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ふく
2023年4月5日 10:10
第二節 孤独 翔はいつも独りだった。それはビョーキ同然で、小学校から友達らしい友達がいない。友達がいないことで、自分の心に何十の壁をして鍵をかけ、鎖を繋いでしまった。ますます前に出ることができなくなってしまっている。翔は教育学部に通っていた。みんな「先生」を目指す人たちばかりでキラキラしていた。「先生」って言うのは「とりあえずなるものだろ」と翔はいつも斜に構えて見ていたから、どこか馴染めずにい
2023年4月2日 12:29
第1章 破壊第一節 世界が逆さまになっている心臓から碧くてどろどろとしたものが落ちてくる。翔は心を落ち着かせるために、(水筒の)水を飲んだ。これで5杯目だ。とうに喉は潤っている。でも、水を飲まずにはいられなかった。一瞬記憶を失いそうになる。なんとか正気を取り戻す。教授がホワイトボードに世界遺産の名前を書きながら何か説明している。この日、翔は3度パニックになっていて、とうに限界を迎えていた。