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2020年3月福島取材⑲/7ヶ月ぶりの富岡町

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<続き>

常磐線全通の日から1日たち、3/15。

⑬でも書いたが、僕は浜通りに来た時は、いわき以北では線量計にスイッチを入れる。1日でどの程度被曝したのか、積算線量を見ることで目安にはなる。今回の2泊3日の取材で、1日目の3/13は約7.5時間で積算で1.68μSv。浪江の海側を歩いたので低めだ。尤も、うちの近所と比べれば倍以上だが。2日目の3/14は、大野駅や双葉駅といった比較的高線量の場所を歩いたので、1日目とだいぶ違い、約9.5時間で4.72μSv。1時間あたりでは0.497μSv。これには移動の電車の分も含まれているので、電車に乗っていない時間の平均的な線量はもっと高くなる。

3日目の3/15も、前日と同じ、朝6:09いわき発の電車に乗って移動した。常磐線全通初日だった前日に比べれば乗客は少し減った。それでも、座席は全て埋まっている。Jヴィレッジ駅では、やはり前日も見かけたデジイチを抱えた鉄ちゃんが何人か乗って来た。今までは誰に気兼ねすることもなく出していた線量計だが、やはり少し気にはなる。

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この日の予定は、まず富岡で降りて、小良ヶ浜のフレコン置き場を確認する。昨年4月以来行っていないが、当時「帰還困難区域の奥に移動して隠す」と警備員から聞いていたので、今どうなってるか確認しようと思った。

昨年8月以来の富岡町。駅で降りて、いつものように6国方面へ向かう。

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遠くにうっすら雪の積もった山が見える。

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ここにあった廃屋は解体されてしまった。3/26スタート予定だった聖火リレーに向けて解体したのだろう。

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富岡第一小学校の校舎は取り壊しが決まったはずだがまだ残っている。聖火リレーまでに壊すと聞いていたが…五輪準備で首都圏に人手が取られて解体が追いついていないのだろうか。

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このバイク屋の廃墟はまだ残ってる。

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この写真館もまだ残っている。

空気が澄んでいて気持ちがいい。放射能に汚染されてなければ、ここは自然の楽園だと改めて思う。

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有名な回転寿司アトムも、ずいぶん前に解体が決まったはずだが、まだ残っていた。ここの元の店主は、いわきで焼き鳥屋を始めて大繁盛でなかなか連絡がつかないと聞いたが、もしかするとそれを口実に解体を拒否しているのだろうか(5/31、解体が始まったとの連絡あり)。

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17年11月に初めてここを訪れてから、何回来ただろうか…

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怪しい真っ白なバス。

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遠くに見える阿武隈の山並み。

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富岡川。

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COVID-19蔓延により閉館している廃炉資料館の前を通り過ぎ富岡川を渡ると、6国沿いに残っていたパチンコ屋の廃墟がなくなっていた。

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原発事故を語るかのように残されていた廃墟がこうして消えていく。五輪がなくともいずれ解体されたとは思うが…やはり寂しい。

常磐線の線路脇の階段を上がり、小浜のニュータウンのような住宅街へ。

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この階段の先には1.0μSv/h程度のホットスポットがある。

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(福島第二原発排気筒)

住宅街といっても、半数以上は解体され、住む人もまばらだ。富岡町総合スポーツセンター脇の団地が見える。あそこはまだ解体してないのか。

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解体された家はフレコンバッグに詰め込まれ、放射性廃棄物として処分される。

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更地ばかりだ。

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手元の線量計が毎時0.6μSvを超えたあたりで、帰還したのか移住したのかわからないが、2歳くらいの女の子と一緒に歩く若いお父さんと出くわした。おはようございますと挨拶を交わしながら、僕はとっさに線量計を隠した。なんとも言えない気持ちでその場を後にする。

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小良ヶ浜に近づくにつれ線量が上がっていく。

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ここには平屋の廃屋がたくさん並んでいた。猪と遭遇した場所でもある。今は解体され、何もなかったかのように更地となっている。

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帰還困難区域のゲートが見えてきたが、まだ朝早いからか警備員はいない。

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ゲート前で右折し、フレコン置き場へ向かう。かつては田んぼだった場所は…水浸しじゃないか。何なんだ、これは…

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この雑木林の脇は、昨年4月に毎時3.93μSvまで上がった場所。100mほどに渡って1.0〜4.0μSv程度の高線量地帯が広がる。「ホットスポット」と言うと点のようだが、違う。言うなればここは「被曝の森」だ。

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あれ、フレコンがあんなに…

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は? フレコンバッグがほとんど減っていない?

<続く>


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