2019年4月富岡浪江取材 真っ白なバス
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「そういえば桜の時期に富岡に行ってない」
そう思った僕は、もやい展が終わって1週間も経たないうちに、4月上旬に福島へ取材に行くことを決めた。「北海道&東日本パス」なる切符を使い、10850円で、JR東日本とJR北海道普通列車7日間乗り放題…なんと!青春18切符より安い!
1日目(4/5)は、朝4時に起きて準備、5時に出発。まだ空が暗い。
前夜は一睡も出来なかったw
鈍行列車でうつらうつらしながら、6時間かけて富岡へ向かう。
いわき駅で乗り換え。いい天気。
電車を待つ間、パチンコ談義をする爺さんたちの話が聞こえてきた。原発事故避難者に対する皮肉めいた会話。
「しかしおめー、よくパチンコで食えんな。今はどこも渋くてよ」
「何、たまたまだよ」
「でもよ、あと2、3年もすれば、避難者いねえことにされんべ。補償金もらえなくなってよ。そしたら避難者来なくなって、パチンコ屋も出すようになっぺ」
「マルハンは今でもよう出るよ」
「あー、マルハンはそうなんか」
生々しい。これが今の福島なのか…暗澹たる気持ちになる。
(春休みだから子供もいる)
(広野駅前はデイリーヤマザキしかなかった)
(木戸駅から見えるフレコンバッグは相変わらず)
富岡駅周辺のフレコンバッグは殆どなくなっていた。僕が絵本で描いた朽ちかけたフレコンバッグの山、ひと山だけが残っている。
駅を出て真っ先に目に入ってきたのは、「廃炉コミュニケーション云々」と書かれた腕章をつけた人が、外国人を含む団体を案内する姿だった。直感的に「東電だな」と思った僕は、すぐにカメラを向ける。何のロゴもない真っ白なバスに乗って、彼らは消えていった。
明らかに異様な真っ白なバス。手前のおじさんはどんな気持ちで見てるのだろう。
(新しく出来た「わんわんレンタカー」。車を運転できればなあ…)
「浜通りの交通アクセスを便利にするプロジェクト」
(桜はまだみたいだ)
(幼稚園。再開する日は来るのだろうか)
(0.43μSv/h。幼稚園の前)
(テレビ局のクルーがいた。診療所の取材?)
(廃炉資料館。敵情視察に行こうかと思うが、どうにもイライラしそうで1人では行くに行けない)
(アトムは健在だった)
やっぱりあのバスは東電だった。
去年12月にも歩いたルートを辿り、小良ケ浜へ向かう。大量のフレコンバッグの山と、その手前の高線量地帯の今を見に行く。
<続く>
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