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はずれ大根と枝豆の存在感

やけに細身でやや筋張っていた、はずれ大根。
見た目からして、おそらく「そんなに美味しくはないだろうな」とは思いつつも、ゆえあって購入にいたりました。

切ってみると、やはり皮の近くがやや筋っぽい。
それでも、なにかひんやりといただける滋味のあるおかずが欲しくて、シンプルな白だし煮に。

大根はレンジで下茹でしてもいいのですが、今回は米のとぎ汁で水から茹でました。切り方は、平べったい乱切りとでもいうのか、火の通りやすさを考えてあまり大きくなりすぎないように。

20分くらい煮て、やわらかくなったら一度取り出し、臭みを洗い流してからふたたび鍋へ。あとは水を注いで、みりんと白だしで煮ていくだけ。

途中で思い立って、油抜きした油揚げと冷凍枝豆を投入。あいにく冷蔵庫にはこれというものが他にないので、ささやかながら枝豆の緑で季節感を少しでも出そうかという算段です。
あとはついでに、今朝干物に添えて余った大根おろしも入れてみます。

そうしてできたのが、写真のこれ。

枝豆があるだけで、なにやら涼やかに

大根はやわらかく、中までじんわり味がしみていてなかなかに美味。

筋張っていたのは、気になるには少し気になるけれど、それよりも枝豆の愛らしさと涼やかさが目を引いて気分は上々です。

たった数粒の枝豆が、こんなにも食卓を幸せな気分にしてくれる。そう感じられたひとときでした。

出汁を吸ったお揚げはふんわりとやわらかく、大根はゆず胡椒を添えて食べるとなかなかオツな味。これは冷蔵庫でキンキンに冷やしていただくより、少し室温に戻して食べた方が大根の甘みがきわだつな、と、いつのまにやらあれこれ食べ方まで考えていたりして。

新鮮な食材が手に入ればもちろんそれに越したことはないけれど、たとえ完璧でなくても、ほんの気持ちで食卓は豊かで楽しいものになる。そんな風に感じられたひと皿でした。

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