2018年5月福島、いわき〜富岡駅〜回転寿しアトム
<続き>
来年3月のもやい展金沢を見据えて、5/12、13と富岡、浪江へ取材に行った。今回は行き帰りとも電車で、いわきで宿泊し、現地ではただひたすら徒歩の予定。自動車免許を持たないのでやむを得ない。1日目、2日目ともいくつか目的地を設定し、点を周りながら町を見る。両日ともに10km程度の行程を予定している。
いわき駅前。除染が終了し、それまでいわきにお金を落としていた作業員らは別の街へと去った。そのためか、駅前の飲食店が次々に閉店しているという。バスターミナルの前にあった駅前酒場も消えている。
いわきから富岡へ向かう電車は、何故か特急車両だった。まさかと思い、乗り遅れそうになる。
広野駅の手前だったろうか。何気なく出していたエアカウンターの数値がトンネル内で急に上がった。トンネル内は除染していないのだろうか。
木戸〜竜田間から見えるフレコンバッグの山。しかし、富岡駅前でもそうだったが、目に見えるフレコンバッグの数は減ってきている。中間貯蔵施設への移動が始まっていること、東京五輪までに人目につかないように隠したいという国と県の意向によるものだ。
竜田駅前には、こんなアパートのような“ホテル”が新しく出来ていた。除染や警備などに携わる作業員のための簡素な“ホテル”。
昨年3月に楢葉の町を歩いた際、建設中だった「復興公営住宅」と思われる。仮設というには立派だし、かといって普通の住宅と比べるとやや粗末だ。
これも竜田駅前。広野の駅前にも同様のデザインの大きなビルが建ち町役場が入ったが、やはりフロアは余っているようで、「テナント募集中」と書かれていた。竜田駅前の建設中のこのビルは、それよりは小さい。
富岡駅。昨年11月に来た時を思い出す。中間貯蔵施設にフレコンバッグを運ぶためだけに作られているという橋は、まだ建設中だった。
こちらはマンションのような富岡ホテル。一度泊まってみたい。その場合周囲に飲食店はないので、食事はホテル内レストラン、バーラウンジを使うか、コンビニで買い出しするしかない(徒歩10分足らずの国道6号沿いにさくらモールとみおか、その近くにラーメン屋はあるが)。
12日の土曜は、富岡の街を歩いた。
駅を起点に、夜ノ森駅まで行って帰る。
富岡駅から、まずは国道6号の回転寿しアトムへ向かう。6号へ向かう途中、エアカウンターを出すと0.15μSv/h。富岡駅構内にあるモニタリングポストは0.07μSv/hを示しているが、駅を一歩出るとすぐに線量は倍になる。このあとも大体0.2μSv/h前後で推移する。低い数値ではあるが、これでも首都圏の3〜4倍だ。
基本的に駅前はスカスカだ。かなりの建物が撤去された。それでも震災直後のままの廃墟も未だ存在している。
富岡第一中学校。
見る限り再開はまだまだだ。…再開する日は来るのだろうか。個人的に、学校の廃墟は突き刺さるものがある。
国道6号に出ると、電柱にこんなステッカーが貼られていた。
回転寿しアトム。半年ぶりの再会。解体が決まったと聞いていたが、まだ解体されずに残っていた。
中を見てわかる通り、7年前のまま、時が止まっている。ここの解体決定がニュースになった時、取材を受けたオーナーが震災遺構として残したかった的なことを話していたが、国や県がそれを許さないだろう。津波の遺構は残しても、原発事故の遺構は残さない。何故ならそれは国策の誤りの象徴であるから。
…しかしフレコンバッグも含め、核のゴミは今の人類には消すことは出来ない。負の遺産として半永久的に残り続ける。
アトムの前は0.36μSv/h。首都圏の7倍。国道6号より内陸に入ると、さらに放射線量は上がる。
<続く>
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