろうすりぬける photo

          たちゆかむ