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ブロッコリー詰め放題
2023年6月9日 16:48
バーの風景の一つとして、素敵な女性がカクテルグラスを口元へ運ぶ姿はとてもよいものである。年の頃は30歳くらいだろうか。胸の形のよく分かるピタッとした品のいいハイゲージニットに、女性らしい腰の曲線を強調するタイトスカート。その先に伸びるスラリとしていながら程よい肉置きの御御足。おそらく普段ハイヒールのみで鍛えられた形のよいふくらはぎを、今日は低めのパンプスで優しく労る。彼女はボクのゲイズ(ガ
2023年6月2日 00:12
バーを語るにおいてカクテルを避けては通れないのだが、酒類をはじめとした世にある無数の液体の組み合わせと、その由来やエピソードを語りだすと、早くこのシリーズを締めたいというボクの気持ちを萎えさせるほどに終わりが見えない情報量になるので、ここではあくまでバーにおいてのカクテルとの付き合い方に話を絞りたいと思う。なにせカクテルの王様と称されるマティーニを例に挙げると、名著『The Perfect M
2023年5月29日 23:28
バーでのオツマミについて。バーにおいてはそれほど論じるべき話題でもないかもしれないし、ボク自身詳しいジャンルでもない。まずバーにもお通し的なものがあって、大概ナッツやおかき、ドライフルーツといった乾き物である。これは用語としては「バーチャーム」なんて言うのだが、ボクは勝手に寿司屋なんかの符丁みたいで、客側が使うと恥ずかしいワードな気がしている。このバーチャーム、「お通し的」と言ったとお
2023年3月4日 20:51
そんなこと言っても、バーを楽しむには実際どうすればいいのさ?なんて本末転倒な疑問が浮かぶイケテないキミ。キミはまずお酒の味を知る必要がある。バーは基本的に飲酒を目的に赴く店であって、初めからサンドイッチやオムレツを目当てに来店するのは村上春樹の小説だけである。腹が減ったら軽食くらいオーダーする事はあるけど、キミが求めているのはおそらく、そんな事じゃない。キミの求めるオーセンティックなバ
2023年2月20日 22:12
モダンジャズの流れる薄暗い店内と、棚に輝く無数の酒瓶。黒光りするマホガニーのカウンターの前には無言でグラスを磨くバーテンダー。奥のソファ席から聴こえるカップルのボソボソと低いトーンの会話。カウンターには琥珀の液体を片手に中空を眺めながらタバコを燻らす中年男性。あくまで謙虚、沈着、静謐に時が流れる風景の、そんな一部に違和感なく溶け込みたい。キミがバーに求めるのは、そんな所じゃないだろうか。