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案外見落としがちなイメージ力:ランニング感覚

ランニング感覚と銘打ってシリーズ化しています。この「感覚」って選手は「センス」や「才能」と捉える人も多くいるので、それをある程度の素質さえあれば磨けるもの(到達出来る上限はある)だと意識を変えてもらうのもなかなか大変な部分ではあります。

そういった意識を受け入れられるのも「感覚」だったり、「センス」だったりするのでややこしいです。感覚が優れていたり、センスがあれば変わっていく、切り替えるのもまた上手く、早い。

さてその「感覚」ですが、それを裏付けるのは何かと考えた時に真っ先に思い浮かぶのが「イメージ力」。その中の大きな要素の2つが「暗黙知」と「形式知」だということでしょう。

言語化出来ることと出来ないこと。この2つを上手く操り、自由自在にイメージしていけるか?イメージ通りに心身を合わせていけるか?

そのように考えます。


★入力部分は形式知でも暗黙知でもどちらでも良い

読書が良い。小説を読めばイメージが浮かんで楽しめる。これがアスリートにとっても重要で、言語からどれだけイメージ出来るか。専門書や解説書を読んで、イメージし、自分の行動に落とし込めるか?動きや操作性、トレーニングメニューなどに変換出来るか?

非常に重要です。

また暗黙知として優れたプレイを目にし、それを自分の動きに役立ててみる。こういうプレイをしてみたい。確かこんな感じだったよね?と動かしていく。そういった能力が高ければ独力でもある程度のレベルまで到達していけます。「教師なしモデル」のようにどんどん「情報」を吸収し、自分の中に構築していければ良いのですから。

ただそのイメージが追いつかない部分になると、経験者や専門家に相談、レクチャー・アドバイス・フィードバックをもらいながら取り組んだほうが良いでしょう。

自分の中にイメージを持ち合わせていない状態で闇雲に取り組んでも成果が出難い。外部人材を組織に招聘するのも同じイメージですね。これは初期でも同じように、ビギナーは何もイメージ出来ない場合があります。スタブロの使い方は?コールって何?

そういった基礎部分をどう作り込んでいくかという時にクラブチームやコーチからレクチャー、学んでおくことが基礎固めの時期は大事で、今後の重要なベースとなります。

★★

人間の学習モデルが思い浮かべにくければ逆にAIの仕組みを学ぶのもありでしょう。人間の能力の一部を解りやすい説明で抽出されています。

画像認識、動画認識の仕組みを考えてみても、大量のラベリングされたデータが必要になります。これがネコ。このパターンはネコではない。それだけではイメージ不足で、あらゆるものに紐づけていけば自ずと精度も上がっていきます。

ヒトにとってはAIのような素早く「学習する処理能力」に限界はあるにせよ、生まれたときからずっと構築してきた能力と経験の蓄積、元々の感覚はAIより上回っているはずです。アスリートも幼少期からどう過ごしてきたかが大事になるのはこの辺りです。どれだけイメージ力を創り上げてきたか?感覚を磨いてきたか?見る目を養ってきたか?

強制的教育・指導の問題点はこの部分をケーススタディのように蓄積できるなら良いですが、むしろ消失・沈黙させ、考える力も奪ってしまうとまずいです。自分でイメージしなくても指導者の言う通りにやっていればうまくいく。それは非常に危険です。本来は逆。指導者などの力を借りつつ自分のイメージ力・感覚を高めていくことが大事なんですから。

AIと全く一緒とは言わないですが、学習にも幅が必要です。少しの範囲を効率よく学ぶだけではイメージ力・感覚も限界があるでしょう。より多くの学習、経験をしていくことが大事だとも言えます。

そういった意味でもこの石塚さんのnoteも読んでみては如何でしょうか?

またこちらの選手の「消える」部分もイメージ力と関係があると思います。自分が活躍できるイメージが湧かなくなっていく。何をどうすれば自分の目標に到達できるか?

このあたりは目標が文字で自己の内に記されていて、具体的なプロセスがイメージ出来ていない、感覚に落とし込めていないかもしれません。

そういった意味でもこのnoteにあるようにコーチを自ら選び、イメージ力・感覚を向上させる必要もあると思います。


★★★

こうしてnoteを書いたり、文章を書くのも頭の中にイメージ出来ているかどうか?それを具体的な文字、文章にしていけるかどうかが大事だと思います。

自分の内にないものは書くのが難しく、小手先の技術だけではなかなか上手く構築できません。アウトプットが上手くいかない場合は先ずインプットを見直す。その質量ともに充分だと思うなら、次はプロセスであるイメージ力、構築力、感覚のレベルを見直す。

ここを結構見落とす人も多いです。

パフォーマンスを高めるためにはインプット/アウトプットが直結するわけではなく、プロセス部分も大きな要素を占めており、だからこそ同じトレーニングをしていても差が出るし、成果が出るまでタイムラグが生じます。

そのあたりのメカニズムを理解し、こつこつ取り組み続けたいものですね。


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