ままならないので

これは単に流れる意識を打ち込んでいるだけです。


毎月1週間だけでは飽き足らず、気圧がぐんと下がるたび、それに何か平常とは違うことがあるたびに、私はとんでもなくグジャグジャになる。風邪で鼻をかんだティッシュと同じくらい、丸まって、真っ青のベッドの上で、しかめっ面で、ふわふわくまちゃんの大きなぬいぐるみを抱える。名前もついてる。好きなキャラクターの名前と同じ。こどもっぽい? そりゃあどうも。
何もかもが急かしてくる。
今もピピピと真っ黒いスマホが私を呼ぶ。うるさい。だがこれも私が設定したものなので、急かしているのは、本当は私が犯人。何もかも、決めた予定も締め切りも全部私が仕組んだもの。とんでもないことをしてくれているな、過去の私よ。
グズグズになるのは時計の長針が大体一周するくらいの間だけで、その間を辛抱してればいいのがけれども、その前後もまた明かりのない夕暮れの部屋の隅っこのようで、忘れられた本が積み上がっているような重たさ。たぶん地震が来たら下敷きになって死ぬだろうというように、たぶんどうしようもなくなればグラシン紙のようにぺちゃんこにされてしまうだろう。そうしてこの前無駄にした切れ端みたいにまとめられて袋の中におさらばだ。
うわべだけではなんだってとりつくろえる。出していなければ誰もわからない。だけれど、私が、私自身のこの非常に面倒くさい内実をまるっと全部ひっくるめて許容できずにいるために、結構厄介である。
いいかげんに白衣を着た人々にお世話になろうか、なるまいか。しかし真っ青の皮の入れ物に入った紙と金属は、今日も白衣の人々のところに行きたがらない。その分は私の珈琲だとか、延命措置の素敵な音楽に目を光らせている。とても足取り軽くそちらへひょいひょい行く。白衣の人々はよく知らないから、近所の知っている人に、蛇みたいな鱗が生え始めた手に塗るクリームをもらいに行くだけ。
電話していいよって言うけど、仕方がわからない。かしこまった連絡だとか、明日の用事の確認だとかのやり方は知っているけれど、どうでもいいようなこの話をしようなんて言うのは知らない。そもそもどういうものなのか理解できていない。
そして今書きかけた言葉をガッサリと消した。周りを必要以上に気にしている。なんと馬鹿馬鹿しいもんだ。どうにかしようとしても、これまで何年も突き刺されてきた視線と言葉がまだケロイドになって、暗いパソコン画面に反射していつでも私にニタニタ笑いを向けてくる。
普通のことすらままならない。
さっさと切り上げてしまいたいが、ここから逃れられればきっといつかは。
もう飽きたので打つのを終わる。

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