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とげとげしさの連鎖

どうにもこうにも、とげとげしくなってしまう時がある。

先週、就活のために東京に行った時、あらゆる人に無愛想に接してしまった。

スタバでは店員さんの問いかけに全部食い気味で「はい」と答えた。
空港のカウンターで手続きをした時もだ。せっかく笑顔で手続きしてくれたのに、ずっと俯いて返事をした。
保安検査場を通過する時には、チケットを見せて、職員さんが促すのも待たずにさっさと通った。

電車で移動している時には、乗る前から降りるまでいらいらしていた。
東京の大きな駅に慣れていないのだろう、並ぶ場所がわからない人や、混んでいるのに乗ってから入り口の近くで止まって真ん中まで行かない人。
そんな人々にずっといらいらしていた。
自分だって、就活で頻繁に東京に来るまで、慣れていなかったくせに。

私は、そんな風に振る舞いたくなかった。
なのに、止まらなかった。
顔の筋肉が言うことを聞かなくて、相手と目を合わせたり、笑ったり、お礼を言ったり、どうしてもできなかった。

一体どうしてあんな風になってしまったんだろう。
自分で言うのもなんだが、普段はそんなことはしない。
ずっと接客業でアルバイトをしていることもあって、サービスをしてくれる人にはなるべく丁寧に接するように心がけている。
なのに、あの日だけ、とげとげしさを放出するのを止められなかった。

思い返してみて、原因と言えるかもしれないものが1つある。
それは…他者のとげとげしさに、曝されたことだ。

詳細は伏せるけれど、明らかに歓迎されていない(と私には感じられる)雰囲気の中に一定時間いたら、自分の中のとげとげしさを抑えられなくなってしまった。
とげとげしさに感化されて、「じゃあ私だって別に抑えなくていいじゃん」と無意識の内に思っていたような気がする(この言い方、人のせいにしているようで気が引ける)。

街を歩いていると、時々やけにとげとげしい人に遭遇することがある。
私はこれまで、そういう人に対してあまりいい印象はもっていなかった。
そりゃあストレスが溜まっているのはわかるけどさ、そんな風にすることないじゃん。
「この人も何か事情があったのかも」とは思えど、失礼なことをされたら「それとこれは別」と思っていた。

でも…先日の感覚からして、とげとげしい人も、好きでそうなっているわけではないのかもしれない。
こんなのいけないと思いつつ、自分でも止められないのかもしれない。
もちろん、それが他者に失礼な態度を取る免罪符になるわけではないけれど。

他者から受け取ったとげとげしさを、自分も誰かに渡していたら、とげとげしさの連鎖は止まらない。
うまいこと自分の番で受け流せたらいいのだろうけど、できない時は、どうしたらいいのだろうね。





最後までお読みいただきありがとうございます。 これからもたくさん書いていきますので、また会えますように。