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小説の技法

 以前はどこにでも本を持って出かけていたが今はスマホで読むことが多くなった。
お蔭でカバンが軽くなり肩こり解消に繋がっている。

 短編小説が、一次審査を通過して、まず読んだ本は
・書くことについて(スティーブンキング)
・文章読本 (三島由紀夫)
この2冊だった。

 三島由紀夫の文章読本には、いい情景が書かれている。
とてもじゃないけど、真似できない。
一流の作家は、情景で人を唸らせることができると理解した。

 ネットで小説講座と題して読者の質問に答えている作家の意見を読んでいた時、
言葉を重ねすぎ、貼り付けすぎて意味不明な文章があることに気がつくいた。

 スティーブンキングは、本の中でこう言っている。
直喩や暗喩が適切なものでなかったら、しばしばそれは滑稽で間の抜けたものになる。
”狂ったように走った”
”引っぱりだこの人気者”
”夏の日のように美しい”
”虎のように闘った”
この種の陳腐な決まり文句で私の時間を無駄にさせないでもらいたい。

 キングが例にあげたものは、よく見かける。それを上手いと思わなくても良く考えて書いた、すごいね、なんて思っていた。人が書いた文章を見れば見るほど自分の文章は話にならないくらい下手だと感じていた。

 キングは、描写は努力によって改善される。そのためには、たくさん読み、たくさん書けと言っている。そしてこう締めくくられていた。
”あなたがすべきことは、見えたものを語り、小説とうまく折り合っていくことなのだ”

 自分には素晴らしい比喩や描写を表現する技はない。
小手先のテクニックより、自分の見えたものを書くしかない。

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