「光の残像」現象を再現する(後編)
なぜ「光の残像」が発生するのか、原理が分かったところで早速再現してみます。
〝光が尾を引いている〟というところから、まずは画を1フレームずつズラして、重ねてみました。
うん…なんかこれだけでもそれっぽい雰囲気があります!
特にこの高速の照明の部分なんかは特にそれらしい雰囲気があります。
でもよく見ると、単に〝画を重ねている〟だけなので、光源以外の部分も含む全てが重なってしまっています。(これはこれで面白い表現ですね!)
◆◆◆
そんなわけで、今度は明るい色の部分だけを重ねてみました。
おおっ!一気にそれっぽくなりました!!
先ほどの照明もよりリアルに再現できています。
タクシーのテールランプと行燈も見事にコメットテールしています!大友克洋監督の『AKIRA』で、金田のバイクが走り去るシーンを彷彿とさせる〝カッコよさ〟まで感じてしまいます。。
しかし……
なんぼなんでもコメットテールし過ぎやろ~!!
前編で記したように、本来であれば「ものすごく明るい部分」だけがコメットテールします。ところが、編集ソフト上では「明るい〝色〟の部分」全部がコメットテールしてしまうので、このような状態になってしまうというわけです。
しかも、コメットテールの色は概ね「赤っぽい白」と相場が決まっているのですが、色がリアルに反映されているために「青色のコメットテール」が電撃登場してしまいました。
30年の時を経て新色誕生
さらに…
よく見るとコメットテールが綺麗な線になっていない。点々になってしまっています。
さらにさらに……
横断歩道までコメットテールしとるがな!
というわけで、「それはそれで面白い表現」が生まれましたが、「コメットテールの忠実な再現」にはまだまだ時間がかかりそうです。編集ソフトを変えないと、これは流石に難しいかもしれません。
◆◆◆
(2021.07.30追記)
それから半年後、MBSさんの『水曜トークショー』とコラボして制作した「水曜トークショーのOP」では、大友克洋監督の『AKIRA』から着想を得て、なんとかこの問題を解決しました。
赤いテールランプと道路照明のみがコメットテールするよう再現することができました。
ただ、あまりにも時間と労力を要するので、「このコメットテールの感じで映像を作ってくれ!」という依頼は有料オプションです。。
(完)
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