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2019年4月富岡浪江取材 南上ノ原町営住宅

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<続き>

南上ノ原町営住宅はひっそりと佇んでいた。

(これらは皆、「放射性廃棄物」として捨てられる)

空間線量はそれほどでもない。いや、これでも十分高い。しかし、今まで歩いてきた道が高過ぎた。

(片付けられた部屋もある)

こういうのを「ゴーストタウン」というのだろう。不謹慎とか失礼とか言う人は、自分で足を運んでから言ってくれ。

(昼間でも怖い)

向かう途中に住民が還っている家が数軒あったが、この廃墟をどう感じているだろう。日常の風景になっているだろうとは予想がつくけれど、それは決して自然なことではない。

(地震で壊れた様子はない)

(ここに暮らしがあったのに)

イノシシか不審者か。窓が割られている。部屋の中は荒れ放題だ

イノシシが掘った跡。

物置が倒れていた。

(美しい花が切なく咲く)

(遊具の向こうに、建築中の家が何軒か見える)

さほど空間線量は高くない。高台にあり、除染もされてるため空間線量は比較的低い(あくまでも「比較的」。福島県外であれば、この数値は立入禁止で除染しなければならない数値)。しかしこの町営住宅に人は誰もいない。そこは不気味なゴーストタウンそのものだった。地震で倒壊した様子はみられない。これもやはり、原発事故がなければこんなことにはならなかった。

避難指示を解除したところで、この住宅に戻る人がいるわけない。いずれは解体され、更地になるだろう。新しい家? ここには建たないだろうね。

空も青く山も綺麗だが、放射性物質は目に見えないから。

重苦しい気持ちで南上ノ原をあとにする。

<続く>


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