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【第5回】診療所の開設者と管理者の責任の違い・医師(歯科医師)に対する行政処分の実態~非医師が開設する診療所の管理者への就任は特に要注意?~

前回(第4回)の記事の冒頭に最近当事務所にも一般社団法人による診療所開設の相談が増えていると書きましたが、今回の記事も一般社団法人による診療所開設が関係します。

そもそも診療所の開設者と管理者の責任の違いを理解されているでしょうか?
ちなみに管理者は院長と呼ばれることが多いです。

医師(歯科医師を含む、以下、本記事において同じ)個人が開設する診療所の場合は、一般的には開設者と管理者が同一人なので、責任の違いを意識する必要はありませんが、医療法人や一般社団法人が開設する診療所の場合は、開設者と管理者が必ず別人です。(開設者は法人で、管理者は医師個人)

医療法人や一般社団法人でも、代表者及び実質的なオーナーが医師であり、その医師が管理者となる場合は、責任の違いを意識する必要はありません。
すべての責任を同じ医師が背負っているからです。

気をつけなければならないのは、実質的なオーナーが非医師(民間企業等)の医療法人や一般社団法人の管理者です。
仮に医療法人や一般社団法人の代表者は管理者と同一人であっても、実質的なオーナーが非医師(民間企業等)の場合は、あくまで名義上の代表者である可能性が高く、実質的なオーナーの意向が診療所の運営に強く反映される場合は、開設者と管理者の責任の違いをしっかりと意識すべきです。

医療法人でも実質的なオーナーが非医師(民間企業等)というケースは増えていますが、最近特に増えているのが、前回の記事に書いた営利型一般社団法人による診療所開設です。
そして営利型一般社団法人の実質的なオーナーの多くは非医師(民間企業等)だと思われます。

開設者と管理者の責任は、①行政上の責任、②刑事上の責任、③民事上の責任の3つに分かれます。
軽い気持ちで診療所の管理者を引き受けている医師が多いかもしれませんが、管理者である医師の行政上の責任の重さをしっかり理解したうえで、管理者の就任を検討すべきだと思います。

有料記事では、開設者と管理者の責任の違い、医師に対する行政処分の実態、実質的なオーナーが非医師(民間企業等)の法人の管理者に実際に起きたこと等を詳しく解説しております。


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