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随筆

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2024年1月の記事一覧

ただの映画感想『12人の優しい日本人』

ただの映画感想『12人の優しい日本人』

★★★☆☆

「痛快&爆笑の会心作。渦巻く人間模様とテンポの良い展開に目が離せなかった。老若男女にウケる邦画史上の金字塔!」……、きっとそういう作品なのだろうが、年々、脳みそがおじいちゃん化しているわたしには複雑だった。いや、全然複雑ではないと思うのよ、中3の娘は話についていってたからネ。わかった範囲で書くと、日本人の性格をあんなに明瞭に書き分けているところ、三谷幸喜すげえ。あと一貫として有罪を唱

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ただの映画感想『ちょっと思い出しただけ』

ただの映画感想『ちょっと思い出しただけ』

★★★☆☆

会話の巧妙なトリックが印象的。最初は気づかず、内容のない会話だなあとマイナススタートだったわけだが、決めるとこではきっちりパンチラインハメめてくる展開にハッとした。会話劇ならぬ《会話映画》だった。あと、妻を待ち続ける男(永瀬正敏)の存在も気にかかった。葉(伊藤沙莉)は待っているタイプではなく、自分から掴みにいくタイプに見えた。妻を待つのも、恋をトライしようとするのも、儚くていいな。そ

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ただの映画感想『ほかげ』

ただの映画感想『ほかげ』

★☆☆☆☆

★は限りなく5に近い1。理由は感情がシンクロしてしまいすぎて、精神的にずっときつかったから。喉ぼとけに包丁を突き付けられ、眉間にも短銃を押し付けられた気分の95分。何度か耐えきれず発狂してしまう!という危機に瀕した。内容に触れると、子どもは女のまぼろしであり、希望だとずっと思いながら観ていた。だから女が子どもに「嫌いだ」と伝えたシーンには胸が張り裂けた。あんな気持ちをぶちまければいけ

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ただの映画感想『パラサイト 半地下の家族』

ただの映画感想『パラサイト 半地下の家族』

★★★★☆

本作公開前、はりきって観るつもりだったのに、メディアに取り上げられ、話題になってしまったので、あまのじゃくなわたしは観るのをやめた。あれから数年が経ち、気まぐれにゲオでレンタル。結果……、いやあ、観て良かった。悲しくも愉快。でもやっぱりせつない。韓国映画の真骨頂を見た。まったく先が読めなかったですねえ。「とにかく面白かった」となんのひねりもなく言うのもためらわないほどに、良かったなあ

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ただの映画感想『野火』

ただの映画感想『野火』

★★★☆☆
 
息詰まる作品だった。ただ冒頭の軍隊と野戦病院をたらい回しにされるシーンは滑稽でしかなかった。声に出して笑った。ジョークのように人が死んでいき、肉体もろとも吹き飛んだり、脳天を撃ち抜かれたり、笑いしかなかった。が、徐々に追い詰められ、田村一等兵(主人公)が狂っていくと一転、戦争の現実を突き付けられた。今もこの映画のような惨劇が、遠い世界で起こっていることに絶望した。すぐに近くに戦争が

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