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田中 渓

法人名/農園名:※年間売上1,500万円を超えたら命名予定
農園所在地:東京都町田市
就農年数:3年
生産品目:東京エコ農産物認証を取得した葉ショウガを含む年6品目の野菜(オクラ、ホウレンソウ、ニンジン、ナバナ、コマツナ)と青パパイヤ
HP:なし

no.152

4年で1,000万円超!?町田の未来を牽引するリーダー候補

■プロフィール

 サラリーマン家庭に生まれ育ち、幼い頃から祖父の農業を手伝ううちに、将来は「大好きなおじいちゃんと同じ仕事がしたい」という気持ちを持つようになる。

 普通科高校を卒業後、健康状態が良くなかった祖父を助けたいと、東京農業大学に技術練習生として進学し、同大農場で1年間研修。その後、同大農学科、大学院の農学研究科に進んで、経営学から品種改良などの技術を学ぶ。

 大学院2年生の時から、町田市の認定農業者になっているイチゴ農家や露地野菜農家で、週1ペースで技術指導を受ける。大学院修士課程を修了した2019年独立。

 結婚前は看護師として働いていた妻・理恵さんも、もともとは熊本県の野菜農家の出身で、2022年2月22日から夫と一緒に就農。

■農業を職業にした理由

 子供の頃から農家だった祖父に憧れて、同じ仕事につくことを目指して東京農業大学に進学。高校卒業後の1年間は、同大の技術練習生として、都市農業で農業経営をするための知識を学んだのち、大学・大学院で品種改良などの技術を習得。

 南多摩農業改良普及センターの勧めで、在学中からイチゴ農家と、露地野菜農家で技術指導を受けながら、地域の生産者と交流を広げる。

 大学院修了後、亡くなった祖父の畑を借り受けて独立就農を果たす。都市型農業の主流である少量多品目ではなく、葉ショウガや菜花、オクラなど年間6品目に絞って栽培。

 妻や祖母、援農ボランティアの力を借りてはいるが、多品目にすると手間や労力がかかるため、機械化によって省力できる作物を中心に、競合農家が少ない野菜を選んで堅実に収益を伸ばしている。町田の農業界の明日を担うリーダー候補だ。

■農業の魅力とは

 東京の消費者に近い都市近郊で農業生産することは、輸送コストを削減し、SDGsにも貢献しています。

 現在、販売先は農協などの直売所やホームセンターのほか、大手レシピサイト「クックパッド」が運用しているECサイトなど7ヵ所。

 お客さんも幅広い世代をターゲットにしていて、小中学校の給食用にニンジンを卸していますし、直売所ではメインの客層である高齢者からの需要が高い菜花や小松菜、ホウレン草、オクラなどのほか、春はタケノコ、日当たりの悪い土地を利用した葉ショウガにも挑戦していて、こちらは東京エコ農産物認証を取得しています。

 地元の生産部会では最年少ということもあって、周囲から勧めがあれば青パパイヤみたいな新しい品目にも積極的に挑戦するようにしています。

 また、大学院で学んだIoT技術の知識や経験を活かしてビニールハウスの温度管理や水やりなどの設備を自作するのは、趣味でもありますし、コスト削減や省力化につながるので一石二鳥なのです。

■今後の展望

 就農して3年が経ちましたが、新規就農者を対象にした補助金に加えて、現在は年間売上が年間700万円ほどに達しました。

 夫婦二人三脚での営農に切り替えたことも手伝って、2023年には1,000万円を超える見込みです。1,500万円超えが現実的になったら、法人化して農園名もつける予定です。2022年には東京都の補助金を活用してトラクターを購入しましたので、今後は学校給食用のニンジンの生産量を増やしていきます。

 就農前に農業改良普及センターから受けた、「地元の生産者に顔を売っておくように」というアドバイスは貴重でした。研修先の農家の1軒は、露地野菜の指導農業士ですし、現在所属する生産部会でも、「若いんだから新しい作物に挑戦してみては?」と応援してくれます。

 将来的には部会の役員になって、組織を内部から変革させて、町田の農業を牽引する存在を目指したいです。

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